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  • 【THE・定番】迫力のドンシャリ歪みを演出するベース用プリアンプ

MXR / M80 Bass D.I.+

MXR / M80 Bass D.I.+

  • 試奏/文:河辺 真 写真/動画撮影:伊藤 大輔
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 MXRのM80 Bass D.I.+(以下、M80)は、多くのプロ・ベーシストも愛用する超定番のベース用プリアンプのひとつですね。定番たる所以を明らかにすべく、改めて機能と使い方を整理しながら分析していきましょう。

 まずはD.I.としての機能を確認。今回の動画収録時には、M80のダイレクト・アウトから出力されたライン・レベルと、モニター用ベース・アンプに立てたマイクの2系統を同時に録音しています。ファンタム電源に対応しているので、環境次第で電池や電源アダプターを接続せずにスマートにM80を使うことができますね。宅録環境などでサクッとベースを録音したい時には重宝するでしょう。ちなみに、ミキサー卓などの外部機器に繋ぐと、場合によってはノイズが増えることがあり、D.I.のグラウンドをリフトすることでノイズを解消できる場合があります。もしノイズが気になったらファンタム/グラウンド・スイッチを押してグラウンドをリフトしてみましょう(グラウンドをリフトした場合、ファンタム電源は使えません)。

 M80は3バンドのイコライザーを備えていますが、イコライザーのノブを全て真ん中にセットすれば、エフェクトをオン/オフしても音色はほとんど変化せず、フラットな状態から音作りをすることができます。それぞれのノブを上げ下げしてみると、EQの周波数ポイントが的確で効果がわかりやすく、かなり積極的に音作りができるアグレッシブなEQであることがわかりますね。たとえ地味な音色のベースでも、かなりギラギラした派手な音色にチェンジすることが可能です。音作りに迷った時にはカラー・スイッチをオンにするのがオススメ。一発でプリセットされたマッチョな音色に変化します。ミッドを抜いた、いわゆるドンシャリ傾向の音色ですが、ラウド系のベーシストには重宝する機能だと思いますし、これだけのためにM80を購入するベーシストも多いでしょう(笑)。

 クリーンとディストーションの2つのチャンネルを備えていて、ディストーション・スイッチによってチャンネルを切り替えます。歪みはザラついた質感のギラギラした音色で、ゲインを上げると歪みが増えていきます。そして、最大の特徴とも言えるのがブレンド。歪んだ音色にクリーンの音色を混ぜ、そのバランスを調整することができます。例えば、極端に歪ませたセッティングでもブレンドを絞ることで原音をミックスし、ロー感を維持することができるわけです。ブレンドを全開にしつつゲインを絞って僅かに歪ませた音色でドライブ感を演出しても良いし、ブレンドを絞ってクリーン中心の音色にしつつゲインを高めにセットして倍音成分を付加する、といった使い方もできますね。

 というわけで、M80を冒頭で「ベース用プリアンプ」と紹介したものの、D.I.、イコライザー、プリアンプ、歪み系エフェクター、などと複数の機能を備えているし、歪み専用エフェクターとして活用するベーシストも多いと思います。どの機能も本格的で音色も優れているので、愛用するベーシストが多いのも納得できますね。

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製品情報

MXR / M80 Bass D.I.+

価格:¥27,000

【スペック】
■コントロール:バイパス、ディストーション・スイッチ、EQ(ベース、ミッド、トレブル)、カラー・スイッチ(プリセットEQ)、クリーン用ボリューム、ゲイン、ボリューム、ブレンド、ゲート・トリガー(=ノイズフロア・スレッショルド)、ゲート・スイッチ(以上ディストーション用コントロール)、ファンタム/グラウンド・スイッチ(XLR)■入出力端子:6.3mm標準入力および出力■電源:9V:乾電池006P、9VACアダプター■外形寸法:220(W) x 162(D) x 42(H)■重量:約1375g
【問い合わせ】
モリダイラ楽器 TEL:03-3862-5041 http://moridaira.jp/archives/53402
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