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- 2024/03/22
Hughes & Kettner / TubeMeister 36 Head 30th Anniversary Model
1984年にドイツで創設されたヒュース&ケトナー社。TriAmpやTubeMeisterなどのマルチ・チャンネル/ハイ・ゲイン系アンプを得意とする同社が、創設30周年を記念してTubeMeisterの限定アニバーサリー・モデルをリリースした。1970年代にサラトフ工場で製造されたソビエト製NOS(New Old Stock)EL84パワー管を搭載した18Wヘッドの「TubeMeister 18 Head 30th Anniversary Model」と、36Wヘッドの「TubeMeister 36 Head 30th Anniversary Model」だ。ここでは36Wヘッドをレポートしてみたい。
実際に手にしてみると、動画で見ているよりも随分小さく感じる。しかし、フル・チューブで構成されているので、外観のイメージのまま持つとズシッとした重さに少々驚くはずだ。そして、実際に音を出してみると、まさしく“コンパクトなボディにパワフルなサウンド”という代名詞がぴったりのアンプだと気がつく。独立した3ch仕様で、“LEAD”、“CRUNCH”、“CLEAN”が搭載されている。いずれのチャンネルもTREBLE、MID、BASSの3バンドEQで、CRUNCHとCLEANのEQは共通となっている。背面にはリバーブのスイッチがついており、エフェクト量をノブで調整できるようになっている。
ソビエト製NOS(New Old Stock)EL84パワー管の恩恵か、LEADチャンネルのドライブ・サウンドは非常に生々しくパワフルに歪み、CRUNCHも分厚くジャキジャキしたものから、オーバードライブ系のご機嫌な歪みまで出す事ができ、クリーンはケトナーではおなじみのクリスタル・クリーンが堪能できる。
そういったサウンド面はもちろんではあるが、このアンプの一番の特徴は、背面に搭載されたパワーソーク機能だ。36W、18W、5W、1W、MUTEの5種類から選ぶ事が可能で、ライブハウス等では36Wでフル出力、スタジオ練習では18W、自宅では5W、または1Wとシチュエーションに合わせたベストな音量をチョイスできる。また、背面のMIDI端子に専用ペダルを接続すれば、チャンネルごとにパワーソーク・レベルを設定・コントロールすることも可能になっている。
さらにRED BOX(キャビネット・シミュレーター)アウトにケーブルを接続し、パワーソークをMUTEにすれば完全無音のライン・レベルのレコーディングが可能なので、スタック・クラスのサウンドをいつでも自宅でレコーディングすることができるのも嬉しいポイントだ。加えて、専用のソフト・ケースが付属しており、機材の持ち運びも片手で行えるので、ライブ毎の荷物の運搬に労力を使う事無く、フルサイズのサウンドを手軽に持ち運ぶ事が可能な点も魅力の一つと言えるだろう。
価格:¥135,000 (税別)
ぎんじねこ
YouTube動画再生回数520万回、チャンネル登録者数8000名以上のモンスター・チャンネルを運営し、オリジナル曲のセルフ・プロモーションや、メーカーの製品レビュー、モニター動画などの配信活動を数多く手がける。2009年、Gibson社のオフィシャル・バンド・コンテストにて、ギターソロで2位入賞。日本を代表するトップミュージシャンである、西川進氏や松田"FIRE"卓己氏とも共演。また、音楽誌の特集ページやCDレビュー等への寄稿など幅広く活動中。さらに、15年の講師活動を経て、現在は“ヤマノミュージックスクール”のギター科インストラクターとして、後進の指導育成も努めている。