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- 2024/03/22
Gibson Custom / True Historic Les Paul
週刊ギブソン第55回に続く、ギター・マガジン2015年7月号の大特集「究極のビンテージ・リイシュー/ギブソン・カスタム“True Historic”という情熱」と連動した飯室博氏によるTrue Historicレス・ポール試奏の第2弾は、ゴールドトップと“ブラック・ビューティ”ことレス・ポール・カスタムの2本をフィーチャー。美しきゴールド&ブラックの世界を、辣腕セッション・ギタリスト、飯室氏の演奏とともに味わっていただきたい。
使用アンプ:マーシャルJVM205H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:Lava Custom Shop Van Den Hul
ギブソン・レス・ポールに初めてハムバッキング・ピックアップ“PAF”が搭載された記念すべき1957年製のモデルを再現。ゴールドトップはボディ・トップのアーチが映えるカラーで、本器はアーチが豊かになったTrue Historicの美しさを堪能できるモデルだ。オリジナルはタワー・オブ・パワーのブルース・コンテの使用で有名。基本的な仕様はバーストと同じでありながら、ボディ・トップの塗装が違うことでサウンドが微妙に異なると言われるのがおもしろいところ。ゴールドトップでなければという熱心なファンがいるのもうなづける。
価格:¥847,000(税抜)
僕はもともと95年のゴールドトップのヒスコレを使っていたので、なんだか懐かしい音がしますね。これ、まさにゴールドトップの“ブラスの音”がします(笑)。でも本当に塗装で違うんですよ。ゴールドトップは、音の芯の周りに独特のギラギラ感があるのが特徴です。それでこのギターは、ネックは若干太めですね。でもものすごく弾きやすい! 重さも今回弾いたTrue Historicの中では少し重めですけど、レス・ポールとして考えれば軽いほうです。このギターは、特にセンター・ポジションの音が最高ですね! ボリュームを下げるとクリーンになって、これでカッティングするとまた良い。まさにタワー・オブ・パワーの感じになりますね。
ボディのトップにメイプルを貼ったスタンダードとは異なり、マホガニー1ピースのボディが特徴の50年代のレス・ポール・カスタム。本器は、その中でもハムバッカーを2基搭載した57年製のカスタムを再現している。ヘッドのダイヤモンド・インレイ、漆黒のエボニー指板やゴールド・パーツなど、本器のゴージャスな雰囲気は“ブラック・ビューティー”の名にふさわしい。太くコシがあって、バリッと前に出てくるサウンドも素晴らしい逸品。
価格:¥945,000(税抜)
このギターも音の立ち上がりが速いですね。実音が多い感じというか、音の芯が太くて、そのままズドーンと前に出てくる感じのすごい音です。ボディも思ったよりずっと軽くてバランスも良く、ネックも心地よい太さです。音の面でもフィット感の面でも、今まで持っていたレス・ポール・カスタムのイメージが変わりましたね。それから、このギターを弾いてもともとレス・ポールはジャズのギターだったことを思い出しました。ボリュームを絞って指で弾けばジャジィな演奏もイケるし、すごく箱のギターを連想させる感覚があります。
今日弾いた5本はそれぞれ個性があって、どれも狙った年代や仕様を見事に再現していたと思います。共通していたのは、とにかくどれも生音が良く、ネックの裏までビリビリするような鳴りが感じられたこと。生音が良いので、それをシールド1本でアンプにつなぐだけで、記憶の中にある音が簡単に出せることに驚きました。僕は普段、ヒストリック・コレクションのレス・ポールが大好きでいつも弾いていますが、実は僕のギターは自分なりのビンテージに対する印象をなるべく再現するために、いろいろと手を入れてあるんです。それに対して、True Historicは最初から別物の完成度という感じですね。
手にした時のトータルバランスの良さも印象的です。どのギターも、重量も含めて本当にバランスがいいし、弾きやすい。それにトップのアーチや、パーツ類も含め、見た目もビンテージそのものですね。
今回試奏させてもらったのはどれも素晴らしいギターで、本当に良い経験をさせてもらいましたが、特に印象に残っているのはTrue Historic 1957 Les Paul Custom“Black Beauty”です。音の太さ、手にした時の軽さなど、今まで持っていたレス・ポール・カスタムのイメージが変わりました。
このTrue Historicは、もちろんレス・ポール・ファンには間違いなくお薦めできるギターですが、例えばシングルコイルのギターが好きな人にも、一度ぜひ弾いてみてほしいですね。この音の立ち上がりの速さには、きっと驚くと思います。また、価格の面で難しいかもしれませんが、例えば最初の1本としてこういう完成度の高いギターを持ってみるというのもアリだと思うんですよ。とにかくバランスの良さ、生音の良さを皆さんに体験してもらいたいギターです。
リットーミュージック刊『ギター・マガジン2015年7月号』のCD連動特集「究極のビンテージ・リイシュー/ギブソン・カスタム“True Historic”という情熱」では、飯室博さんによるデモ演奏の全容はもちろん、ここではお伝えできなかった同シリーズのブラッシュアップ・ポイント詳説(マニアックなパーツ画像も!)や美しいギター写真、さらに飯室博さんのギターなども紹介されています。是非チェックして下さい。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは7月3日(金)を予定。
飯室 博
80年代からセッション・ギタリストとして活動を開始し、これまでに矢沢永吉、徳永英明、財津和夫、甲斐よしひろ、CHAGE and ASKA、古内東子らのライブやレコーディングをサポートする。また、スタジオ・ワークとしては『医龍』を始めとしたTVドラマの音楽やCM、映画音楽などのレコーディングにも参加し、近年では『進撃の巨人』や『機動戦士ガンダムUC』といった人気TVアニメの劇伴にも関わっている。