「Majesty」とはドリーム・シアターに改名される前のバンド名だったことは、ジョン・ペトルーシの熱心なファンであればご存じであろう。「荘厳」や「威厳」といった意味をもち、王や女王に対する「陛下」という敬称として用いられる単語でもある。MUSICMANからリリースされたジョン・ペトルーシの最新シグネチャー・モデル「Majesty」は、その名の通り唯一無二のルックスとサウンドを有する１本だ。

　MUSICMANには珍しい角度がついた「アングル・ヘッド」が採用されたネックは、ヘッド・トップからボディ・エンドまで1本のマホガニーで貫くスルーネック仕様となっている。これにより、弦の振動は必然的にピックアップがマウントとされたボディ中央に集まり、抜群の鳴りとレスポンスを生む基となっている。スルーネックを左右から挟むボディ・ウイング部分はにメイプル・トップ/バスウッド・バックを採用。鋭い音の立ち上がりと高域から中域までをしっかりとカバーしセンター材に余すことなく伝え、驚くほどのサステインと倍音を生んでいる。

　そうした優れた基本構造部分だけではなく、このギターには様々な最新の技術が集約されている点にも注目したい。例えばゲイン・ブースターがその一つ。ボリューム・ノブをプッシュすることで、最大20dBのゲイン・ブーストをかける事ができる。ギター本体でブーストするため、エフェクター等を通した際のノイズや音痩せ等が一切なく、ギターが持つサウンド・ポテンシャルそのままでゲインを上げてくれるため、下手な歪み系エフェクターなら繋ぐ必要が無いほどパワフルに歪んでくれる使い勝手の良さが嬉しい。

　そしてもう一つ特徴的な機能が、ブリッジ部分に埋め込まれたピエゾ・ピックアップだ。ピエゾ・ピックアップが内蔵されたギターはさほど珍しくはないが、Majesty自体のトーン・バランスが非常に良いので、一聴するだけでは判断かつかないほどアコギ・サウンドに肉薄したサウンドが得られる。また、上部カッタウェイ部分に搭載されたスイッチにより、マグネット・ピックアップとピエゾ・ピックアップをミックスさせることも可能で、サウンド・バリエーションは実に幅広い。

　マグネット・ピックアップにはディマジオの「イルミネイター」が採用されている。非常にパワフルなピックアップでサウンド・バランスも絶妙に調整されており、その名の通り光り輝くイルミネーションの様な多彩なサウンド・メイクを可能にしている。ピックアップ・レイアウトは「H-H」であるが、トーン・ノブのプッシュ式スイッチでセンター・ポジション時のみコイルタップでシングルに変更する事が可能になっている。さらにリアパネルからはピエゾ・ピックアップとゲイン・ブースターのトーンやブースト量を調整でき、細部に渡ってサウンド作りを追い込める仕様となっている。

MUSICMAN / Majesty

MUSICMAN / Majesty

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