Bose S1 Pro+ wireless PA system × 松井祐貴&井草聖二
- 2024/04/25
Gibson Custom Shop / Brian Ray SG Standard w/Bigsby
今週はギブソン・カスタムショップからリリースされたアーティスト・モデル、ブライアン・レイSGスタンダードを紹介します。ブライアン・レイは、2000年代以降、ポール・マッカートニーのツアー・メンバーとして活躍する米国のギタリスト。そんな彼の個性的な仕様が付されたSG、ブライアン・レイSGスタンダードの魅力に迫っていきましょう。
SGは、1961年に“新しいレス・ポール”としてデビューし、その後、SG(Solid Guitar)という名称に変更したモデルで、現在のギブソン・ファンならもちろん、本器ならではの個性や魅力をご存知のはず。マホガニー・ボディのモデルらしく粘り気がありつつレス・ポールよりストレートなトーン、軽量で取り回しが良く、ハイ・ポジションまで弾きやすいことなどが、SGの人気の秘密ですね。
SGに魅せられたギタリストと言えば枚挙に暇がありませんが、ブライアン・レイもそんな一人。2000年代初頭からポール・マッカートニーのステージを支える右腕として知られるこの人物のシグネチャー・モデルは、シルバーフォックス・フィニッシュ(黒を基調に、マホガニーの導管が狐の毛のように見える独特なフィニッシュ)に、ビグスビー搭載というルックスがまず目を惹きます。このビグスビーは、Vibramateというボディの加工なしにビグスビー・アームを取り付けられるユニットを介して設置されており、好みに応じて同梱されたストップ・バー・テイルピース&スタッドに付け替えられる点がユニークです。ピックアップは、フロントにバーストバッカー1(アルニコ3マグネットを採用し、コイルのターン数を抑えたタイプ)、リアに57クラシック・プラス(アルニコ2マグネットを採用し、コイルのターン数を増やしたタイプ)を載せ、クラシカルなトーンをバランス良くアウトプットします。さらに、それぞれのピックアップをタップすることができるので、サウンドのバリエーションが豊富な点も特徴です。
それでは、実際のサウンドを動画にてチェックしてみましょう。
使用アンプ:マーシャルJVM205H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソン18' Purple Gibson Instrument Cable
動画ではまず、本器の特徴であるビグスビーを使い、緩やかなビブラートをかけてみました。この心地良い揺らぎは癖になりますね。コードはもちろん、単音にかけてもいい味が出ます。マホガニー・ボディらしい甘めのトーンとビグスビーのゆるい揺らぎのマッチングは最高です! ピッチに関しては、現代的なビブラート・ユニットに比べれば甘い点もありますが、本器を弾いてみた率直な感想としては、入手後の調整次第でかなり安定した状態に追い込めそうだと感じました。
続いて動画では、コイルタップを試しています。フロント、リアそれぞれのボリューム・ノブを引き上げることで、チャリンと鳴るタップ・サウンドになっていることがわかるでしょうか。タップした軽快なサウンドは、ファンキーなカッティングに最適です。また、動画には収録していませんが、深い歪みで弾いた時のモッチリ感に加え、プリッとした張りのあるニュアンスが感じられたのは、さすがギブソン・カスタムといったところ。良いマホガニー材、薄い塗装などが影響しているのだと思います。クラシックなサウンド、タップを含めた幅広いサウンド・バリエーション、そしてスタンダード・モデルとは違う独自のルックスを兼ね備えたブライアン・レイSG。アーティスト・ファンならずとも、個性的なSGを求めている人に、絶対オススメです。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは8月21日(金)を予定。
価格:¥575,000 (税別)