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  • 週刊ギブソン Weekly Gibson〜第98回

古市コータローと味わう! ギブソン・メンフィス2016

Gibson Memphis / 2016 Models

  • 取材:ギター・マガジン編集部 解説:井戸沼尚也 動画撮影・編集:熊谷和樹 写真撮影:星野俊 録音協力:加藤和彦(オンキヨー) 取材協力:Gibson Brands Showroom TOKYO

今週の週刊ギブソンは、ギター・マガジン2016年5月号のギブソン特集と完全連動! 満を持してリリースされるES-275を含む注目のギブソン・メンフィス2016モデルを、ザ・コレクターズの古市コータロー氏にチェックいただいた動画中心にてお届けします。ESシリーズと言えばジャズ? いえいえ、弾く人の解釈によって変幻する懐の深いサウンドが特長です。ここではゴキゲンなロック・テイストにてご賞味ください。

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古市コータロー×Gibson Memphis 2016 Models

使用アンプ:マーシャルJVM205H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソンInstrument Cable

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ES-275 Figured
ギブソン史にその名を刻む次世代ジャズ・ギタリストへ向けた新基準

 これまでのギブソン史に存在しなかった、まったく新しいフル・アコースティック・モデルがES-275だ。研究開発を手がけるギブソン・メンフィスR&Dディレクターのマイク・ボルツが、日本のディーラーやプレイヤーとディスカッションして着想を得たモデルで、コンセプトは“現代の音楽にマッチするコンパクトなジャズ・ギター”とのこと。ボディはL-5をベースに、取り回しが良いように薄型を採用、そこに59レス・ポールのシェイプを持つネックをセットし、演奏性を高めている。ES-275には2タイプのモデルが存在する。フィギュアド・トップ&バック、モントルー・バースト、またはダーク・ビンテージ・ナチュラルのES-275 Figuredと、プレーン・トップ&バック、フェイデッド・チェリー・フィニッシュのES-275だ。今回紹介するES-275 Figuredはヘッドのスプリット・ダイヤモンド・インレイと指板の大きなブロック・インレイがES-355を思わせ、指板にリッチライトを採用している点も特徴だ。フル・アコースティック構造+MHSハムバッカーが生み出すリッチなジャズ・トーンは、一度体験したら病みつきになるだろう。

Kotaro’s Impression
各弦の音の分離がいいから複雑なコードを弾いても気持ちがいい!
ただ弾くだけで素晴らしい音が出るからあまりエフェクターと出会わせたくないね。

SPECIFICATIONS
●ボディ・トップ&バック:メイプル/ポプラ/メイプル ●ネック:マホガニー ●指板:リッチライト ●フレット:22 ●スケール:24 3/4インチ ●ピックアップ:MHSハムバッカー×2 ●ペグ:ミルクボトル・グローバー・ロトマチック ●ブリッジ:ABR-1 with チタニウム・サドルズ ●カラー:モントルー・バースト(写真)、ダーク・ビンテージ・ナチュラル(576,000円/指板:リッチライト、ペグ:ミルクボトル・グローバー・ロトマチック)、フェイデッド・チェリー(520,000円/指板:ローズウッド、ペグ:クルーソン・シングル・リング・チューリップ・ボタン)
価格:553,000円(税別)

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ES-335 Premiere Figured
最新技術で335のベスト・サウンドを追求したプレミアム・モデル

 ES-335 Premiere Figuredは、ビンテージ・モデルの復刻ではなく、新しい角度からギターのベスト・サウンドを追求したプレミア・ラインのES-335モデル。復刻モデルにはないルックスと、ベスト・サウンドを実現するために開発された新技術・新仕様を採用しており、独自のトーンを持つ。外観上の特徴は、トップにフィギュアド・メイプルを使用し、フェイデッド・ライトバーストで仕上げられている点。少しオレンジがかったような、独特のフィニッシュだ。指板のブロック・インレイや、グローバー・ペグもアクセントになっている。そして本器の最大の特徴は、センターブロックとブレイシングにサーマルエイジド処理を施している点だ。これは、木材を専用の炉で減圧することで、細胞レベルで木質を変化させる技術。木材の細胞に含まれる水分が減少し、より軽量で振動しやすい材に変化する。この技術を使ったメイプルのセンターブロックと、アディロンダック・スプルースのブレイシングを採用し、335の鳴りをさらに向上させている。

Kotaro’s Impression
ハードに弾いても上品だね。特にセンター・ポジションが最高!
シングルコイルのギターとはまた違った335ならではの“ふくよかな広がり”をぜひ体感してほしいね。

SPECIFICATIONS
●ボディ・トップ&バック:メイプル/ポプラ/メイプル ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●スケール:24 3/4インチ ●ピックアップ:バースト・バッカー1(フロント)、バースト・バッカー2(リア) ●ペグ:ミルクボトル・グローバー・ロトマチック ●ブリッジ:ABR-1 with チタニウム・サドルズ ●テイルピース:ロッキング・ストップ・バー ●カラー:フェイデッド・ライトバースト
価格:565,000円(税別)

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1958 ES-335 VOS
超レアな初年度スタイルをリアルに復刻したマニア垂涎の335

ES-335がリリースされた初年度にあたる1958年、ナチュラル・フィニッシュのモデルはわずか50本しか出荷されていない。本器は、その超レアなES-335を復刻したもの。外観上のおもな特徴は、バインディングがないネック、丸みを帯びた“ミッキーマウス・イヤー”と称されるカッタウェイのホーン形状などだ。もちろん、ドット・ポジション・マークの指板インレイ、ロング・ピックガードなどもしっかり再現されている。また、チューブレス・トラスロッド、ハイドグルー(ニカワ)によるネック・ジョイントやブレイシングの接着、MHSハムバッカー、アルミ・テイルピース、バンブルビー・キャパシタ、マッチド550kポットの採用など、音質に関わる部分も妥協のない仕様だ。太めのネック・グリップは握りごたえがあるがロールドエッジ処理で長年弾いた個体のように手に馴染み、ナチュラル・カラーが焼けて飴色に変色したようなVOSフィニッシュもビンテージ・フィールに溢れている。

Kotaro’s Impression
自分の中で335はロックンロール・ギター。 このルックスと音で荒々しいフレーズを弾きたくなるね。

SPECIFICATIONS
●ボディ・トップ&バック:メイプル/ポプラ/メイプル ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●スケール:24 3/4インチ ●ピックアップ:MHSハムバッカー×2 ●ペグ:クルーソン・シングル・リング・チューリップ・ボタン ●ブリッジ:ABR-1 ●テイルピース:ライトウェイト・ストップ・バー ●カラー:1958バースト(610,000円)、1958ナチュラル(写真)
価格:633,000円(税別)

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ES-335 Studio
よりES-335らしく変身したコストパフォーマンスに優れたニュー・モデル

 2016 ES-335 Studioは、装飾を廃してコストを抑えたES-335 Studioの最新版。もともとは1ピックアップ/ fホールなしという仕様から始まり、2ピックアップ/ fホール付きと進化を遂げ、2015年にはブラック・バインディングも付いた。さらに2016年のこのモデルからは2ボリューム/2トーンの4コントロールになり(前年版まではマスター・ボリューム/マスター・トーンの2コントロールだった)、ジャック位置もボディ・サイドからボディ・トップに移って、よりES-335本来の姿に近づいたのがポイントだ。センターブロック有りのセミホロー・ボディ、57クラシック(フロント)とスーパー57クラシック(リア)の組み合わせにより、本格的なセミアコ・サウンドを楽しむことができる。本器はメイプル・ネックと熱処理をしたメイプル指板を採用しており、アタックのハッキリした明るい音色を持っている点が特徴だ。ES-335としては低価格帯のモデルだが、そのサウンド、演奏性ともに妥協のないクオリティを誇っている。

Kotaro’s Impression
雑味のないスッキリしたサウンドは70年代中期の335みたいだね。

SPECIFICATIONS
●ボディ・トップ&バック:メイプル/ポプラ/メイプル
●ネック:メイプル ●指板:メイプル ●フレット:22 ●スケール:24 3/4インチ ●ピックアップ:57クラシック(フロント)、スーパー57クラシック(リア) ●ペグ:グローバー・ロトマチック ●ブリッジ:ABR-1スタイル ●テイルピース:ストップ・バー ●カラー:ワインレッド(写真)、ジンジャー・バースト
価格:294,000円(税別)

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ES-Les Paul Premiere
ES-335とレス・ポールが合体した夢のギター

 近年、非常に高い人気を誇るES-レス・ポール。一見するとレス・ポールにfホールが付いているだけのようだが、構造的にはレス・ポールよりES-335に近い。つまり、ソリッド・ボディをくり抜いたチェンバー構造ではなく、プライウッド・ボディ・トップ&バックをリムでつなぎ、内部にセンターブロックを持つというES-335そのものの構造で、フォルムが抱えやすいレス・ポールになっていると考えればわかりやすいだろう。ルックス的にはボディ・バックにもバインディングが施されているのが特徴だ。本器は、内部のセンターブロックにマホガニー、ブレイシングにはアディロンダック・スプルースを採用し、それらにサーマル処理を施してさらに鳴りの良さを追求している。マホガニー・ネックにローズウッド指板、ABR-1ブリッジにアルミ・テイルピースという仕様はトラディショナルだが、ブリッジ駒にはチタンを採用している。fホールが付いたインパクトある外観からハウンリングを心配する人もいるが、実はコンパクトなぶん、335以上にハウリングに強い。

Kotaro’s Impression
音の印象はレス・ポールよりも335に近い。ソリッド感やタイトさよりも箱モノのワイド感を感じます。

SPECIFICATIONS
●ボディ・トップ&バック:メイプル/ポプラ/メイプル ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●スケール:24 3/4インチ ●ピックアップ:バースト・バッカー1(フロント)、バースト・バッカー2(リア) ●ペグ:クルーソン・シングル・リング・チューリップ・ボタン ●ブリッジ:ABR-1 with チタニウム・サドルズ ●テイルピース:ライトウェイト・ストップ・バー ●カラー:フェイデッド・ライトバースト
価格:497,000円(税別)

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ES-Les Paul Standard
セミアコ構造ながらfホールのない新感覚のニュー・レス・ポール

 見た目はレス・ポール・スタンダードそのものというES-レス・ポール が限定生産で登場した。前項で述べたように構造上はES-335と同じセミアコ(チェンバー構造ではない)だが、fホールがないため、ぱっと見は普通のレス・ポール・スタンダードにしか見えない。ただし、よく見ればレス・ポール・スタンダードにはないボディ・バックのバインディングがあるので、違いがわかるだろう。ES-レス・ポールの機能やサウンドには興味があるが、fホールに抵抗があるという人にとって、本器はまさに最高の選択となる。ルックス面だけでなく、fホールを塞ぐことによってさらにハウリングしにくくなるというメリットもある。その上、ボディ重量は約1.3kgと非常に軽く、弾き疲れしない。サウンド面でもレス・ポールのニュアンスに加えて、独自のエアー感を持っている。生音が大きいので自宅で気軽に手にして弾くのにも向いており、まさにいいこと尽くめの強力な1本だ。

Kotaro’s Impression
レス・ポールの音が出せて生音での家弾きも楽しめるね!

SPECIFICATIONS
●ボディ・トップ&バック:メイプル/ポプラ/メイプル ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●スケール:24 3/4インチ ●ピックアップ:MHSハムバッカー×2 ●ペグ:クルーソン・シングル・リング・チューリップ・ボタン ●ブリッジ:ABR-1 with チタニウム・サドルズ ●テイルピース:ライトウェイト・ストップ・バー ●カラー:ライトバースト
価格:474,000円 (税別)


ギター・マガジン2016年5月号で詳細をチェック!

 本記事は『ギター・マガジン2016年5月号』にて特集されている「じっくり味わう! ギブソン・メンフィス2016 ~進化を続けるESの遺伝子」と連動しています。同特集では、より詳しい古市コータロー氏のコメントや総評、ギブソン・メンフィスのマイク・ボルツ氏の最新インタビュー、小沼ようすけ氏やkubota氏のコメント、ならびにギブソン・メンフィス2016ギター・カタログなども掲載されています。ぜひチェックしてみて下さい。

■ギター・マガジン2016年5月号の詳細はこちらから!

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製品情報

プロフィール

古市コータロー
結成30周年を迎える日本が誇るブリティッシュ系ビート・ロックの代表格、ザ・コレクターズのギタリストとして活躍。1964年5月30日生まれ。身長187cm。テスコでプレイするエレキ・バンド“KOTARO AND THE BIZARRE MEN”(コータロー&ザ・ビザールメン)、浅田信一とのユニット“ANALOG MONKEYS”などでも活動。また近年はギタリストとしてだけではなく、俳優としての活動も注目を集めている。愛器は1999年製ギブソン1963 Historic ES-335、リッケンバッカー360など。歌心に溢れた豪快なプレイ・スタイルは聴き手を圧倒する。

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