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- 2024/03/22
Gibson Custom Shop / Collector's Choice #28 1958 LesPaul #8-6787、aka"STP 'Burst"
コレクターやミュージシャンが秘蔵するギブソンの名器を完全に再現するシリーズ、コレクターズ・チョイス。最新モデルとなる#28は、アメリカの名ギタリスト、ロニー・モントローズの愛器であった1958年製のレス・ポールを再現した1本。今週は本モデルの魅力を紹介します。
ファンの間では名レス・ポール・プレイヤーとして知られている、ロニー・モントローズ。惜しくも2012年に鬼籍に入りましたが、自身のバンド、モントローズやガンマ、そしてエドガー・ウィンター・グループ等で素晴らしい演奏を聴かせてくれました。そんなロニーの愛器が1958年製レス・ポールです。モントローズのデビュー・アルバム『MONTROSE』(邦題『ハードショック』/1973年作品)で全面的に使用され、みっちりと歪んだ、ミドルのせり出したぶ厚いトーンを聴かせてくれます。
そのレス・ポールはのちにドイツのプロデューサーの手に渡り、数々のレコーディングに使用されています。今回、ギブソンはCollector's Choice #28 1958 LesPaul #8-6787、aka"STP 'Burst"の再現に際し、ドイツにあるオリジナルを徹底的に調べたそうです。コレクターズ・チョイスはヒストリック・コレクションとは異なり、“その個体を徹底的に再現する”シリーズですので(ヒスコレは、その年代の平均的な仕様を再現するシリーズ)、3Dスキャナーを使ったトップやネック・グリップの検証、数百枚に及ぶ写真撮影、キャビティ内のチェック等が行われました。
そうして生産された本器は、基本的なスペックは最新型のヒスコレ58に準じつつも、色味や、傷などのエイジド処理、ネックのグリップ、そしてサウンド等、本器ならではのオリジナリティ溢れるものに仕上がっています。例え“STPバースト”と呼ばれる退色状態を再現した独特な色味や、“58モデル”ながら太過ぎないグリップ、プレーン・トップを基本とするヒストリック58に対して見事な杢目を見せるトップなどが本器の存在感を高めています。
そのサウンドを、動画でチェックしていきましょう。
使用アンプ:フェンダー 68 Custom Deluxe Reverb
使用シールド:ギブソン18' Purple Gibson Instrument Cable
非常にセンシティブなハムバッカー・サウンド、それが第一印象です。「週刊ギブソン」ではもうお馴染みですが、良いレス・ポールらしいトーン(全体に太く、高域がしっかりと出て、低域に濁りがなく、心地よいバイト感……)を備えつつ、ピッキングやボリューム・コントロールによって様々な表情を見せてくれます。
本器に搭載されているピックアップ、カスタムバッカーはアルニコ・マグネット3を使用し、コイルのターン数を落としてパワーを抑えたモデルで、凝縮されたミッド・レンジに特徴があります。動画では0:35~ボリュームを上げた直後の1&2弦チョーキングの音に顕著ですが、高い音をチョーキングすると、気持ちの良い倍音が乗ります。バースト・コレクターが“ダブル・トーン”と呼ぶ、オリジナルPAF独特のあの音が見事に再現されています。ピッキングやボリューム・コントロールに対する反応が抜群に良いのは、このピックアップによるところが大きいと思います。弾き方によって音色がずいぶん変わってくると思うので、ハード・ロック以外のジャンルでも十分使えそうです。もちろん、ハード・ロック系には最高の1本。特にモントローズの1stアルバムのようにみっちりと深く歪ませる場合は、アンプのゲインやボリュームをグッと上げた方が良いでしょう。サウンド以外の特徴としては、魚のうろこのようにギラギラと光る杢目が挙げられます。特にトグル・スイッチ周りに注意して見ていただくとその様子がわかりやすいかと思います。
Collector's Choice #28 1958 LesPaul #8-6787、aka"STP 'Burst"は上限300台の生産。ロニーの元妻や関係者のインタビュー映像を収めたUSBメモリー、記念ピック等が付属します。誰が弾いてもその人なりの良いレス・ポール・トーンを出してくれるギターですが、やはりロニー・モントローズ・ファンに手に取ってほしいギターですね。
※週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは毎週金曜日に更新します。次回は7月25日を予定。
価格:¥780,000 (税別)