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  • LINE 6が新世代のプロスペック・ギター・プロセッサー『Helix』を発表!

LINE 6「Helix」記者発表会レポート

LINE 6 / Helix & マルチ・ギター・プロセッサー

  • 文:井戸沼尚也 写真・動画撮影:編集部

ヤマハミュージックジャパンは、ヤマハの子会社であるLine 6, Inc.が開発したギター・プロセッサー『Helix(ヒリックス)』を11月25日より発売する。それに先立ち、10月6日にプレス・販売店向けの発表会が行なわれ、Helixの全貌が明らかになった。今回はHelixの魅力と発表会当日の様子を速報版としてお届けする。

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ギター・システムの中枢として機能する最強ギター・プロセッサー!

 Helixは、モデリング技術の先駆者であるLINE 6が総力を上げて開発したギター・プロセッサーのフラッグシップ・モデル。先ごろ発表されたFirehawk FXがアマチュアでも比較的手が届きやすい価格帯での最強モデルを目指したものだとすれば、このHelixはそうした制約を全て取り払い、“プロが求める全てのニーズに応えること”だけを念頭に6年もの歳月をかけて開発された、まさに最強のモンスター・マシンである。極限までリアルなサウンドはもちろん、ギター・システム全体の包括的なコントロールを可能にする高い拡張性を有している。

LINE 6 / Helix(予想実勢価格は22万円台後半)

10インプット、12アウトプット(4×FXループ含む)、8イン/8アウトのUSBオーディオ・インターフェイスなど、これ以上はないほどの拡張性を備えたバックバネル。

 Helixの特徴は、“Real. Smart. Control.”の3つキーワードで表すことができる。

《Real》
 まずは圧倒的にリアルなサウンドに驚かされる。強力なデュアルDSPパワーを駆使した新開発の「HXモデリングエンジン」を搭載。これにより、入念に測定された真空管アンプの各出力段のあらゆる状態を忠実に再現。音だけではなく、反応や弾き心地といったフィーリングの部分にまで踏み込んでいる。特に従来のモデリングではどうしても安っぽくなりがちだったハイゲイン・アンプの再現性は、群を抜いている印象だ。キャビネット、マイクの選択と組み合わせで、より好みにあったセットアップを簡単に実現できる。また、エフェクト類の再現性も特筆モノ。KlonやUnivibeといったアナログらしいエフェクトの挙動も見事に再現されている。

《Smart》
 一言で言えば、直感的に操作できるということ。視認性の良い大型6.2インチのディスプレイと、タッチセンシティブ・フットスイッチを採用。ペダル・エディット・モードではエフェクトのパラメータをフットスイッチとエクスプレッション・ペダルだけで、完全にハンズフリーで調整可能だ。演奏しながらのパラメータ変更や、それに伴う新しい表現も期待できる。 また、メニューの深い階層に入り込む必要がなく操作できるのもありがたい。さらに各プリセットには4つのステレオパスを備え、複雑なルーティングにも対応。それらの状態は大型のディスプレイで全てが一望できる。

《Control》
 Helixは、ギター・システムの中枢としてシステム全体をコントロールできる。各種の豊富な入出力端子、4系統のSEND/RETURN、MIDI IN/OUT、USB端子、VARIAX IN、最大3台の外部エクスプレッション・ペダル対応など、高い接続性・拡張性を備え、どんな規模のシステムにも対応できる。その他、プロユースとしての超低ノイズ、ツアー・グレードの高い堅牢性などを誇る、まさに“プロが求める全てのニーズに応える”マシンとなっている。

6.2インチの大型LCDディスプレイで良好なインターフェイスを実現。

フットスイッチはエディット時に操作しやすいタッチセンシティブ・スタイル。液晶のラベルとLEDリングのカラーもカスタマイズできる。

モデリングのパイオニアがついに作り上げたベスト・プロセッサー

 発表会は2部制で行われた。第1部はLM営業部部長の小島高則氏の開会の挨拶に続き、Line 6創業者兼社長のマーカス・ライル氏が「20年前、最初のモデリング機を作り上げてからこの分野のパイオニアであった我々が、ついに作り上げたベスト・プロセッサー」とHelixを紹介。従来のHDシリーズの何倍もパワフルなDSPを使っているという説明が印象的だった。

 その後、LM営業部 Line 6 Japanの吉田靖彦氏によるHelixの特徴の紹介、そしてギタリストの阿部学氏によるHelixの魅力を引き出すオリジナル曲「Passion」のデモ演奏が続いた。デモではバッキング・パートを含めた全てのギター・サウンドがHelixで作られ、パートごとに全く異なるタイプの超リアル・サウンドを響かせていた。スクリーンにはその時に使用したモデリング・アンプとエフェクトが映し出され、来場者の理解を深めていた。

熱のこもったプレゼンテーションでHelixをアピールしたLine 6創業者兼社長のマーカス・ライル氏。

さまざまなトーンでデモを聴かせてくれた阿部学氏。生演奏のサウンドだけでなく、バック・トラックのギター・サウンドもすべてHelixで作成したという。

 第2部は会場を移してマーカス・ライル氏自らがHelixの具体的な操作法に言及。一見普通のノブに見えるジョイ・スティック・タイプのノブを使った音作りなど、かなり踏み込んだ説明を行った。その後を引き継いでLM営業部の藤原寛二氏が、ルーティングの方法などについて説明し、阿部学氏が第1部とは異なる曲で再びデモ。Helixが持つ高いポテンシャルを存分に引き出していたのが印象的だ。

 Helixは2015年11月25日に発売予定。価格はオープンプライスで、実勢価格は22万円台の後半になる見込み。さらに2015年冬、Helixのラック・タイプが、2016年冬にはHelixラックの専用コントローラーが発売される見通し。どちらもオープン価格だ。これまでは“誰でも買える最高の製品”をポリシーに製品開発を行なってきたLINE 6。今回、自らその禁を破った形となり、それだけのクオリティを持つHelixシリーズから目が離せない状況が続きそうだ。

会場にはヤマハ製品及び取り扱いブランドの製品もディスプレイされていた。デジマガ製品ニュースでも大きな反響を呼んだ、THRをアンプ・ヘッド化したTHR100H Dual(左)とTHR100H

こちらも大反響だったSilver Jubilee 2555の復刻モデル、Marshall 2555X

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