商品の説明

Gibson社のフラッグシップモデルであり、もはやエレキギターの代名詞とも言える”Les Paul”モデル。どんなモデルよりも最も有名かつ多くのアーティスト・ミュージシャンに愛用されてきました。

リック・デリンジャーからエリック・クラプトンへ、エリック・クラプトンからジョージ・ハリスンに渡った伝説的なギター、通称「LUCY」。ビートルズ前期のジョージ・ハリスンのメインギターと言えばRickenbacker 360-12やGretsch 6122 Country Gentleman、Epiphone Casino等が挙げられますが、ビートルズ後期になると楽曲の変化と共にFenderやGibsonギターを多用するようになります。そして1968年には親友であるエリック・クラプトンより1957年製のレスポール”LUCY”をプレゼントされ、ビートルズの後期からソロになってからも長く愛用し続けます。

LUCYレスポールについては、まさに伝説と言われるに相応しい経緯があり、元々はラヴィン・スプーンフルのジョン・セバスチャンが購入。オリジナル状態はゴールドトップ＆Bigsby搭載の現在とは全く違うスタイルでした。その後1966年頃にリック・デリンジャーの元へ渡ります。そのサウンドを気に入ったリックは塗装が剥がれるまでに弾き込み続けますが、それを見た彼の父親から”汚い”と言われてしまい、1967年にはGibson社へ持ち込んでリフィニッシュが施されます。リフィニッシュには当時のSGに採用されていたCherry Redカラーにて再塗装されます。ただリフィニッシュされた後のサウンドが気に入らなかったのか、ニューヨークにあったダン・アームストロングの楽器店に売却（他のｒスポールと交換）。そこで販売されていたのを見つけたのがエリック・クラプトンで、即購入に至ります。翌年1968年の8月に親友であるジョージ・ハリスンにプレゼントされます。ジョージが所有して間もない頃、女性コメディアンのLucille Ballが、自身の赤毛のイメージよりジョージ・ハリスンにそのギターを“Lucy”と名付けるよう働きかけ、ジョージはその名前を採用します。そして早速、超名盤として名高い”White Album”のセッションにて使用、RevolutionのPVでも使用され、同じくWhite Album収録の「While My Guitar Gently Weeps」のゲストに参加したクラプトンのリードがこのLUCYで演奏され、多くの観客を含め世界的に”LUCYレスポール”が認知されるようになりました。その後ソロになってからもジョージはLUCYを手放さず愛用し続け、1973年1月、Rainbow Theatreでクラプトンと共演した際には、クラプトンの手で再びLUCYが奏でられる一幕もありました。ところが同年このLUCYはジョージの自宅から盗まれてしまいます。ジョージはこのLUCYを探し回り、ハリウッドのGuitar Centerで販売されたことを知ると、代わりのレスポールとプレシジョンベースを渡して、LUCYと交換してもらいます。ジョージの手に戻ったLUCYは74年以降のステージでも使用され、ずっとジョージの手元にありつづけました。

今回ご紹介させて頂くのは、その数々の大物アーティスト達から受け継がれ数奇な運命を辿った伝説のレスポールである”LUCY”を再現したファンには堪らないモディファイ品。LUCYの極めて高い人気より数々のモディファイ品、そして本家Gibson社からも復刻モデルが発表されましたが、こちらの一本はそれらの”LUCY”には無い特別な仕上げが施され、LUCYレスポールの一番の特徴でもあるオフセット2Pを再現した塗装だけでなく、オフセット左部分はフィギュアドまでをも忠実に再現。またベースをLes Paul Classicモデルとした点も、オリジナルのリシェイプされた薄めのネックシェイプが60年仕様となるスリムシェイプに近いという、ファンには堪らない拘りポイントとなります。

スペックとしては60年リイシューとなるClassicモデルに準じ、メイプルトップ＆マホガニーバック、ローズウッド指板となりますが、採用材のグレードの高さを伺えるバランスの良い個体かつ、総重量は約4.14kgと非常に軽量な仕上がりとなっております。また指板のローズウッドも遠目ではエボニーかと思ってしまう程に黒々とした当時のハカランダを彷彿させる素晴らしい材となっております。その他拘りのポイントとして、ヘッドのLes Paul Modelのシルクスクリーンは無し、トラスロッドカバーはCUSTOMの刻印入り、グローバーチューナー等が挙げられますが、更にオリジナルに寄せるのであれば、クルーソン交換跡やブラックのジャックプレート、ヘッドのたばこ焦げ跡、エンドピン付近のビグスビー取り付け跡を加工すれば、更にオリジナルライクなルックスになるかと思います。ネックシェイプは上述の通り、オリジナルは太目の57シェイプから薄くリシェイプされておりますが、こちらは元々より60年仕様の薄めのスリムシェイプとなっている点もファンには嬉しいポイントです。そして何より特筆すべくは、オリジナルルックスを忠実に再現したリフィニッシュですが、こちらは静岡の有名なビートルズギアショップ様での作業にて、単純にオフセット部を違うトーンでリフィニッシュするだけでなく、オフセットの左側部はフィギュアドメイプルを再現した塗装となっており、その部分は一見してフィギュアドメイプルでリトップしたと疑わない仕上がりで、まじまじと近くで杢目を追って初めて、塗装技術によるフィギュアドの再現だと判断出来ます。こちらのルックスこそオリジナルに最も忠実な部分であり、ファンには堪らない一本となっております。

またこちら元々が非常に良くなる個体ではありますが、ピックアップがQuick Connectの57 Classicが搭載されており、ハンダいらずにて簡単にピックアップ交換が可能となります点より、気軽にお好きなピックアップに交換することでサウンドの変化も楽しめます。現状のサウンドキャラクターとしてはオーセンティックなヴィンテージレスポールを意識したトーンで、これぞレスポールと感じさせる野太いローミッドに、しっかりとしたエッジ感を持ち、スリムネックの影響もありジョージのLUCYサウンドに近いニュアンスを感じさせてくれます。

状態としては、細かな打痕や当て傷こそございますが、ありがちな抉るようなバックルスクラッチや外観を大きく損ねるようなダメージは無く、ピックガードは保護シールが残っております。演奏面としてもネックコンディションは良好でトラスロッドの可動域もシッカリと残っており、フレットも目立った減りなく8～9部山程残っております。付属品としても書類関係一式（画像参照）とオリジナルハードケースが付属致します。