Bose S1 Pro+ wireless PA system × 松井祐貴&井草聖二
- 2024/04/25
プロ・ギタリストのエフェクター・ボードをフィーチャーしていくギター・マガジンの人気連載「プロのペダルボー道」。ここでは同連載の最新号に連動し、当該アーティストが使用する、デジマート上でも購入できるエフェクト類を厳選して紹介していく。今回はゴールデンボンバーやBABYMETALなどで活躍するtatsuoのボードを紹介しよう。
ミュージックマンのモニターであるtatsuoはジョン・ペトルーシ・モデルMAJESTYなどを愛用。マグネットとピエゾのふたつのピックアップ出力がポイントで、それを効果的に使えるように構築されたボードがこちらだ。まずギターからボード上段にあるDigiTechのHARDWIRE HT-6(チューナー)からその下にセットされているEx-proのカスタム・ジャンクション・ボックスにつながる。こちらはEx-proのステレオ・ケーブルでマグネット・ピックアップとピエゾ・ピックアップのふたつの信号が入っていて、マグネットの出力はEx-proのPSS-10へ。こちらには、ボード中央上Ex-proのPW-R(ワイヤレス・レシーバー)、ボード外左DigiTechのWhammy DT(ワーミー)、ボード左端MXRのM108 10 BAND GRAPHIC EQ(イコライザー)、前述のHARDWIRE HT-6の4つがつながっている。マグネット・ピックアップのみを使用するギターはワイヤレスで接続、PW-Rからの入力となる。EQは7弦ギターを使う場合に余計な周波数をカットするためのもので、ワーミーは使用する時だけオンにする。ピエゾ・ピックアップはジャンクション・ボックスからFISHMANのAuraSixTeenに入り、MXRのEQ下にあるRadialのJ48(D.I.)を通ってPAにつながっている。PSS-10からラック内のFRACTAL AUDIO SYSTEMSのAxe-FxII(プリアンプ/エフェクツ・プロセッサー)につながり、ボード中央にあるMFC-101でサウンドをコントロールしている。ペダル・コントロールは右端BOSSのFV-500はボリューム用、隣のMission Engineeringはワウ用、左端のFV-500はモジュレーション系などのコントロールで使用している。ボード外右のBOSSのFS-6(フット・スイッチ)は拡張スイッチで、ディレイのタップ、EQで下をバッサリ切るLOFIサウンドが割り当てられている。
デジテックのフロアタイプ・チューナー。ノーマルとストロボの2種の表示方式とポリフォニック機能の搭載により急場でも素早く調性をとることができる。ドロップDを始めとするさまざまなチューニング・モードやキャリブレーション機能、それに他のペダルへ電源供給ができるDC OUTも備えるなど多機能さも魅力のモデルとなっている。
定価:13,000円
オフィシャルHP:神田商会
4系統のループを搭載したスイッチャー。DC電源を供給するパワー・サプライ機能も併載しており、省スペースなコンセプトで人気を博していた製品。高い耐久性と操作性も好評価を受けていたが、現在は惜しくも生産完了品となっている。
※生産完了品
世界初のペダル式ワイヤレスという触れ込みで話題を呼んだ一品。ワイヤレス技術に先鞭をつけてきたEx-proならではの高音質と、とりまわしの良さなどから多くのプロに愛用されている。なお、上のボード写真内には受信機であるPW-Rのみが写っているが、使用には送信機であるPW-Tも必要となる(写真右)。
※生産完了品
ワーミーの大定番機種。音質やスムースなピッチベンド感が得られるのはもちろんのこと、このDTではチューニングの上げ下げを7段階に分けて行なえるチューニング・エフェクトやレガート奏法の効果を擬似的に再現するMomentaryスイッチが搭載されるなど多機能化が進んでおり、本機でしかなし得ないトリッキーなサウンドを作り出すことができる。
定価:47,000円
オフィシャルHP:神田商会
計10帯域のバンド周波数(31.25Hz/62.5Hz/125Hz/250Hz/500Hz/1KHz/2KHz/4KHz/8KHz/16KHz)を持つグラフィック・イコライザー。入出力別にレベル・コントロールが可能となっており、ゲイン・コントロールは±12dBで対応。シーンに合わせた細かい音作りができる高品位EQだ。
定価:28,000円
オフィシャルHP:モリダイラ楽器
クセが強くなりがちなアコースティック楽器のライン・サウンドを、実際にコンデンサー・マイクで集音したサウンドへ変換するというコンセプトを持つフィッシュマン・オーラ。本機はドレッドノートやOM、ジャンボなどのアコギ・サウンドの他、ガットや12弦、ウクレレ、マンドリンなど計16種類のサウンド・イメージを備えたペダルとなる。
定価:オープン
オフィシャルHP:ヤマハ
プロ仕様の音響機器を数多く手がけるラディアルの主軸を担うアクティブD.I.。スイッチング・パワー・サプライの内蔵により原音に忠実なトーンを実現しており、ナチュラルでバランスの良い品質には定評がある。パッシブ仕様のJDIと並んで名機と名高いD.I.である。
定価:34,000円
オフィシャルHP:日本エレクトロ・ハーモニックス
スティーヴ・ヴァイからジョン・ペトルーシ、国内では今剛やSUGIZOなどの使用で知られるフラクタル・オーディオの名機。高品位かつ多彩なアンプ・シミュレートとエフェクターを搭載したマルチ・プロセッサーで、大がかりなラック・システムも本機1台で代用できてしまうというスグレモノだ。現在はメモリーとI/Oポートを増設し、液晶画面がグレードアップした「AXE-FXⅡ XL+」が最新ラインナップとなっている。
定価:360,000円
オフィシャルHP:オカダインターナショナル
高機能ギター・マルチ・プロセッサーとして名だたるギタリストを虜にしているフラクタル・オーディオのAxe-FX Ⅱと高い連動性を持つフット・コントローラー。348のプリセット・エリアを持ち、各プリセットは最大16のプログラム・チェンジ、17のコントロール・チェンジなどを持つ。Axe-Fx専用としてだけでなく、MIDIコントローラーとしても使用可能だ。
定価:130,000円
オフィシャルHP:オカダインターナショナル
アルミダイキャスト製の堅牢な筐体と確かな動作精度、トルク調整を簡易に行なえる機構など高い基本性能を誇るボスのボリューム・ペダル。エクスプレッション・ペダル機能とチューナー・アウトが搭載されており使い勝手も良い。ラインナップはハイ・インピーダンスのFV-500H(左)とロー・インピーダンスのFV-500L(右)の2種が用意されている。
定価:オープン
オフィシャルHP: BOSS
ボスのデュアル・フット・スイッチ。モードはラッチ/モーメンタリーが用意されており、極性を切り換えることも可能という多機能さが魅力のモデルだ。現在はアップデート版のFS-7がリリースされており、レイアウトを縦組に大幅変更。電池も不要となり、とりまわしの良さが強調されたモデルに生まれ変わっている。
※生産完了品
オフィシャルHP:BOSS
本記事はリットーミュージック刊『ギター・マガジン2015年9月号』の連載「プロのペダルボー道」の中でより詳しく紹介されています! ここではお見せできなかった機材やセッティング・パターン、それにアーティスト本人のコメントも交えた解説も掲載されているので是非チェックしてみて下さい。
多くのプロ・ギタリストたちのボードを紹介してきた本連載が、これまでの軌跡をひとまとめにし、さまざまな新規コンテンツも盛り込んだムックとなって絶賛発売中! 本書の中面では1ページ全面にボード写真が掲載されており、それぞれのボード・セッティングの細部をしっかりチェックできる。「プロのボード構築の秘訣」企画から、「プロ御用達ショップF・Sugar」「ハイ・クオリティ・システムの先駆者オカダ・インターナショナルのスペシャル・インタビュー」などボー道を志す者は必読の内容。多くの現場で培われたプロのセッティングは多くのギタリストにとって参考になるはずだ。ぜひチェックしてほしい!
著者:ギター・マガジン編集部
定価:2,160 円(本体2,000円+税)
仕様:A4変型判/128ページ
発売日:2015.5.25
ISBN:9784845625987
tatsuo
たつお。1978年生まれ。プロデューサー、作曲家、編曲家としても活躍するギタリスト。2002年結成のeversetで活動したのち、若手のバンド・プロデュースを手がけて、ゴールデンボンバーなどを世に送り出す。そのほか、仮面ライダー・シリーズ、BABYMETAL、ももいろクローバーZなど、幅広いフィールドでサウンドをクリエイト。日本人ギタリストとして初めてミュージックマンとモニター契約を結んだ。