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  • 【THE定番】「トーンの隠し味」となるプリアンプ

MXR / Micro Amp Plus CSP233

MXR / Micro Amp Plus CSP233

  • 試奏・文:村田善行 動画撮影:伊藤大輔
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 MXRのペダル・ラインナップの中でもDyna Compに続く人気モデルと言えるのが70年代にリリースされたMicro Ampだろう。発売当時は「安物のギターでも高級ギターの音になる」的なフレコミで人気を集めたというMicro Ampは、非常にシンプルなブースト・ペダルだ。「プリアンプ」とネーミングされている様に、昨今人気のクリーン・ブースター等と比べると、コンプレッション感が強く、トーン自体もON時には若干太くなる。今回試奏したMicro Amp Plusは、レギュラー・ラインナップのMicro Ampにモディファイを加えた様な「カスタムショップ」らしい仕様を持っている。オペアンプが変更され、よりロー・ノイズになった点がまず一つ。そして、トレブルとベースのEQが追加されている点が二つ目だ。

 Micro Ampはエッジィなギター・サウンドやアンプ・サウンドを、ほど良く「丸い音」にしてくれるペダルだ。それは愛用者にシングルコイル・ピックアップのギタリストが多い点からも察する事ができる。また、ビンテージ/ビザール系のピックアップ出力が低い楽器に使用すると、上記した「高級ギターの様な」サステインと出力が得られるのもポイント。さらに、このMicro Amp Plusはエッジィな方向にもトーンをシフトできる。よって、ハムバッカー・ユーザーや、ベーシストにも好まれるサウンドをクリエイトできるだろう。

 動画で確認してほしいが、派手な効果では無い代わりに、弾き心地やトーンのニュアンスがMicro Amp PlusをON/OFFするとずいぶん変わるのが伝わるだろうか? スタック・アンプの様に「ローが膨らむ」アンプの低域をカットしながら若干ブーストを加える事や、小型真空管アンプの「物足りないトレブル」を足してやったり、トランジスタ・アンプの「音が硬い」ところを上手く「緩める」事も可能。地味なペダルゆえにトーンを損なわない、多彩な使用方法がある。アンプのセンド/リターンに接続し、ソロ用のレベル・ブーストとして愛用するミュージシャンも多い便利なペダルだ。ボードに忍ばせておくと、思わぬところで役に立つ、まさに「トーンの隠し味」と言える1台。

※使用アンプ:Fender '68 Custom Deluxe Reverb
※使用ギター:Crews Maniac Sound / OSTL-59

MXR / Micro Amp Plus CSP233

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製品情報

MXR / Micro Amp Plus CSP233

価格:¥20,000 (税別)

【スペック】
■コントロール:ゲイン(+0.5dB〜+26dB)、ベース(+/-14dB、33Hzポイント)、トレブル(+/-11dB、8.4kHzポイント)、エフェクト・オン/オフ・スイッチ、エフェクト・オン・インジケーター ■入出力端子:入力、出力 ■電源:9Vバッテリー、DC9V ACアダプター ■サイズ:60(W)×112(D)×34(H)mm ■重量:約230g
【問い合わせ】
モリダイラ楽器 http://moridaira.jp/archives/57692
【発売年度】
2013年
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プロフィール

村田善行(むらた・よしゆき)
株式会社クルーズにてエフェクト・ペダル全般のデザイン担当、同経営の楽器店フーチーズ(東京都渋谷区)のマネージャーを兼任。ファズ関連・エフェクター全般へのこだわりから専門誌にてコラムを担当する他、覆面ネームにて機材の試奏レポ/製品レビュー多数。

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