Bose S1 Pro+ wireless PA system × 松井祐貴&井草聖二
- 2024/04/25
Gibson USA / Les Paul Standard 120 Light Flame Top1
ギブソンのソリッド・ギターの中で最も高い人気を誇るレス・ポール・モデル。現在、レス・ポールには様々なバリエーションがあり、好みにあったレス・ポールを選べる状況はギター・ファンにとって嬉しい限りです。今回、ギブソン120周年を記念して、レス・ポール・ファミリーに限定のスペシャル・モデルが加わりました。伝統的なルックスはそのままに、ボディを極めて薄くしたGibson USA Les Paul Standard 120 Light Flame Topです。弾きやすさだけではないその実力を、動画を交えて紹介します。
数え切れないほどのスーパー・ギタリスト達がその胸に抱き、ロックの歴史を作ってきたギター、レス・ポール。憧れのギタリストが使用したモデルと、少しでも似た仕様、カラーの1本が欲しいというファンはいつの時代も絶えません。同時に、このギターを“今の音楽を作るために必要な楽器”という視点で選ぶ人も大勢います。ギブソンはそうした声にも応え、常にレス・ポールをアップデイトしてきました。
120周年という節目の年にギブソンUSAがリリースしたLes Paul Standard 120 Light Flame Topは、伝統を活かしながら今日的な仕様を盛り込んだ、“今のレス・ポール”のひとつの形です。最大の特徴は、メロディメイカーあたりを彷彿とさせるほどの薄いボディ。さらにボディ裏にはコンターが施され、フィット感は抜群。非常に操作性が良い印象です。通常はリア・ピックアップのトーンにあたる位置に、コイル・スプリット・スイッチが搭載され、多彩な音作りができる点も特徴でしょう。ボディ・トップ・グレードにより1〜3までが用意されており、その最高グレードとなる本器「1」には、細かなフィギュアがびっしりと表れ、風格も漂います。手に取ってみるとその操作性や多彩な音色に驚かされるでしょう。
それではLes Paul Standard Light Flame Top1のサウンドを、動画で確かめていきましょう。
使用アンプ:マーシャルJVM210H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソン18' Purple Gibson Instrument Cable
本器の基本的なサウンドは、レス・ポール・スタンダードに準じたもの。ロックに最適な、ハムバッカーの太く伸びやかなサウンドをアウトプットします。レンジ感やトーン・ニュアンスは、ボディの薄さが影響しているのか、ビンテージ風というよりもモダンな印象です。ギチギチとした感じのアタック感と、そのモダンなサウンドから、本連載第15回で紹介したSGスタンダードを思い起こしました。
本器にはコイル・スプリット・スイッチが搭載されており、スイッチを上にすると太めのトーンからよりトレブリーなトーンに変わります。特にフロント・ピックアップで使用すると、曲調によっては重くなりがちなフロントのトーンを軽やかにすることができ、非常に有効だと感じました。もちろんリアのタップ・サウンドも使える音で、現代的なサウンドのトラックに合わせても音が埋もれることはなさそうです。サステインの良さは、タップのオン/オフどちらの場合も非常に良好で、さすがはレス・ポール・スタンダード! 生の状態で十分なサステインを得られるしっかりした作りだからこそ、タップのオン/オフに左右されずロング・トーンを楽しめるのだと思います。
ボディの薄さやコンターによるフィット感は最高です。通常の厚さのレス・ポールに慣れている人は、弾き始めこそ“薄っ!”と気になるかもしれませんが、5分も弾けばその心地よさに納得するはず。コンターが入った他のギターからの持ち替えも、違和感なく行えるでしょう。ネック・グリップについても極端に太い・厚い、反対に細い・薄いといったことがなく、万人に好まれるタイプのグリップですから、安心してプレイできます。弾きやすさと多彩な音色を持つ、現代のレス・ポール。12フレット上に輝く120周年のインレイからもわかるとおり、本器は限定生産のモデルです。気になる方は、ぜひ早めに試してみることをオススメします。なお、ここで紹介した個体はG-CLUB TOKYOにて取り扱っています。
※週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは毎週金曜日に更新します。次回は9月12日を予定。
価格:¥370,000 (税別)