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- 2024/03/22
Petersburg / JP-100
2014リマスター・エディションの発売で改めて評価が高まっているレッド・ツェッペリン。ギタリストのジミー・ペイジが、’95年のペイジ・プラントのツアー以降に愛用しているロシア製のアンプPetersburg JP-100が、遂に日本でも発売された。
まず、黄色と赤のロゴが目を引く。電源を入れるとコントロール類の上部が緑色に光り、非常にカラフルだ。コントロールは左から、プレゼンス、トレブル、ミドル、ベース、マスター、プリアンプ(いわゆるゲイン)と、現代のアンプにしては非常にシンプル。プリ部に12AX7を3本、そしてパワー部には6L6を4本使用している。この6L6は中級以上の出力のフェンダー・アンプなどでお馴染みの真空管で、ジミー・ペイジはマーシャルにも6L6を搭載していたとか。
本機の音はとても明るく、張りがあって、6L6のイメージ、そしてジミー・ペイジのイメージ通りのサウンドだ。クリーン、クランチ、深めの歪み(とはいっても、クラシック系のアンプなので、モダン・ハイ・ゲインの音とは違う)のどのレベルでも、パンパンに張ったサウンドが印象的だ。低音域が引き締まり、高音域は飛び出してくる感覚で、プレーン弦のピッキングの際には“ピキュッ”といった感じのアタック音が入る。ゲインを控えめにしてペダルで歪みを作ってやれば、実はシングルコイルともマッチングがよさそう(特にストラトのフロントとか……)。かなり音のでかいアンプで、動画ではスタジオの中とはいえマスターは控えめにしているが、それでも空気が激しく振動する。現時点で既に非常に良い音がするアンプだが、もう少し“慣らし運転”をすると、さらに良くなりそうだ。ジミー・ペイジ・ファンは絶対に要チェックのアンプである。
価格:¥380,000 (税別)
井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。