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  • 週刊ギブソン Weekly Gibson〜第25回

ブラッド・ウィットフォード(エアロスミス)の愛器再現モデルを徹底チェック!

Gibson Custom Shop / Collector's Choice #26 1959 Les Paul "Whitford 'Burst"

エアロスミスのギタリスト、ブラッド・ウィットフォードが所有する1959年製レス・ポールが、ギブソン・カスタムのコレクターズ・チョイス・シリーズ"ウィットフォード・バースト"として300本上限生産で復刻されました。その仕様とサウンドを徹底的にチェックします!

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ブラッド・ウィットフォードと彼の愛器について

 1973年、当時珍しかったアメリカ東海岸出身のハード・ロック・バンドがデビューしました。そのバンド、エアロスミスは現在までに全世界で1億5000万枚以上のセールスを記録し、“ローリング・ストーン誌が選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト”で59位に選出されるなど、最大級の成功を収めたロック・バンドとして知られています。80年代の一時期を除いて、その屋台骨を支え続けてきたのがギタリストのブラッド・ウィットフォードです。エアロスミスにはもう一人、華のあるギタリスト、ジョー・ペリーが存在するためにブラッド・ウィットフォードを“リズム・ギタリスト”と認識している人も多いかもしれませんが、とんでもない誤解です。例えば、初期の名曲「Last Child」は、作曲もエキサイティングなギター・ソロもブラッドの手によるもので、その実力はジョー・ペリーに勝るとも劣りません。

 ブラッドは様々なギターを曲に合わせて使い分けるタイプですが、どんなセットでも絶対に外せない愛器がレス・ポールです。70年代から変わらずレス・ポールを愛用しており、特に彼の59年製のサンバーストはエアロスミス・ファンはもちろん、レス・ポールを愛するすべての人にとっても特別な1本となっています。ここでレス・ポール・ファンのバイブル『THE BEAUTY OF THE BURST』をお持ちの方は、163頁を開いてください。右下の写真で本人が手にしているレモンドロップに退色した見事なレス・ポールが今回復刻された"Whitford 'Burst"のオリジナルということで間違いないと思います。膨大な数のオリジナル・レス・ポールが掲載されている同書の中でも、ここまで見事なレモンドロップの個体は他にありません。

 今回の復刻にあたり、ギブソン・カスタムはオリジナルを本人から借り受け、あらゆるデータを取りました。もちろん、この見事なカラーも“Whitford Sunburst”フィニッシュとして再現されています。ピックアップはオリジナルの数値を測定し、最も近い値のカスタム・バッカーを搭載。ネック・グリップも本人所有のものと同じです。また、弦の張り方(テイルピースの上から巻く張り方)や傷、クラックまで同じにしてあります。

 それでは、要注目の"Whitford 'Burst"のサウンドをチェックしてみましょう。

使用アンプ:マーシャルJVM205H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソン18' Purple Gibson Instrument Cable

"Whitford 'Burst"のサウンド

 まず、本器をアンプにつなぐ前に生で弾いてみると、その生鳴りの大きさに驚かされました。本器はネック・ジョイントや指板の接着にハイド・グルーを使い、トラスロッドも見直した、いわゆる近年の“ヒストリック・コレクション”の仕様が踏襲されているので、その影響が大きいと思います。私の経験上では、ソリッド・ギターで生音が大きく、各弦のバランスが良く鳴る個体で、アンプにつないで良い音がしなかったという例はほとんどありません(セミアコ、フルアコの場合は必ずしも一致しないことがありますが)。本器も例に漏れず、お聴きの通りの素晴らしいサウンドです。マーシャル・アンプに直接つないで、この音です。ブラッド・ウィットフォード・スタイルのリフを弾くと、ほぼそのまんま! よくよく聴けばほんの少しオリジナル音源よりゲインが高く“ギチギチとしたニュアンス”が強いですが、それは使用したマーシャルが比較的新しいからで、70年代のマーシャルにつないだら違いがわからないと思います。それは本人も同じように感じたそうで、本器の製作責任者であるギブソン・カスタムのエドウィン・ウィルソン氏が出来上がった個体を本人に届けると、本人からは「オリジナルと全く遜色ない」、周りのスタッフからは「オリジナルより良い音だ」という声が上がったそうです。

 動画では、本器が持つ独特のバイト感が伝わるかと思います。アンプの歪みをやや深めにして、フロント・ピックアップで弾いてもまるでシングルコイルのギターのようにピッキングのニュアンスやアタックがはっきりと出ます。しかし、サウンドは豊潤なハムバッカーのサウンドそのもの。これが、良いレス・ポールだけが持つマジックです。そしてボリュームを絞っても音が濁らず、抜けが良いまま音量と歪みの量が下がります。アンプをクリーンにしても、味わい深いサウンドが出るので、ブルージィな演奏が非常に楽にできます。弦の巻き方やネックのグリップが影響しているのだと思いますが、非常に弾きやすいギターだったことも印象に残っています。

 エアロスミス・ファン、ブラッド・ウィットフォード・ファンはもちろんですが、レモンドロップ系の色味の“良いレス・ポール”を探している人にもぜひオススメしたい、素晴らしいギターです。


 なお、11月12日(水)公開の連載「ハイレゾ入門」では、今回Gibson Brands Showroom TOKYOで行った試奏の様子をレポート予定! 今回の動画演奏はハイレゾでレコーディングしており、そのデータを公開する予定ですので、ご期待ください。


※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは11月14日(金)を予定。

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製品情報

Gibson Custom Shop / Collector's Choice #26 1959 Les Paul "Whitford 'Burst"

価格:¥986,000 (税別)

【スペック】
●BODY:1-Piece Genuine Mahogany Back, 2 Piece Unique Figured Maple Top●Neck:Mahogany Neck/Maple Spline●Fingerboard:1-Piece Indian Rosewood●Tuners:Reissue Kluson Deluxe Green Key●Tailpiece & Bridge:Aluminum Stop Bar with ABR Bridge●Neck Pickup:Custom Bucker ●Bridge Pickup:Custom Bucker ●Run:Limited Edition of up to 300
【問い合わせ】
ギブソン・ジャパン http://www.gibson.com/
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