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- 2024/03/22
Gibson Custom Shop / Collector's Choice #18 Dutchburst 1960 Les Paul
週刊ギブソン4回目となる今週は、コレクターズ・チョイス・シリーズの最新入荷モデル#18 1960 Les Paul 0 1167 aka“Dutchburst”をフィーチャーします。いわゆるバーストとしては非常にレアな仕様を持つ個体を丸ごと再現した“Dutchburst”の魅力を、サウンド・チェック動画と合わせて紹介しましょう。
ギブソンの歴史的な名器を、個体の特徴そのままに現代に蘇らせたコレクターズ・チョイス・シリーズ。#18は、シリアル・ナンバー0 1167、通称“Dutchburst”と呼ばれる個体を再現したものです。シリアル・ナンバーからもわかるとおり、このギターのオリジナルは1960年製、それも1960年の後半のものです。ディップ・ノブとも呼ばれる、上部に金属の円形プレートが付いたコントロール・ノブが、その時期だけの特徴になります。
オリジナルの“Dutchburst”の最初の所有者はオランダのギター・プレイヤーで(だから“ダッチ”と呼ばれているわけですね)、クルーズ船でジャズを演奏するトリオの一員だったとか。2012年に次のオーナーに譲られるまで非常に大切に使われていたようで、半世紀以上の歴史を持つビンテージ・ギターで2人のオーナーの手にしか渡っていないという点だけでも非常に珍しい個体です。加えて、近年まで実際に使用されていたバースト、しかもコンディションが良好なものとなると、世界的に見てレアだというのも納得でしょう。
“Dutchburst”の大きな特徴は、有名な“1960年グリップ”にあります。1958年までの極太のネック・グリップ、1959年製のほど良い太さ・厚みのグリップと比較すると、1960年製は格段に薄い仕上がりになっています。ギブソンの案内にも「very playable、“fast”、neck」という文言がありますが、まさにその通りで、現代的なプレイヤーでも十分に演奏しやすいネックです。
そしてこの“Dutchburst”を特別な1本にしている決め手は、やはりこの色味にあると思います。赤味が退色せずに残り、鮮やかなチェリー・サンバーストの状態を保つ個体が多い1960年製の中で、この退色の仕方はかなり珍しいものです。赤味はしっかり残っているのですが、ボディ中央から周辺へ移るグラデーション部分が少し紫がかって見え、なんとも言えずセクシーな雰囲気を醸し出しています。まさにコレクターズ・チョイスの名に相応しいスペシャルな1本、そのサウンドを動画でチェックしていきましょう。
使用アンプ:フェンダー 68 Custom Deluxe Reverb
上限300本で製作される“Dutchburst”。ピックアップにはネック側、ブリッジ側ともにカスタムバッカーがチョイスされています。カスタムバッカーは、アルニコ3を使うことでバーストバッカーよりも出力値を抑えたモデル。印象としては、57クラシックやバーストバッカーに比べ、高域がしっかり出るピックアップといった感じです。
弾く前はもっと枯れたサウンドのギターをイメージしていましたが、その実、現代的な質感を持っていて、十分な色気がありつつも、元気のいい曲調にもマッチします。例えば、ヒストリックの59あたりがナチュラルかつブルージィなテイストのギターだとすると、本器はもう少しロックなイメージです。モダン・ギターにも通じる薄いネック・グリップが持つ音響的な特性が、このギターの全体的なサウンドに影響しているのかもしれません。もし「レス・ポールの音も見た目も大好きだけど、演奏性の点でモダン系のギターを選んでいる」という人がいたら、絶対に本器をチェックすることをお薦めします。
皆さんは“Dutchburst”のサウンドをどう感じましたか? ぜひ、週刊ギブソン第2回で紹介した他のコレクターズ・チョイスのレス・ポールと聴き比べてみて下さい。なお、試奏した個体はG-CLUB TOKYOにて取り扱っています。次回も、お楽しみに!
※週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは毎週金曜日に更新します。次回は6月13日を予定。
価格:¥760,000 (税込)