1960年代のGS（グループサウンズ）ブームは、そのままエレキ・ブームでもあったわけだが、当時高まっていた国産エレキ・ギターのニーズに応えたブランドの代表格がテスコだった。そして、その最高級モデルこそが、1966年に登場した名器「Spectrum 5（スペクトラムファイブ）」だ。ボディ・トップのジャーマンカーブ、6つのピックアップによる斬新なレイアウト＆ステレオアウト、モデル名の由来にもなった5色のカラフルなスライド・スイッチ、そして独特のボディ・シェイプで人気を集めた。1990年代に限定復刻された際には、日本国内はもとより海外でも話題となったそう。

　そして今回は、池部楽器店オリジナルとして復活。テーマは“伝統と革新の融合”ということで、現代のシーンに対応した操作性を兼ね備えたモデルとなっている。まず、今回のモデルのために開発されたオリジナル・ピックアップは、当時とは異なりパワフル。シングルコイルのようなシャープな音色からハムバッカ―のようなパワフルな音色まで、幅広いサウンドを実現している。そしてスライド・スイッチによるピックアップの組み合わせは、あえてオリジナルを継承せず、よりシンプルな操作を実現。またブリッジは、ピッチの安定性や弦高調整の操作性を重視し、チューン“オー”マティック・タイプを採用している。ネック形状は薄めのCシェイプで、多くのビザール・ギターに見られるような弾きにくさはなく、スムーズなフィンガリングが楽しめる。さらにトラスロッドは、順反り／逆反りのどちらにも対応可能なバイフレックス・トラスロッドを採用。当時、憧れてはいたものの入手できなかった方や、手にしたことはあるが演奏性や操作性、サウンドなどで不満があった方にオススメしたいのはもちろん、今回初めて知ったという新鮮な印象を持つ若きギタリストたちにも、ぜひチェックしていただきたい。

　なお、カラー・バリエーションは下の写真、左からTabaco Burst／Shell Pink／Clear Yellow／Metallic Red／Metallic Blue／Pearl White／Surf Green／Autumn Orangeの8種類となっている。ハードケース付き。また、お問い合わせはイケベ リボレ秋葉原店の他、イケベ 心斎橋プレミアムギターズでも対応可能だ。