マホガニー・ボディ、チューン“オー”マチック・ブリッジといったオーセンティックなエレクトリック・ギター・スタイルを、現代的な解釈で再構築したREXY。現在のシェクター・ブランドのトップラインとなり、高品質な日本製シェクターの中でもより選りのマテリアルと高い技術が同居している完全受注生産モデルだ。前回ご紹介したREXY RX-2-24-CTM-VTRはトレモロ・ブリッジ＆メイプル・ネック仕様だったが、今回はハードテイル＆ホンジュラス・マホガニー・ネック・バージョンだ。

　セットネック構造のギターが持つ力強く伸びのある音色はそのままに、ホンジュラス・マホガニー・ネックはさらにウッディな鳴りを生む。アタック音も若干コンプがかかった、ファットな印象を与えてくれる。ハイ・ポジションをプレイした際の音色もしっかりと芯がある。セットネックの24フレット・モデルにありがちな12フレット以降のデッド・ポイントも気にならないだろう。

　ネック・シェイプはCTM-VTR同様、クセのないモディファイドCタイプで、適度な厚さもある。シェイクハンド・スタイルでもクラシカル・スタイルでも、ストレスや違和感を感じる事なくプレイできるだろう。さらに「ウルトラ・アクセス」と銘打たれたネック・ジョイント部分はスルー・ネックのように滑らかな造形で、ハイ・ポジションでの演奏性にも大いに貢献している。ボディとネックのジョイントも見事。作り込まれた良質なネックは、高級ギターにとって重要なポイントのひとつだ。

　メイプル・トップによるアタック音の存在感と、ホンジュラス・マホガニー・ボディがもたらすミッド・レンジの存在感が素晴らしい。リッチで深みのあるクリーン・トーンからも、このギターの品質の高さが伝わってくるだろう。また、試奏したモデルは非常に軽量で、よりオープンでエアリーな音色だった。ボディ裏通しのチューン“オー”マチック・スタイルのブリッジは、ストップ・テイルピースのモデルに比べて自然な音の減衰が感じられる。サステインの美しさも特筆すべき点だ。

　ピックアップは同社のスーパー・ロックⅢをマウント。ハムバッカー時はもちろんのこと、シングルコイル時でも十分な出力があり、タップ時にも存在感は薄れない。アタック音がピーキーにならないので、ドライブさせていくと音像が大きくリード・トーンにも向いている。ギター側のボリュームを少し落とせば、クリーンな音色が引き出せるだろう。

　アメリカン・ロックのスタンダード的音色からハイゲインのリード・トーンはもちろん、クリーンではジャジィなテイストも感じさせてくれる。他のセットネック・モデルに比べて音の分離が良いのでここからさらに弾き込んで行くとどうなるのか？　という喜びも感じさせてくれる上質なギターだ。

※使用アンプ：Fender '68 Custom Deluxe Reverb

ペグはゴトーSG360-01 MG-Tをマウント。背面のノブを回し弦を固定するフィンガー・ロック・タイプ。安定したチューニングと素早い弦交換を実現している。

ホンジュラス・マホガニーのネック。プレイアビリティに優れた適度な厚みのあるモディファイドCシェイプだ。

ピックアップはシェクター・スーパー・ロックⅢを前後にマウント。4Aグレードのフレイム・メイプル、アーチの処理も美しい。

ボディ裏通しのチューン“オー”マチック・スタイルのブリッジは、ストップ・テイルピースのモデルに比べて自然な音の減衰が特色。サステインの美しさも見事だ。

SCHECTER / REXY RX-2-24-CTM-TOM