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  • 抜群のトーンとプレイアビリティを持つブライアン・セッツァーの最新シグネチャー

Gretsch / G6120SH Brian Setzer Hot Rod

Gretsch / G6120SH Brian Setzer Hot Rod

  • 試奏・解説・文:村田善行 写真・動画撮影:伊藤大輔
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 ブライアン・セッツァーの新しいシグネチャー・モデルを紹介しよう。美しいフレイム・メイプルの木目を生かしたトランス・カラーのこのギターは、1959年の6120をベースに、ホットロッド・モディファイが施されている。これまでのシグネチャー・モデルとは異なり59年スタイルの2.75インチ(約70mm)のボディ厚を採用。最も印象深いストレイ・キャッツ時代のアイコンとも言えるタンジェリン・カラーのセッツァー・モデルと同様の厚さだ。指板ラディアスは240Rで、一般的なグレッチ・モデルと異なる。これは弾き心地だけでなく、キレのある音色を作るファクターでもあり、トーンにも影響を与えている。また、初搭載となるTVジョーンズのシグネチャー・ピックアップはトレブルのヌケ感が気持ち良く、フロントではメロウなジャズ・トーンを生み出してくれる。

 ペグは今までのシュパーゼル製からシャーラーM6ロッキング・チューナーに変更されている。これにより、スムースなチューニングが行なえるだけでなく、ルックス面でもタンジェリン・フィニッシュのモデルと近くなるので、往年のセッツァー・ファンにはグッとくるポイントだろう。大きめのfシェイプのサウンドホールもおなじみの仕様だ。マスター・ボリュームとピックアップ・セレクターのみというシンプルなコントロールは、ライブでの取り扱いも容易で、とにかくストレートなトーンが身上。凄腕ギタリスト、ブライアン・セッツァーの意見が取り入れられたプロフェッショナルなギターに仕上がっている。

 サウンドは「これぞグレッチ」というもので、深くグリップしたピッキングでプレイすると、正しくあのトーンが飛び出してくる。これがエレキ・ギターの「格好良い音」のひとつであることは間違いない。弦高も低くセッティングされており、プレイアビリティも抜群。ちなみにラインナップされたボディ・カラーは、すべて59年のキャデラックのカラー名称から引用されているということで、このあたりにも「TEDDY BOY」ブライアン・セッツァーのセンスが感じられる。

 ファンはもちろん、グレッチ・ギターに興味のある方には、ぜひ一度手にしてもらいたい日本製のハイエンド・ギター。歌ものの伴奏から、ギンギンのロックン・ロールまで、幅広い音楽に対応する1本だ。

※使用アンプ:Fender '68 Custom Deluxe Reverb

「HOT ROD model」のロゴが刻まれたトラスロッド・カバー。

ヘッド裏面にブライアン・セッツァーのシグネチャーが印される。ペグにはシャーラーM6ロッキング・タイプ。

TVジョーンズのシグネチャー・ピックアップ。リアはヌケの良いトレブル、フロントはメロウなジャズ・トーンを生み出す。

ブライアン・セッツァーのプレイには欠かせない、ビグスビーのビブラート・ユニット。

Gretsch / G6120SH Brian Setzer Hot Rod

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製品情報

Gretsch / G6120SH Brian Setzer Hot Rod

価格:¥490,000 (税別)

【スペック】
■ボディ:ラミネイト・メイプル(トップ、サイド、バック) ■ネック:メイプル ■指板:エボニー ■フレット:22 ■スケール:625mm ■ピックアップ:ブライアン・セッツァー・シグネチャーTVジョーンズ × 2 ■コントロール:マスター・ボリューム、3ウェイ・トグル・スイッチ ■ブリッジ:ビグスビーB6Cビブラート・テールピース ■ペグ:シャーラーM6ロッキング・チューナー ■カラー:Tuxedo Black(試奏モデル)、Tuxedo Black 2-Tone、Roman Red 2-Tone、Highland Green 2-Tone、Harbor Blue 2-Tone、Green Sparkle、Blonde
【問い合わせ】
神田商会 https://www.kandashokai.co.jp/flos/gretsch/electric_guitars/brian_setzer/
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プロフィール

村田善行(むらた・よしゆき)
株式会社クルーズにてエフェクト・ペダル全般のデザイン担当、同経営の楽器店フーチーズ(東京都渋谷区)のマネージャーを兼任。ファズ関連・エフェクター全般へのこだわりから専門誌にてコラムを担当する他、覆面ネームにて機材の試奏レポ/製品レビュー多数。

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