プロ・ギタリストのエフェクター・ボードをフィーチャーしていくギター・マガジンの人気連載「プロのペダルボー道」。ここでは同連載の最新号に連動し、当該アーティストが使用する、デジマート上でも購入できるエフェクト類を厳選して紹介していく。今回はMISIAやさかいゆうのサポートなどで知られるギタリスト、山口周平のボードを紹介しよう。
操作性の良さそうな山口周平のボード。ギターからまずは右端のジム・ダンロップのクライベイビー・ワウ（Shin’s Musicカスタム仕様）に入って、左下CAJのLoop and Link（ルーパー）へ。ほとんどのエフェクターがここのループにつながっており、それぞれのオン／オフをコントロールしている。右上からKeeleyのKatana（クリーン・ブースター）、LandgraffのDistortion Box（ディストーション）、左上の横向きはLeqtiqueのCaeruleum Lightdrive High Definition（クリーン・ブースター）で、その左にはCAJのパワー・サプライがセットされている。中央のShin’s MusicのDumbloid Special（オーバードライブ）、strymonのMobius（モジュレーション）、下側のKeeleyのCompressor Plus（コンプレッサー）までがCAJにつながっており、メインアウトからShin’s MusicのBaby Perfect Volume Pedalへ、そのあとにstrymonのTimeline（ディレイ）を通って右上のShin’s Music製のスルー・ボックスからアンプへ出力されている。上段のSonic ResearchのST-200（チューナー）はボリューム・ペダルにつながっている。
CAJのループ・システム。最大10ループ／11プリセットの保存領域を持ち、独立ループも併載。全体にシンプルな作りながらスイッチング・ノイズを解消するなど、プレイアビリティへの高い配慮から多くの愛用者を生んでいる定番機だ。現在はミュート機能などを追加したアップデート版、「Loop and Link Ⅱ」が発売中。
※生産完了品
オフィシャルHP：オカダインターナショナル
オリジナル製品はもちろん、MODエフェクターの世界でも強い存在感を示すロバート・キーリーが主宰するブランドのクリーン・ブースター。色づけのないフラットな増幅に定評があり、真空管アンプとの組み合わせに相性が良いとされている。右側面のボリューム・ノブを引っ張ることでゲイン・アップも可能で、オーバードライブ的用途でも使用可能だ。
定価：32,500円
オフィシャルHP：iMi
その独創的な筐体デザインが特徴的なランドグラフ。本機はハイゲインながら繊細なタッチにも追随してくれる絶妙なかかり具合で人気を博すディストーションだ。コントロールはゲイン、トーン、ボリュームを備え、スイッチは3way仕様。歪みが一番強い「Down」、ワイドレンジな「Mid」、クランチに近い響きの「Up」の3段階の切り替えが可能となっている。
定価：オープン
オフィシャルHP：iMi
日本を代表するエフェクター製作家、Shun Nokinaが主宰するレクティーク・ブランドのディストーション。ディストーションというくくりだが、オーバードライブとしても、クリーン・ブースターやバッファー／プリアンプとしても使用できる。コントロールはボリューム、ゲイン、デフィニション、エフェクト・オン／オフ・スイッチ、エフェクト・オン・インジケーターを備える。
定価：オープン
オフィシャルHP：キョーリツコーポレーション
●関連記事：製品レビュー「Leqtique / Caeruleum Lightdrive High Definition（CLHD）」
ダンブル・アンプのサウンドを追求したShin’s Musicのオリジナル・ペダル。この「Dumbloid」はシリーズとしてさまざまな機種が存在しており、本機はスタンダード・モデルにJazz／Rockのふたつのモードを追加した特別仕様のモデルとなる。サウンドの高い有用性と使い勝手の良い操作性から多くの支持を得ている同シリーズの代表機である。
定価：56,000円
オフィシャルHP：モリダイラ楽器
コーラス、フランジャー、ロータリー、バイブ、フェイザー、フィルター、フォルマント（FORMANT）、ビンテージ・トレモロ、パターン・トレモロ、オートスウェル（AUTOSWELL）、ディストロイヤー（DESTROYER）、クアドラチャー（QUADRATURE）、計12台の高品位モジュレーションを搭載したマルチ・エフェクター。豊富なコントロールとプリセットで多彩な効果を作ることができる逸品だ。
定価：オープン
オフィシャルHP：オールアクセス
キーリー社のコンプレッサー。もともとは名機と名高いROSS社製コンプレッサーをモデルに製作されたもので、本機はその初代機にアタック・コントロールなどの機能を追加したモデルとなる。現在はさらなるアップデート版としてさまざまな楽器の入力信号に対応するべく「Clipping」コントロールを追加した「Compressor C4」が発売されている。また、よりきめ細やかな設定が可能な「Compressor Pro」も発売中だ。
※生産終了品
オフィシャルHP：iMi
堅牢な作りと高いデザイン性、それに絶妙な効きの良さなどから国内外のミュージシャンに愛用されているボリューム・ペダル。パッシブとアクティブ／パッシブの2タイプをラインナップ中。なお、山口氏が所有するカラーリング・デザインは現在生産終了となっている。
定価：29,800円
オフィシャルHP：モリダイラ楽器
12個のディレイ・タイプと200のプリセットを搭載するマルチ・ディレイ。クリアなデジタル・ディレイから、サチュレートしたテープ・エコー、歪んだアナログ・サウンド、それにアイス・ディレイまで、さまざまなサウンドを作ることができる。30secのステレオ・ルーパー機能も備える。
定価：オープン
オフィシャルHP：オールアクセス
本記事はリットーミュージック刊『ギター・マガジン2015年8月号』の連載「プロのペダルボー道」の中でより詳しく紹介されています！ ここではお見せできなかった機材やセッティング・パターン、それにアーティスト本人のコメントも交えた解説も掲載されているので是非チェックしてみて下さい。
多くのプロ・ギタリストたちのボードを紹介してきた本連載が、これまでの軌跡をひとまとめにし、さまざまな新規コンテンツも盛り込んだムックとなって絶賛発売中！ 本書の中面では1ページ全面にボード写真が掲載されており、それぞれのボード・セッティングの細部をしっかりチェックできる。「プロのボード構築の秘訣」企画から、「プロ御用達ショップF・Sugar」「ハイ・クオリティ・システムの先駆者オカダ・インターナショナルのスペシャル・インタビュー」などボー道を志す者は必読の内容。多くの現場で培われたプロのセッティングは多くのギタリストにとって参考になるはずだ。ぜひチェックしてほしい！
著者：ギター・マガジン編集部
定価：2,160 円（本体2,000円+税）
仕様：A4変型判／128ページ
発売日：2015.5.25
ISBN：9784845625987
山口周平
1978年、神奈川県出身。都内音楽専門学校を卒業後、LAMA（LA Music Academy）の奨学金テストに合格して渡米。帰国後、プロ・ギタリストとして活躍。2009年からレコーディング／ライブに参加しているMISIAを始め、さかいゆう、古内東子、K、由紀さおり、Crystal Kay、今井美樹など、多数のアーティストのサポート、アレンジ、楽曲提供などを行なう。切れ味鋭いファンキーなカッティング・プレイには定評がある。
