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  • 週刊ギブソン Weekly Gibson〜第63回

True HistoricをアレンジしたHistoric Selectとは!?

Gibson Custom Shop / Historic Select Les Paul

2015年8月7日(金)〜9日(日)の日程で、東京・千代田区の御茶ノ水ソラシティで開催中の『拡大版! お茶の水楽器祭り』。その初日(つまり当記事公開日の本日)に我々週刊ギブソンも参加し、レス・ポールの魅力を伝える『生っ! 週刊ギブソン/デジマート地下実験室True Historic vs Historic Select 』と題したイベントを開催しました! 黒澤楽器店では、このイベントに合わせ“Kurosawa Limited”仕様のHistoric Select(以下:HS)をオーダーしており、イベントではついにベールを脱いだHistoric Selectがズラリ。「ヒスコレのその先」として話題沸騰中のシリーズ、True Historic(以下:TH)と、このHSが、期間中に総計50本も集結! 今週の週刊ギブソンでは、その中から厳選した5本の魅力に迫ります。興味がある方は、まだ間に合いますのでぜひ会場で実器を手にしてみてください!

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2015年8月7日(金)@お茶の水楽器祭り イベント・ダイジェスト映像

True HistoricとHistoric Selectの違いとは?

 現在、新品として手に入れることができる最高のレス・ポール──それが、ギブソン・カスタムのTHです。これまでは1993年にカスタム・ショップが創設されて以来、ヒストリック・コレクション・シリーズが最高峰のレス・ポールの座を守ってきましたが、その生産工程やパーツ類などをすべて見直し、完成度をネクスト・レベルにまで高めた究極のレス・ポールとして、前者のシリーズに置き換わる形でTHが誕生しました。THについて詳しくはコチラをご確認ください。

 隙のない仕様を誇るTHは、それゆえに生産管理も厳密で、58、59、60のバーストと、56及び57のゴールドトップ、そして57カスタムの6機種合計で、初年度わずか2,000本しか生産されません。一方HSは、THの仕様をベースにしたカスタム・オーダーに対応したモデルとの位置づけで、生産本数の上限は設けられていません。HSの受注、生産枠を確保するためにもTHの生産数をあらかじめ管理する必要があったと言えるかもしれません。HSオーダーは、正規ディーラーがナッシュビルのギブソン・カスタム・ファクトリーへ出向き、ボディ・トップ材(メイプル)を実際に確認して選ぶ“ハンド・セレクト”や、杢を活かしたカラー・オーダーをすることなども可能です。バーストTHの基本フィニッシュは、「ビンテージ・チェリー・サンバースト」「ビンテージ・ダーク・バースト」「ビンテージ・レモン・バースト」の3色ですので、それ以外の微妙な色合いをチョイスできるのはHSの大きな魅力です。HSTHに指定材やカラーを含む独自の仕様を加味されたカスタム・オーダー品として管理されるため、シリアル・ナンバーは59モデルの場合「HS9 xxxx」となります(THの場合は「9 xxxx」)。

 それでは、今回の『拡大版! お茶の水楽器祭り』に出品される5本から、HSの魅力に迫っていきましょう。

① Historic Select 1958 Les Paul “KUROSAWA LIMITED” Southern California Fade

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黒澤楽器店限定のスペシャル・ショー・モデル1

 まず1本目は“KUROSAWA LIMITED”のHS 58レス・ポールです。通常THではプレーンに近いトップ材が使用される58ですが、本器のトップは黒澤楽器店スタッフが現地で選定した見事なフィギュアード・メイプルが奢られ、それを南カリフォルニアの夕焼けを思わせる独自のカラーで仕上げられています。さらに本器はCollector’s Choice #1に使用されたソフトVシェイプのネックを採用しています。CC#1と言えば、ピーター・グリーンからゲイリー・ムーアへと渡り歩いた、あの伝説の59バーストです。本器のネックを握ってみると、幅は心持ち細めで、厚みも非常にほど良い感じ。太過ぎず、厚過ぎずで、握り応えのある58ネックは苦手という人にもオススメです。そして、ちょっとした遊び心を感じさせるのが、ブリッジを支えるダブル・サム・ナット。これは60〜70年代のギタリストに大流行したプチ・モディファイで、サム・ナットを2個使うことでブリッジの安定感を増し、弦振動の効率的な伝達を狙ったものです。このオーダーは、レス・ポールを長らく見てきた黒澤楽器店ならではという感じです。その他、ハイド・グルー接着や吸い付くようなグリップの処理など、THに通底する魅力はそのまま。
 気になるサウンドは、ハイがしっかり出て、そこに倍音が気持ち良く乗り、“何を弾いてもカッコよく聴こえてしまう”マジカルなサウンド。58レス・ポールならではのコスパの高さを考えても、今回のイベント目玉商品だと言えます。これはぜひ会場で手にしてもらいたい1本です。

ソフトVシェイプ

② Historic Select 1958 Les Paul “KUROSAWA LIMITED” Green Lemon

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黒澤楽器店限定のスペシャル・ショー・モデル2

 こちらも同じく“KUROSAWA LIMITED”のHS 58レス・ポールで、フィニッシュがグリーン・レモンという、緑がかったフェイド具合を再現した独自カラーで仕上げられています。トップ材はやはり現地選定のフィギュアード・メイプルで、通常の58以上の華麗なルックス。ところどころに入ったフレックも、ビンテージのような雰囲気を醸し出しています。ネック・フィールを含むスペック面は①と同様です。ちなみにダブル・サム・ナット仕様は、マイク・ブルームフィールド、ジミー・ペイジ、ビリー・ギボンズなどのビッグ・ネームも取り入れていました。
 本器の鳴りも素晴らしく、3弦の開放を丁寧に弾くとギターを乗せた右の太ももがビリビリと振動しました! サウンドの傾向は①と同様にトレブリーで、かつキレイに倍音が乗った、ビンテージ・オーナーが“ダブル・トーン”と賞するあの音が飛び出してきます。これも58のレベルを超えた内容と、58ならではのリーズナブルな価格を実現した、まさしくスペシャル・モデルと言える1本です。

ダブル・サム・ナット

③ Historic Select 1959 Les Paul Bourbon Burst

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デュアン・オールマンLPを狙った風格漂う1本

 本器はTHシリーズの中でも最も人気の高い59をベースにオーダーされたHS。ポイントはこの杢目と色味です。好きな方ならもうおわかりでしょう、これはデュアン・オールマンの愛器をイメージしてオーダーされた1本。オーダー元のG-CLUB TOKYO藤川忠宏店長によれば、「4月にナッシュビルのファクトリーを訪問した際、見つけた瞬間に迷いなく確保した良材です。この杢目はデュアン・オールマンの愛器を思わせるので、フィニッシュもそれに合わせてオーダーしました」とのこと。THの3色にはない絶妙なカラーが印象的なこのモデル、オールマン・ファンであれば絶対に手に入れたい1本でしょう。トップ材とフィニッシュ以外はTH59に準じていますので、ひと言で言うなれば、“完璧なレス・ポール”。優美なトップ、弾きやすさ、サウンドというTHの魅力をすべて備え、その上でアーティスト・モデルと見紛うモデルに昇華しています。
 サウンドについては、今回の記事で紹介するモデル中で、最も“アコースティカル”な方向を持っています。良いレス・ポールを弾いた経験のある方ならご存知かと思いますが、非常にふくよかで、豊かな音です。その一方でトレブルは十分に出ており、ピッキングのタッチ次第でウィスパーボイスから叫び声のような音まで、自由にコントロールできます。これぞ良いレス・ポールの見本といったギターです。

HSに採用されるスイッチ・キャビティ・プレート

④ Historic Select 1957 Les Paul Goldtop Heavy Aged

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59グレードを持つ究極のゴールドトップLPエイジド!

 こちらもHSならではの1本です。まず、本器の基本的なグレードとしては、THの59に準じています。エイジド加工されたエルボー部分からチラリと覗く強力なタイガー・ストライプがその証です。これだけの材は、通常であれば普通は59モデルとなります。しかし実際のビンテージにごく稀に、塗りつぶしのフィニッシュの下に美しい杢が隠されている個体があります。隠された杢はリペアや経年の使用によって現れるのですが、本器はそれを狙った激シブの1本。最良の材を用いてあえてゴールドトップにし、エイジド加工でチラ見せするという大人の遊び心に溢れたモデルです。
 ネックについては8フレット付近からはしっかりと厚みを感じるものの、いわゆる57のかなり太く厚いネックに比べると、非常に握りやすい印象です。そのサウンドは、よく「ゴールドトップの個体はゴールドトップの音がする」「ギラギラ感がある」などと言われますが、本器も比較的トレブリーだと感じました。ただ、①や②の突き抜けるようなトレブルではなく、もっと“トレブリーだが太い”印象です。このあたりはネックのグリップの違いが関係しているのかもしれません(①、②より本器の方がガッシリしたグリップです)。このあたりの微妙な違いは、ぜひ会場で体験していただきたいと思います。

焼けたロゴもエイジドの証

⑤ Historic Select 1959 Les Paul Left Hand

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最高級59バーストの待望のレフティ・モデル!

 左利き用ギターと言えば、絶対的に数が少なく、どうしても選択肢が限られてしまいます。THシリーズにおいても、初年度ではレフティ・モデルはラインナップされていません。こうした現状に対し、「左利きの方にも良いレス・ポールを提供したいと思っていました。“未来のヘンドリックス”になるような才能を持った人に、ぜひ弾いてほしいモデル」(G-CLUB TOKYO藤川店長談)とオーダーされた1本です。レフティ・バーストはオリジナルでも相当にレアだったようで、使用者としてはポール・マッカートニーくらいしか思い浮かびません。これはつまり、独自のトレードマークを持つチャンスと換言できます。
 そのサウンドですが……残念ながら右利きの筆者には試奏することができませんでした。左利きの方で良いレス・ポールを探している人はぜひとも会場で、その素晴らしさを実感してほしいと思います。

シリアル・ナンバーは「HS」から始まる

 『拡大版! お茶の水楽器祭り』は、8月7日(金)〜9日(日)の3日間、ともに午前11時から午後8時まで、御茶ノ水ソラシティで行なわれています。入場は無料です。ぜひこの機会に、御茶ノ水でギブソンのTHとHSを弾き比べてみてください!

【イベント】生っ! 週刊ギブソン/デジマート地下実験室True Historic vs Historic Select
日時:2015年8月7日(金)19:15 ~ 20:00
会場:御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンター 2F

ちなみに昨年の同イベントの様子はコチラをご確認ください!


※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは8月14日(金)を予定。

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製品情報

Gibson Custom Shop / Historic Select Les Paul

【問い合わせ】
ギブソン・ジャパン http://www.gibson.com/
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