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  • Dr.Dの機材ラビリンス 第28回

7弦ギター〜B階の“線”律〜

7弦ギター

7弦エレクトリック・ギター = へヴィ/ラウド・ロックの専用楽器……そんなイメージを持っているギタリストは多いのではないだろうか。確かにはじめに手に取ったのは重低音プレイヤーだったかもしれないが、今やピックアップ、ブリッジなど7弦対応のリプレイスメント・パーツは飛躍的に増え、あらゆるジャンル、スタイルに対応できる7弦ラインナップが揃う時代となった。今回の機材ラビリンスでは、格段に表現力を広げる可能性を持った7弦エレクトリック・ギターの現在を探求してみたい。

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プロローグ

ギターをやっていると、急に何かが物足りなく感じることがある。

 その足りないものがテクニックならば、練習をすれば済む。効果が足りなければアンプを新調したり、ピックアップを載せ替えたりもする。だが、その問題が、努力やお金では埋まらない、ギターそのものの楽器としての「規範」に則したものだった場合、どうすれば良いのだろうか?

 例えば形。例えば素材。例えば音。──それがギターであるために、いつしか定められ、枠組みを与えられたひとつの体系として「ギター」が語られるようになってから、はみ出すことを許されなくなった常識の数々。ネックが一切ない木の板をギターと呼べるのか? ゴム風船に弦を絡めただけのものを、音がひとつしか出ない鳴りものを、あなたはギターとして扱えるのか? 否、不可能だろう。それを知る我々の中には、ギターという名の“決まり”が確かにあり、そこからどんな形であれはみ出してしまう存在は自動的に認識を拒まれるからだ。しかし、それらは“程度”という内なる物差しの中ならば考慮に値することがある。「規範」は覆らない。しかし、物差しは後から自分の世界に新しいモノを持ち込んでやることが出来る。例え、それが我々のよく知る「規範」にがんじがらめになっているギターの話だとしても、だ。そして、特に、音に関する問題はいつも「規範」と隣り合わせにあるという事実も、見過ごすことは出来ない。

 音楽を構成する要素は、主に3つあると言われている。それは、「旋律(メロディ)」「拍(リズム)」「和声(ハーモニー)」だとされるが、ギターはピアノやバイオリン等と同じく、そのどの役割も果たすことが出来る楽器である。だが、その中のふたつ──メロディとハーモニーについては、ギターのハードウェアとしての仕様に限界があることもすでにほとんどの方は気がついていることだろう。それは、フレットと弦の本数に由来する制限である。アームやチョーキングといった技法、そしてピッチ系エフェクトの効果等を除けば、チューニングを変える以外にギターは6つの弦の範囲を越える高音も低音も基本的に出すことが出来ない。そして、弦楽器の宿命として、1本の弦が出せる音は、基本的に都度ひとつであることから、6つ以上の音を同時に出すコードは有り得ないのである。

 しかし。それはあくまでギターが“6弦”だったら、という前提の下でである。そしてある時、誰かが欲したのであろう。その音階の向こう側、7つの重音が生み出す新しいコード……ギターという楽器の何かを突き破る、その新しい音の世界を。そして、神が定めたわけでもない“6弦”という音への疑問は、ついにギターの決まりに新しい変化を求めることによってその解を導いたのである。それが、より多くの弦を備えたギターの登場だったとしても、我々は何も驚きはしない。

 楽器の仕様により満たされない、物足りない者達は、きっと、聴こえない和音の音を聴き、音の出ないスケールを奔るリードを心で奏でることだろう。旋律に還元される楽曲の愛惜がただひたすらに「到達する音」を信じた者の元に還るのは、ギターにもともと「規範」を越える音が眠っているからだと思わないか? それを引き出すことが罪だというならば、それはギターそのものの不完全さこそを忌むべきである。

 ──そして、7つ目の弦を持つギターが生まれた。

 そこに表れる実際のサウンドに達してみて、初めてわかる。その7つ目の音が生まれた瞬間に、その「規範」を越えようとする新たな想像の音が頭の中で鳴るのである。次の弦の音、そしてその次の弦の音……というように、その求める音のパラドックスは弦が増えても次々に訪れ、終わりはない。だが、そうであればこそ、“6弦”の罪に対しても寛容であろうとする“環”が人々の中に生まれるのではなかろうか。

 決まりには理由がある。しかし、決まりを破る側にはもっと大きな理由がある──ただ、それだけのことなのだ。7弦のギターがあることで、また6弦ギターもその価値を取り戻していくのである。こんなことは、弦が増えても“別の楽器”になってしまわない、このギターの世界でしか有り得ない話だ。そして今もまた、気付けば音が先を歩き現実が旧き罪を許す。

 ギター。それは、弦が増える度に過去と未来の絆を強く結びつける交差のメディウム。──何という不思議な楽器なのだろうか。

商品の選定・紹介にあたって

 今回は、多弦ギターの中でも最も一般に普及している『7弦エレクトリック・ギター』にスポットを当てる。古くはガット・ギターの時代から存在し、ここ30年ほどで急速に市場での存在感を高めた7弦モデル。スティーヴ・ヴァイといったテクニカル系に始まり、その音を聴いて育ったKORNの“マンキー”や“ヘッド”、1弦を2本張るウェス・ボーランド(LIMP BIZKIT)など、新世代のヘヴィ/ラウド・シーンを通じてそれは広く世に拡散していった。そのため、最初は重低音プレイヤー専用器のイメージが付きまとっていたものの、今や7弦用リプレイスメント・ピックアップの対応メーカーも爆発的に増え、その音色はあらゆるジャンルをカバーするに至っている。ここにきて新たに各メーカーが7弦の個性を打ち出そうと力を入れる中、古い観念にとらわれて選択肢にも入れていなかったギタリスト達に、もう一度、現代の7弦モデルの多様なレイアウトを学び、そしてそれを手に取ることによって格段に広がる表現力の幅を改めて感じてもらうために、この企画を組んだ。
 紹介するギターは、いつも通りデジマートの在庫に準拠している。現行市販品を中心に、材、7弦のゲージ、ピックアップ構成、出音のバリエーション等がなるべく多岐に渡るように構成してみた。チャプマン・スティックやコヤブ・ボードの様なタッピングに特化した「タッチ・スタイル・ギター」は除き、あくまでもピックによる奏法が主体なエレキ・ギターの中から選出している。また、通常の12弦ギターやB.C.Richの変則10弦のように「複弦ギター」も避けてある。
 今や只の「延長楽器」ではなく、ひとつのジャンル、個性として歩み始めた7弦ギターの世界。老若男女を問わず、プレイヤーとしての壁を破る新たなきっかけになるかもしれないその革新的なトラフィックスに触れる、最初のきっかけにしてもらえたら幸いである。

7弦エレキ・ギター

[Cobra Standard7 HT/T]

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01 Strictly 7 Guitars [Cobra Standard7 HT/T]

 ここ数年の間、エレキ・ギター、特に7弦を越える多弦ギターの選択肢を広げるのに最も貢献したギターのひとつと言われているのが、このStrictly 7 Guitars──通称「S7G」である。2007年に創業し、米国オハイオ州メダイナの工房でハンドメイドにより作製されるその製品群は、一貫して身体理学とトラディショナルな木工技術の絶妙な配合により、弾きやすさと“音楽的”造型を両立させる次世代ギアとして注目を集めている。

 Cobra Standard7 HT/TはS7Gのブランドとしての特徴を最も集約した代表的7弦モデルで、ウォルナットとメイプルを組み合わせた7プライ・スルー・ネックと、重厚なアッシュのサイド材を用いたディンキー・スタイルのボディを組み合わせることで、より重心の低い音像にとって有利なレイアウトを持つギターである。スペックから予想される通りに輪郭のあるロング・サステインがあり、タイトで引き締まったロー・ミッドの再生力が全く散らばらずにその響きの中に力強く流れるのがよくわかる。単純にパワフルというのとも違う、筐体全体の材がしっかりと同じ方向を向いて一点に力を集約させているような、実にフォーカスの整ったサウンドなのだ。そして、それにも関わらずコンプ感はむしろ少なく、非常にオープンなニュアンスを達成している。これはおそらく、この独特の杢目あざやかな極薄ステイン・フィニッシュ(「オープン・ポアー(目ハジキ塗装)」=この場合、オイル・フィニッシュの上にクリアを吹き付ける塗装となる)と無関係ではないだろう。材、構成(スルー・ネック)、そして塗装……その三つが極めて正確にバランスされることで、はじめてこの“吹きさらし”感のあるネイキッドな鳴りを確保できるのだろう。しかも、スピード・ウェイ・スルー構成特有のアタックのぼやけ感を補うように、通常の倍はあろうかという極厚のマッカーサー(マカッサル)エボニーを用いた指板とリバース・ヘッドで、上手く巻き弦の音の立ち上がりに明瞭な緊張感を与えている。

 ピックアップの構成はSeymour Duncanの7弦対応モデルとして有名な“Sentient(フロント)”と“Nazgul(リア)”が選択されている。特に6、7弦の力強い伸びとNazgulは相性が良く、深く歪ませたディストーションでも程良いレンジのまとまりと突っ込み感を与えてくれる。当然、鋼鉄系のプレイヤーには美味しいサウンドには違いないが、HT/Tモデル(ハードテイル&スルー・ネック)に関して言えば、スウィートな鳴りを持つSentientのアルニコ的なニュアンスも上手く弾き出す音作りをしてやることで、この竿に隠されたもうひとつの万能な適応力を導けることを知っておくべきだ。特に、1音下げぐらいのやや緩んだ弦のテンションの中で、深い谷間を呼び起こすようなバイブスを効かせた巻き弦のタッチを、ハンド・ビブラートから生まれるファンクな咆哮に上手く重ねることができた時の気持ち良さを一度でも体感すれば、それが真実だと誰でもわかるだろう。

 そして、やはりこのギターの最大の魅力と言えば、その特殊なネック・グリップに尽きる。形状は「カマボコ形」の頂点を平らに均した様に成形されている。薄く、特徴的なその握りは、全く手首に負担がかからないので、ロック・グリップで常に7弦を親指でミュートしながら、それがまるで6弦ギターの様な感覚でプレイすることも恐ろしく簡単にできてしまう。クラシック・グリップに馴染んでいる人にとっては、最初は親指の置き所に戸惑うかもしれないが、5弦の後ろくらいの深い位置に親指を置く感覚でプレイするとやがてその感覚にも馴染んでくることだろう。とにかく、何時間弾いていても、親指の付け根がだるくならないし、小指もよく広がる。そのせいもあってか、27.5インチ/26フレットのスーパー・ロング・スケールが全く苦にならず、むしろ通常のフェンダー系ギターよりも指板が近く感じるほどだった。はじめて多弦ギターを手に取るユーザーにだけでなく、既存の7弦プレイヤーにも新たな可能性を示すS7Gのギター。爪弾くだけで確実に引き出される、弦1本分以上の表現力に驚くはずだ。
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[Majesty7]

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02 MUSIC MAN [Majesty7]

 ジョン・ペトルーシのトレード・マークでもあるペナント風シルエットに面取りされたトップが印象的なシグネチャー・モデル、“Majesty”──その7弦モデルであるMajesty 7 String。いかにもダウン・フォースを得ることに長けていそうな流線型のシルエットは、彼の愛車だったという80年代のスポーツ・カー、「三菱スタリオン」からインスピレーションを得ているという。そのサウンドもまさにあの剛性の強い昭和の名車のイメージ通りで、ピッキングに反応する強いグリップ感と共に弦の振動に食らいつくように力強く立ち上がるトルク、そして、ピークに達するとさらにもう一段階広いレンジを一気に開放するターボを思わせる極太のフィードバックは、まさにレーシング・カーの駆動そのものだ。

 1ピース構造のホンジュラス・マホガニーによるスルー・ネックと、サイドのメイプル・トップ/バスウッド・バックという構成は、マッシュで懐の深い鳴りとダークで硬質なフィーリングを兼ね備えたアメリカンなトーンをしっかりと纏っている。どんなに歪ませても残響だけが息切れしてしまう様なことがなく、モダンに制御されたきめ細やかなピークの規則正しい発声と、適度なコンプレッションが心地良い。そして、このモデルの最も象徴的な機能として備わっているブリッジ部分に仕込まれたピエゾ・マイクの音質もまた、ギターとしての個性を高めるのに一役買っている。フローティング・スタイルのシンクロナイズド・トレモロに据え付けられたピエゾは、アコースティック・ギターの様な広角なボディの倍音を受け止めることはないが、ステンレス・サドルから伝わるハイ・ミッドの凛とした透明感を強調する効果はしっかりと付加される。それが、このモデルに搭載されたDiMarzio“Illuminator”(元々ジョン・ペトルーシ・シグネチャー“JP13”専用に開発されたピックアップ)のタイトかつアグレッシブな高域によく馴染むサウンドを持っており、モード・スイッチによりその二種類のサウンドがブレンドされることによって生まれる、深く歪みながらもどこか澄み切ったきらびやかさを持った音は、このギターでしか味わえないものがある。

 しかも、7弦特有の太いゲージから生み出される野太いグリッジが、そのワイドにスクープされるはずのロー・エンドを埋めるようにピエゾ特有のあのバリバリとした襟足が滑り込んでくる感覚には、どこか稲妻の光沢を思わせる“厳しい”趣があり、近年のエレキ・ギターにはない不思議な切迫感に胸を打たれる。加えて、同社には珍しく角度を付けたヘッド・ストックを持っていながら通常の25.5インチ・スケールに張られた7弦のやや緩いテンションがもたらす浸食の多いノッチ・ドライブが、ホリゾンタルな空気感を演出して実に荘厳だ。

 プレイアビリティの面でもかなり抜きん出ており、23フレットあたり(頑張れば24フレットでも)まで左手の親指で確実に押さえ込める7弦側カッタウェイの滑らかな掘り込みも、他ではあまり見られない形状で恐ろしく手馴染みが良い。また、お得意のアクティブ・プリアンプにより、ボリューム可変で出力インピーダンスが可変しないのがありがたい。ゲルマ・ファズなどへのダイレクト・インには向かないが、ラック・システムを通すような中規模以上のシステムを組むユーザーにとっては、ピッキングのムラがダイレクトに音を曇らせるピエゾの特有の音作りに、ほとんど悩ませられずに済むのが有り難い。テクニカル系ギタリスト用の7弦モデルとしては、実践的素養を完璧に満たしてくれる1本となりそうだ。
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[SOULMASTER VSM-120/7 SELECT]

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03 VGS VISION IN GUITARS [SOULMASTER VSM-120/7 SELECT]

 ドイツ産普及型モダン・ギターの急先鋒として知名度を伸ばしつつあるVGS社。そのメイン・モデルとなる“SOULMASTER”の7弦バージョンがこれだ。1ピース・メイプル・ネックのボルト・オン・ジョイントは「カチッ」とした歯切れの良いアタックが魅力で、マホガニーの性質に近いややハイ上がりな鳴りを持つナトー(Nato)材のボディとよくマッチしている。ハイ・ミッドの歪みにフォーカスしたダイナミクスが、モダンなKochやHughes&Kettnerなどのヨーロピアン・アンプの底支え感のある音質に合わせると、コシのあるエッジを生んで心地良い。ピッキングに応じてゴリゴリとした無骨な押し引きが顔を出すVGSオリジナルのBackdraft HBC-10/7ハムバッカーもその鳴りをよく受け止めており、素直なパワー感を前方に展開しながらも、特にプレーン弦での速いパッセージで1音1音に寂れた様な独特のエッチングが追従する感覚は実に癖になる音質だ。

 そして、やはりVGSと言えば、あの革新的なチューニング・システム、「エバーチューン」ということになるのだが、このような7弦を含めた多弦ギターに使用すれば、その有益性、利便性において、通常のギターに用いた時とは比べ物にならないほどの恩恵を受けられるということだけは、最初に申し伝えておきたい。「エバーチューン」は、弦ごとに設置したバネ式テンション・サポートと可動式サドルがシーソーのように弦の張力と釣り合うことで、フローティング状態になる「ゾーン」を獲得し、その有効範囲内では弦の弛みや伸びの誤差を自動的に正しいチューニング範囲内に補正するという、メカ式のオート・チューニング・システムである。その「ゾーン」内ではチョーキングやビブラートが無意味である通り、当然、ダウン・チューニングを多用する多弦ギターの場合にも、弦の弛みからくるダブついた振幅や押弦によってナチュラルにシャープする特性を全く無視して演奏することが可能になるのだ。これはチューニングの安定そのもののメリット以上に、緩い弦に悩まされる重低音ユーザーの泣き所を一挙に解決できる仕様であることに、今更ながらに衝撃を受けた。逆に言うならば、「エバーチューン」は、あえて緩い弦を用いる奏法に新しい可能性を開くこともまた有り得るということになる。

 しかし、気をつけたいのはむしろテンションが上がった場合で、特に7弦に.060近くの太い弦を張った場合、ノーマルのチューニング下ではサドルが可動域の限界に達し、ベンド反応を抑えられなくなってしまう可能性があるということだ。そうなると巻き弦は異様な堅さで弾きにくく、1弦や2弦は張力に耐えきれなくなって切れてしまう可能性もある(公式には、各弦にかかる「エバーチューン」の最大張力の範囲は12.6kgまでとなっている。だが、細い弦を使えばそれ以下でも切れることは大いにあり得る。実際、ネックの裏には、その付加を想定してかボリュートの様なものまでついているところをみると、6弦とは比べ物にならないくらい、相当の高負荷がかかっていることが予想される)。やはり、7弦ギターの場合、特殊なリバース・ヘッド等である場合を除いては、「エバーチューン」はむしろ2音下げで使うくらいで丁度良いということになる。憶えておこう。
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[SG Dark 7 Ebony]

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04 Gibson [SG Dark 7 Ebony]

 老舗大手のGibsonからも、2016年のリミテッド・ランとして世界300台限定の24フレットSGが登場している。各ハードウェア類からフィニッシュまでを漆黒で揃えた重厚な外観と、ピックアップにSeymour Duncanの7弦用“59”(フロント)と“JB”(リア)という王道コンビによるバリバリの実践仕様に、歴史ある個体ならではの明確な主張のあるコンポーネント・バランスを見ることが出来る。

 元来、SGはヘッド角を17度に設定することで、レス・ポールよりも弦のテンションを保ちやすいとはいえ、実際にこうして7弦仕様になったモデルを手にしてみて、ミディアム・スケールとしては抜きん出た多弦仕様への適応力を有したモデルであることがひしひしと伝わってきた。やはり、グリップの握りは手を置けば自然に「指が憶えている」あの握り込みが現れ、しっかりと手に吸い付いてくる感触がある。もろにナロー・ネックというほどではないが、全体的にロック・グリップでも十分に親指がかかるように、若干ネックのカーブは緩やかに仕上げられているようにも感じた。指板はもうすっかりお馴染みになった人工樹脂の「リッチライト」。滑り具合も最適で、伝統の12インチ(304.8mm)・ラディアスと相まって、チョーキングは非常にやりやすい。

 ただ、この個体は弦のゲージに特徴があり、1〜6弦は.009〜.046と一般的だが、7弦に.059といきなりベースの2弦に迫るほどの太さの弦が張られているので、注意が必要だ。この太さの弦は、このSGの程良く緩いスケール感をもってしても親指で触るだけではミュートも楽に出来ないくらい張りが強く、ピッキングもきちんとした角度で入れてやらないと音の輪郭が乱れてしまう。上から見ても目立って飛び出ているので、ここは思い切って7弦のみをローBではなくAまでドロップしてみると……なんともこれが恐ろしいほどハマった。なんとなくネックが手前に起きる様に突っ張っていた感じがなくなり、多少緩めたくらいの方がこの弦の太さはレギュラー・チューニング下では他とよく馴染むようだ。ミュート時にもピークが7弦だけコンシールされた感じがしないのは、この「TekToid(グラファイトの一種)」のナットと、チューン“オー”マティックの高域の“渡り”の良さ故だろう。この音のディレクションは、さすがのギブソン製といったところだ。

 実際にこのモデルが7弦ドロップを意図して該当の弦ゲージをチョイスしていたかどうかはわからないが、少なくともこれはメーカーからの良質な『提案』であると考えたい。スケールにおいても、通常のペンタはもちろん、特にディミニッシュやコンビネーション・オブ・ディミニッシュ(デス・メタルやハードコア・パンク系でよく使われるおどろおどろしい音階の移動)の全てが「半音・全音……」だったり、「全音・半音……」のように完全交互になっていく並びが組めたりとメリットは意外なほど大きい。また、1ピース・マホガニー・ネック+マホガニー・ボディの丸い歪みの中にしっかりと残る低音弦の金属質なアタックを生かして、地を這う様なグラインドを奏でてやるのも、このギターのルックスにもよく合う奏法だろう。王者が導く黒き豪放のサウンド、ぜひこの機会に手にしてみてはいかがだろうか。
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[Drop Top Seven String]

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05 TOM ANDERSON [Drop Top Seven String]

 米国のハイエンド・コンポーネント・ギターの話をすれば、今や必ずその名が上がるトップ・ブランドとなったTOM ANDERSON GUITARWORKS。細部まで神経の行き届いた丁寧な組み上げと、精緻にオプティマイズされた機能性、ツボをついた実用的な音色で知られるオリジナル・ピックアップの織りなす絶妙なバランス感覚は、OEMや大量生産をやめ受注オーダー中心の製作スタイルに移って以降も益々磨きがかかっている。

 今回試奏したのは、そのブランドの顔とも言うべきDrop Top(エルボー加工に合わせてトップ材をカーブさせて重ねる技法。優れたレンジ再生能と見た目の美しさを両立できる)スタイルで仕上げられた希少な7弦モデルで、ショップ・オーダーものながら、見た目とは裏腹のその堅実な使い勝手の良さに思わず唸らされる。やはり、まずそのネックの素晴らしさを讃えるべきだろう。元々、同ブランドの握りはCシェイプに近いカーブでしかもナロー・グリックのイメージが強いが、この7弦モデルは自然な“イーブン・テーパー”でスライドもしやすく、カーブもややオーバル寄りに成形されているように感じた。当然、親指の内径への吸い付きは抜群で、ロー・フレットへの運指もほとんどストレスを感じなかった。

 そして、その鳴り……特に、5、6、7弦の材の芯を這い上がる、まざまざとした巻き弦の“喚き”は、絶妙なサチり感を伴って音を構成する外苑の天井にピッタリと張り付き、輪郭を震わせながら豪華な2次倍音を生み出してた。7弦の、ともすればどうしてもモッサリとしがちなアタックの先端もどことなくすっきりしていて、バスウッドのボディでこんなに低い弦がブライトに聴こえるなど思いもしなかったほどだ。出音自体はそれほど脚色もなく、どちらかと言えば素っ気ない部類の音なのにも関わらず、定番のアルダーとはまたひと味違った妖艶な明るさがこんなにも丁寧に引き出されているギターにはなかなかお目にかかれない。そこには、やはりこの明るさを余すところなく引き出すピックアップ──特にハムバッカー(フロントが“H1”、リアが“H3”。シングルのセンターはスタック・ハム構造の“SA”になっていた)のくっきりとした再性能も欠かせないのだろう。

 とにかく、どのフレット上でも7弦の分離がよく、ダイナミクスも十分なので、コードの美しさを味わい尽くすには最高のギターだと感じた。また、澄んだミッド・レンジの押し出しが感じられるのも特徴のひとつで、アメリカンなモダン・アンプとの相性はまた格別だ。全く耳に痛くない上に、7弦の音域はどこまでも深く広がりながら、伸び切った先にあるロー・ミッドの乾いたパンチに集約されていく。歪みも細かく、天鵞絨のような艶やかさを持ち合わせながら、音の感度は抜群。こういった音をどこからでも作り出せるバランス故に、多弦ギターでは珍しいHSHレイアウトを迷いなく堅持できるのだろう。そして、当然のように、ロック式でないトレモロでもブレは全くなく、音像は定位をきちんと保っている。正確なレイアウトが低域弦を100%コントロールする、その見事に“つじつまの合った”音質を味わいたいならばこのギターしかないだろう。
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[Misha Mansoor Juggernaut HT7]

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06 Jackson U.S.A. [Misha Mansoor Juggernaut HT7]

 米国プログレッシブ・メタル界の新勢力、ペリフェリーのギタリスト、ミーシャ・マンソーのシグネチャー・モデル「Juggernaut」、その7弦バージョン。元々ミーシャが有名な7弦ギター奏者専用のフォーラム「Sevenstring.org」で知られた存在なだけあり、そのプロデュースは現代的な多様性を考慮し、ヘビネスな“Djent(ジェント)”系だけでなく、有機的なメロディ・ラインを統合したアトモスフィア・ミュージックもカバーできるほどの滑らかなクリーンも有したギターに仕上げられている。

 まず、Bare Knuckle社製の7弦用シグネチャー・ハムバッカーのセットだが、6弦や7弦のパーカッシブな“中抜け”を抑制し、泥を掬い上げる様なじゃぶじゃぶとした歪みを力強いスクリームにまとめあげるとともに、それをムチの様に絡み付くアタックにしっかりと乗せ切ることの出来る素晴らしいモダン・セレクトであると言える。歪ませるとハジける様なパンチが高域を叩き、例え7弦のブリブリとした定位の定まらない音域の中にあっても、正しく抜けるエッジ感が常に宿るこの感触は、7弦をあまり歪ませると音が濁ると感じていたユーザーには朗報だろう。しっかりとヘッドルームの稼げるピックアップであり、突っ込みが足りないと感じることは一切ない。

 今回試したモデルはボディがメイプル・トップ仕様だったが、あまり硬い音にはならず、むしろ高域が強く欲しいタイミングにだけその材の「カン」と張ったサウンド・バランスが配されていたことに驚かされた。巻き弦を目いっぱい深いピッキングした時などが、その最も顕著な主張のひとつだろう。強く、ムチのように途切れがなく、ジューシーな音。胃壁に響く、低域の階段を一歩一歩降りる7弦特有の潜り込む様な歪みが、このギターならば心行くまで楽しむことが出来る。また、セレクターをフロント/センターのハーフに合わせたときの、両ハムの外側のシングルコイルだけが反応する奇数倍音の多い不思議な鳴り(ミーシャ本人はチャイムと例えている)も必聴だ。

 ネックは現代的な7弦としてはしっかりとした厚みが感じられ、ロック・グリップには向かないが、このギター特有の20インチ(508mm)というほとんど平らに近い指坂のラディアスと併せると、これはこれで絶妙な指の置き所になっていることがわかる。何よりもチョーキングがやりやすく、テンションのある強い弦の張りの中でも全くストレスのないまま、景気よく弦をコジってやることができた。トーン・スタック・キャンセルを装備していたり、ネックの剛性を高める“レインフォースメント・バー”を採用していたりと、きちんと機動力が偏らないように足回りをまんべんなく強化されていることも好感が持てる。最高のアグレッシブ・ドライブと個性的なクリーンの両極を振り回したいプレイヤーには、ぜひオススメしたい逸品である。
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[SD-7-24-AL-FXD] 写真:イケベ楽器店 グランディ&ジャングル

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07 SCHECTER [SD-7-24-AL-FXD]

 今や米国モデルに劣らない独自のコンセプト・ラインを持ち、国産コンポーネント・ギターの普及に大きく貢献するSCHECTER JAPAN。そのハイエンド・モデルである“EX”のイメージを継承しつつ価格を抑えた、アルダー・ボディSD-IIの7弦仕様“SD-7”。通常のロング・スケールに24フレット構成というバランス重視のスタイルに、7弦界ではもはや大定番とも言うべきHIPSHOT製ブリッジと、こちらも定番のGotohのマグナム・ロック“SG360-07 MG-T”というピッチ制御に優れた組み合わせで、テクニカル系ギタリストにはドンズバなバランスに収まるこの機体。ライブ用に押さえておきたい1本としてチェックを入れていたプレイヤーも多いのではなかろうか。

 このブランド独特の日本人に合ったネック・グリップの形──フェンダーの皮一枚薄い感じというか、とにかく「しっくりくる」感じは7弦ギターでもそのまま引き継がれている。あまりモダンに成形された感じはなく、トラディショナルな、ガツガツと手首を抉じりながら左手の親指を効かす時と効かさない時のメリハリをつけながら弾くスタイルがよく似合う。音は、アルダー特有のミッドの押し出しが、少し厚めのブラス削り出しプレートを持つブリッジの包み込む様な倍音に上手く乗って、立体感のあるフィールに仕上がっている。

 ピックアップはジャパン・カスタムの“SUPER ROCK-J”(ハムバッカー)と“MONSTER TONE-J”(シングル)のHSH構成で、従来のシリーズと同様に、どのマイクも中域に独特のクセを持っているので注意したい。基本はPAF系なのだが、思ったほど押し出しが来ずに、柔らかくふくよかなアタックがそのまま伸びると言った感じの音だ。しかし、意外に7弦の太いゲージにあるぐわんぐわんしたセンシングにピッタリの立ち上がりで、本来、6弦ギターまでのゲージではこもった様な感覚が先に立って体感しきれなかった“芯から来る”感じが上手く引き出されている気がする。縦方向に磁界の飛びにくい独特の構造を持つ“SUPER ROCK”シリーズならではの効果と言えるだろう。歪ませてもその傾向は変わらず、オープンなリード・フレーズでは確かに少し底に溜まる感じはあるものの、マッフ・ミュートとダウン・オンリーで7弦主体のパワー・コードに刻みを入れてやると、熱い塊で横っ面をぶっ飛ばされる様な、マグマの濁流のごとき疾走感を得ることが出来る。

 一方、それとは対照的に、センターの“MONSTER TONE-J”を絡めたサウンドでは、しゃきっとエッジの立った清涼感のある音質が味わえる。同ブランドのもうひとつの看板でもある「スプリット・トーン・コントロール(トーン・ノブのプッシュ/プル操作でハイ・カットとロー・カットを切り替える)」を合わせれば、かなりバリエーションの多い音作りが可能だ。ワウなどのフィルター系エフェクターとの相性も良いので、ニュアンスに限界を感じたらエフェクター主体の音作りにしても力を発揮できるレイアウトだ。全てのサウンドを十分に引き出すには太いゲージにも押されない強いピッキングが必須だが、この音を飼いならすことは7弦ギターの実用性を飛躍的に広げるに違いない。
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[Dellinger7 Prominence]

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08 Caparison [Dellinger7 Prominence]

 様々な紆余曲折を経ながらも、昨年ようやく20周年をむかえ、益々ラインナップの充実を図るCaparison Guitars。Dellinger7 Prominenceは同社の代表モデルの集合体と言った趣のギターで、平たく言えば、フラッグシップの“TAT”をボルト・オンにして、24フレット/7弦化したものがそれにあたる。ネックにはメイプルとウォルナットの5ピース構造を用い、それを独自の「M3」構造のボディのセンター材に用いているメイプル材とダイレクトにジョイントすることで、まるでスルー・ネックの様なロング・サステインと、ボルト・オン特有の歯切れの良いエッセンスを融合し、さらにピークの落ち着いたややコンプの効いた音像を獲得している。

 ピックアップには7弦ギター用のオリジナル・モデル、“PH7-n”(フロント)と“PH7-b”(リア)の2ハム・レイアウトを採用し、やはりローBチューニングを意識した、かなりロー・ミッドの解像度を高めた音質になっている。レンジ特性はそこまで広くとられているわけではないが、とにかく歪み出しが速く、アタックが沈み込んでしまうことがないので、巻き弦の剛性感を目一杯主張したいプレイヤーにはもってこいだろう。ただ、M3の特性故か、ロー・エンドとハイ・エンドはピッキングが深くなればなるほどまとまりがなくなりがちなので、その高い攻撃性がサイド材のマホガニーのパーカッシブな音の中に散ってしまうのを防ぐために、なるべく1mm以上の厚めのピックを用いてタイトに弦に触れる、「最短距離のピッキング」を心がけると良いだろう。

 ネックは厚みがあるが、お得意の非対称グリップも健在で、ストレスはほとんど無かった。しかも、グリップのロー・フレット側の両サイドがやや角張った形に成形されていることで、ロック・グリップ時の親指の基節骨(親指の場合は、第一関節と第二関節の間のこと)の引っかかりが実に良く、まさに7弦に最適化されたデザインと言えよう。フロイドローズのセッティングは、7弦ともなるとやはりフィックスド・ブリッジに比べて格段に面倒ではあるが、弾けば当然のようにその表現力は桁違いだ。7弦によるハーモニック・スクウィールはかなり強烈なサウンドなので、その恩恵を楽曲に生かしたいならばやはりこのロック式ブリッジの採用には替えられないものがある。グリップが厚いギターが好きで、アーム・プレイの優位点を最大限に引き出したいテクニカル系ギタリストには、この個体に感じるものが必ずあるはずだ。
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[Swell Serious Top Nil Pink015] 写真:MUSICLAND KEY 東京渋谷店 (本店)

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09 Nil guitars [Swell Serious Top Nil Pink015]

 2007年の楽器ショーで突如そのベールを脱ぎ、現在は7弦モデルを中心のショップ・オーダー・ライン“NANAGEN”を展開するNil Guitars。店頭で試せるモデルは限られるものの、インパクトのある外観とカラー、そして、7弦モデルとしては珍しく、ライフ・スタイルに則した普遍的なサウンド・マテリアルとしての価値を追求するコンセプトがファンに支持を受けている、少し毛色の異なるブランドだ。しかし、そのほとんど全面に押し出されることのないスペックは、かなり高度に「楽器」としての完成度を高められていることでも知られ、エモーショナルな哲学に魅了された上級プレイヤーからも安定のステージ・ギアとして信頼されるようになって久しい。

 Swell Serious Top Nil Pink015は、去年から噂のあったNil謹製初の3シングル・モデルで、そのブランド・カラーとも言うべきピンクのニュー・カラーで彩られたフラット・トップを持つ、斬新なバリエーション・モデルだ。“NANAGEN”シリーズの定番ピックアップ「MRT(Mature Real Tone)」の、HSH用に用意されていたマッシュな高域を持つことで知られるシングルを、このモデルではフロントとセンターに使用し、そして、リア用には新たに開発された専用の新シングル・ピックアップを搭載。特にその新シングルの絶妙なピーク・エッジと、7弦のズブい押し出しにも全く潰れることのない粒立ちの良い発色は、もの凄いインパクトだ。タイトというほどまとまっているわけでもなく、適度にバッシャーできらびやか、そしてなによりも“原始的”な抜け感に驚かされる。ビンテージ・レイアウトのシングルに太いゲージを合わせるのとも、多弦用に開発されたハムバッカーをタップしたのとも異なる、全く新しいフィーリングがあり、パリン!といったハイ上がりな倍音が鼓膜を叩く感じが心地良い。

 アルダー・ボディから来る盛り上がった中域にすぐに余韻を被われてしまうが、一瞬、アタックに現れる薄氷を砕く様なざわついたロールは、フェンダー系には決してない音色だ。海外製OEMのチューン“オー”マティック的ブリッジと裏通しという、3シングルではあまり見られない組み合わせも、その立ち上がりの音色に少なからず影響を与えているのだろう。丁寧に打ち出されるローBの驚くほど滑らかな歪み、そしてさらに、シングルになってより力点の収束を感じられる盤石の鋭さを持ったロー・エンドは、このモデルならではの武器になるだろう。

 また、こうしたハイブリッド且つ大胆な素養が多く見られる中で、指板のRが400mmというテクニカル系に有利な構成を持たせたレイアウトの妙にも、作者の小粋な遊び心の様なものが感じられる。フィードバック・ノイズの出方はやや気になるところもあるが、ここまでシングルと7弦の楽しさを併せ持ったキャラクターのギターは、近年では無かったように思う。個人的には、最初に出音を聴いた瞬間から、サスティナーを入れて太い空間系と絡ませるか、ほんのわずかなフェイザーと共にリアのみで豪快にクリーン・カッティングをすることで、よりその個性を鮮やかに浮き立たせることが出来ると感じた。いずれにせよ、7弦ギターを楽しむための新しいアイテムがまたここに増えたことは間違いない。そのアバンギャルドな哲学が、今後どこまで発展するのか気になるブランドだ。
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[M-SEVEN]

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10 ESP [M-SEVEN]

 数多のカスタム・オーダーで培ったノウハウを集積する、ESPの名を冠した最高峰のハンドメイド・プロダクト群。その中でも、7弦仕様に特化した“M-SEVEN”は、洗練されたデザインの中にこのブランドのギターでしか成立し得ない数々の独創的なメソッドを融合させて整えた、王道の最上位互換に君臨するハイ・クオリティ・オリジナルである。近年ではダウン・チューニングの適合スケールとして採用が相次ぐ666mmスケールを7弦ギター用に搭載することで、テンションの維持に起因するプレイアビリティと音質を両立しようとする姿勢が見て取れる。実際手に取ると、アルダー・ボディにもかかわらずネック落ちすることもなく、実に絶妙な重量配分になっているのがわかる。

 薄めのUシェイプで削り出されたメイプル・ネックは、握り込まずにベーシックなグリップで使う方が特に親指の位置が決めやすく、コンパウンド・ラディアス指板(240〜400R)への運指もスムーズに感じた。長時間弾いていても、ネックを“支えている感覚”がほとんどなく、最初から当たり前のように手の中に収まっている感覚がたまらない。この複数のマテリアルの重量や長さ、角度、組み上げの精密さのチョイスをひとつでも違えると、その黄金比には決して到達できそうもないと感じさせるほどの的確なトータル・バランスがそこにはある。音に関しても、フロイドローズのやや寸詰まりな音域と、アルダーの暴れるミドルを、ボルト・オン・ジョイントとエボニー指板が、きっちりとした輪郭に主張のある切れの良いサウンドに仕上げているのがわかる。

 そこに、さらにSeymour Duncanの’59(フロント)とDuncan Custom(リア)が加えられることによって、全体的にウォームで余韻の美しい音像を獲得できているのである。しかも、5wayのピックアップ・セレクターはただの駆動コイルの選択などではなく、ポジションの1と5がそれぞれの「シリーズ」、2と4が「パラレル」、そしてセンターだけが二つのハムバッカーそれぞれのアジャスト側にあるシングル部分だけを同時に鳴らす「スプリット」という、複雑なアッセンブリーが仕込まれている。アンプの歪みとの相性によっては7弦のダイナミクスは大きく変化するので、マスキングをハーフトーンのマイルドさで補うのか、それともダイレクトなパワー感でプッシュするのかの選択を手元で行なえるのは嬉しい。特に、ボリュームでクリーンを作るプレイヤーにとっては、出力インピーダンスが上がることによる音の曇りを抑えるのにハム・キャンセルをはずしたシリーズ接続を選べるメリットは大きいはずだ。「大人の7弦」と呼ぶに相応しい、高度なエレメントの集合体であるM-SEVENを手にすれば、7弦ギターで音を作る楽しさを本当の意味で知ることが出来るだろう。
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[E-TC-7ST]

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11 EDWARDS [E-TC-7ST]

 1977年に発売されたESP初のオリジナル・モデルのうちのひとつであるNavigator“TORROCCO”。かつて形を変え、幾度かリイシュー的なものも発売されていたが、今回はEDWARDS名義で7弦仕様となっての登場となった。マホガニーのセンター・ブロックを仕込んだセミ・ホロウ構造で、ボディは無垢の材を削り出した美しいトップとバックを持つ総メイプル仕様。さらに3ピース・メイプル・ネックをセット・ネック・ジョイントで合わせるという、明らかに高域特性と立ち上がりに特化したモデルに仕上がっていることがここからもわかる。ピックアップも、Seymour Duncan“Jazz”(フロント)&“JB”(リア)という組み合わせなので、パワーを抑えながらハイ側のレスポンスを得るのに最適だ。

 実際音を出してみると思ったよりもジューシーな鳴りで、歪みはミドルに寄っていてハイとローはかなり澄み切った倍音構成を持っていた。こういう音こそ、まさに速い運指にしっかりと着いてくる音が欲しいジャズ系のミュージシャンにとってはうってつけのサウンドと言えるだろう。未だジャズというジャンルで楽器としての選択肢になり得ていない7弦ギターの可能性を、今後追求したいと思っているプレイヤーは多いのではなかろうか? クロマティック・アプローチを繰り返しながら激しく弦間を移動する場合にも、この特にフロントでこれほど清廉としてカリッとした音を持つ7弦ギターの存在は、かなり応用が効いてくるはずだ。

 一方、リアのサウンドは意外なほど歪みの乗りがよく、歌モノのバックでウォームなサウンドを生かした裏メロを奏でたりするだけでなく、フロントマンが縦ノリのロック・ドライブを弾くのにも全く遜色のないエッジが立つ、その落差の同居が素晴らしい。ホロウ独特のクロスオーバー感が巻き弦の輪郭を多少奪うきらいはあるものの、細かいガラスの粒をぶちまける様なこの音の出方を、指板を通してビンビン感じることが出来る幸せは、ピックアップのチョイスに見られる様な現代的なサウンド・アプローチなくしては決して得られなかったものであろう。フロントでは複数のハーモニーを効かせながら柔らかく指で爪弾き、リアでははっきりとしたピッキングで鮮やかなオフセット・ドライブを奏でる……そんなプレイ・スタンスをかなえる“新しい”ホロウ7弦ギターとして、このサウンドを今後も育てていきたいものだ。
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[BODEN J7]

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12 Strandberg [BODEN J7]

 “エルゴノミクス(人間工学)”の見地から組まれる先進的な全方位ギター、StrandbergのBODENシリーズに新たに加わった、待望の国産7弦モデル。グレードはスウェーデンのカスタム・ショップの次点に当たるUSA製とほぼ同格で、材やピックアップが幅広い中から選べるUSA製に比べて、こちらは厳選されたマテリアルと精密な組み上げで勝負、といった具合か。

 とにかくまず、軽い。パーツ類を含めても2kgをわずかに上回るだけの重量しかないこのギターは、7弦モノとしてはもちろん、あらゆるギターの中でも重量削減による性能やプレイアビリティの犠牲を伴わない、真に有効な「軽量仕様」に成功した例として、すでに多くのプロ達から信頼を勝ち得ている。あまりクローズアップはされないが、採用される金属パーツのほとんどが航空機等に使用されるアルミニウムをベースに加工されていることも、その傾向を助長していることは間違いない。ヘッドレス構造、そして、日本産独自の高熱木材処理された薫製メイプルとパープルハートの5プライ・ネックでさらに剛性を高めつつ、ここにもわずかながらその質量の削減に貢献する部分が見られる。

 さらに、あの有名なコイルのないLaceの“Alumitone”ピックアップもそうだ。それらを全て合算してみると、軽くすることによって生まれた「新しいデザイン」の音の集合が、このBODENに今までに無かったベクトルの音像をもたらしているのがわかる。超ロング・サステインの中でジワリと広がる波紋のような動きをするレゾナンス、アタックのピークがロールする瞬間に入れ替わる少し毛羽立ったアンビエント、歪みのブライトさの裏で常に音の底に触ってくるサラサラとしたサチュレーション……それらは全て、以前からあったものだが、この国産BODENになってより顕著になった部分でもあるのだ。全ては偶然なのかもしれないが、そうした軽量化された材同士が持つ相性の様なものを、この日本の組み上げ技術が引き出した可能性は否定できない。素直に、既存の海外モデルよりも“良い音”になっていると言って良いだろう。7弦の再生にもよりブライトな輪郭を与えるその進化は、国産化によってもたらされた音の変化が、確かに同ブランドの目指すサウンドの延長線上にあることの証明にもなっている。

 弾きやすさに関して言えば、今ではもうStrandberg製ギターの代名詞として当たり前のように語られる「エンデュアー・ネック」(非対称台形のグリップ・トップが、ヘッド側に向かって低弦側にねじれるように移行していく握りのこと)の高い演奏性、そして、「ファンフレット」の弦振動と運指のバランスにおけるとマッチングは、やはりいつ手にしてもその機能美に感心させられる。生まれながらに多弦の科学を持ち合わせるBODENにとっては、7弦程度のサウンド・ディスタンスやアビリティに関する違いを6弦モデルのそれと比べることはすでにナンセンスなのである。他のギターには決して有り得ない「通常」の7弦、それこそがStrandbergの真髄なのかもしれない。
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[RG8527FX]

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13 Ibanez [RG8527FX]

 7弦ギターを商業ベースの市場にまで育て上げ、本格的な量産、普及に貢献したIbanez──そして、そのあまりにも有名なスティーヴ・ヴァイ・シグネチャー“UV(ユニバース)”の残した偉大な実績については、今更語る必要もないであろう。それほどまでに、現代のロック史において、このブランドの持つ7弦ギターへの愛着と積み上げられたノウハウの深さは、他のメーカーでは踏み入ることの出来ない「聖域」の威厳がある。

 RG8527FXは、今や世界中で作られるIbanezブランドのギターの中でも最高峰のクオリティの製品を揃える国産ライン「j.custom」の美しい“ツリー・オブ・ライフ”のインレイが目を惹く7弦タイプで、同社オリジナルのフィクスド・ブリッジ“Tight-End R7”により安定したピッチを維持する堅実な仕様が売りのモデルだ。Tight-Endシリーズのブリッジは、重量のあるベース・プレートにしっかりと固定される一体型サドルによって、ロスのない弦振動をボディに余すところなく伝えることができ、メイプル・トップにダイレクトに伝わる情報量において、ローB弦のテンションがある程度あっても当たり前のように出力が安定しているのは非常に助かる。このモデルを弾くと、いかに近代的仕様で固めたモデルであれ、他社のギターはこの基礎中の基礎である太弦の根本的なパワー不足に対してはまだまだ詰めが甘いことがよくわかる。

 RG8527FXは、コード感を強調するアルペジオや、ボリュームを絞ってクリーンにした際に、ひとつのピックアップから生まれるサウンドに不自然な力の偏りが全くないのである。特にこのギターのようにメイプル・トップ+マホガニー・バックというボディ・マテリアルとPAF系ピックアップ(RG8527FXではDiMarzio PAF 7ハムバッカーを2基搭載)で組まれたギターの乾いたミドルを持つプレーン・サウンドを必要とするプレイヤーにとって、この部分へのこだわりはギターそのものの価値を決定するほど大きな素養だろう。

 気になる操作性においては、ブランド特有の薄いネックと430mmのRを持つ平らな指板は、むしろその仕様が7弦全てを平均的に扱うこういったギターに搭載されると、むしろ6弦のモデルの時よりも断然自然に受け入れられるから不思議だ。このグリップならば、あまり握りを極端にせず、6弦の後ろに親指を添える「中間グリップ」を意識してやると、より幅広いプレイが可能になるだろう。もちろん、スベリの良い手触りをもたらすネック裏の「Velvetouch」フィニッシュや、フレット・エッジの優しく丸みを帯びた「球面カスタム・トリートメント処理」もその弾きやすさと無関係ではないだろう。総合的なボディ剛性はそのままに、テクニカルな素養と放埒なビンテージ・トーンを両立する恐るべき高みに到達した7弦ギターがここにある。今や、“RG”をメタル専用機と切り捨てる時代はとっくの昔に終わっていたようだ。7弦ギターの原点であり現在地でもあるIbanezが、次の時代に向けて掘り下げるその「オーセンティック・トーン7弦ギター」の実力……伝統的ギター・サウンドを愛するプレイヤーにこそ、ぜひ体感して欲しいものである。
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[EEL-DE-7] 写真:フジゲンカスタムハウス

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14 FgN(FUJIGEN) [EEL-DE-7]

 日本のギター産業界を牽引してきたフジゲンの、現行フラッグシップである“EXPERT”ライン。その中でも、24フレット/ロング・スケールのネックをセット・ネックで組み、スピード感と攻撃性を両立させた7弦モデルがこのEXPERT ELAN EEL-DE-7だ。

 ネックはメイプルの間に収縮の少ないウェンジ材を挟み込んだ5プライ構造で、余韻はそれほどでもないが、ハイ・ミッドを力強く持ち上げるダイレクト感は素晴らしく、ピックが弦に触れた瞬間に生まれる硬質なエッジが、左手のグリップ越しにはっきりと感じられるほどだった。それをSeymour Duncanのハイ・パワーなアクティブ・ピックアップ“Blackout(Phase2)”のバリッとした暴れ感がうまく取り込んで、かなりアグレッシブなトーンを構成している。それでもバランスがピーキーになり過ぎないのは、ボディの高台タイプのアーチを形成するメイプル・トップが、チューン“オー”マティック・タイプのブリッジから生まれるオープンな発声の先端部分にだけほんの少し“蓋をする”感覚があるからで、その絶妙なセンシングを生かして目一杯7弦のフィードにギリギリ制御可能なキレを与える精密なマテリアル・チューニングは、フジゲンならではのハイレベルな仕事を伺わせる。その傾向はハイゲインなアンプで歪ませるとさらに顕著で、ハムバッカーではダマになりがちな6弦や7弦のヒープな領域のある分厚い歪みに対しても、よく「太さ」としてごまかされがちな襟足の長い表膜を剥ぐように、その芯に宿るフォーカスの効いたガッツを引っ張り上げてくれる。

 しかも、こういった多弦ギターで、巻き弦にばかり注目していて忘れがちになる3弦特有の“ゆるみ”に伴うぼやけ感に関しても同様の補正効果が期待でき、スケールで弾く時の音の波打ちに歯止めをかけ、現代アンプの過剰とも言えるブライトな倍音に負けないクールなタイトさを常にタッチの一部に残すことができるのである。この音の構成こそ、EMGレイアウトにしただけで“パワー系”とのたまっていた数多くの他社モデルとは一線を画す、本当の意味でエレキ・ギターに「力の開放」をもたらす技術なのだろう。

 また、フジゲンの「サークル・フレッティング・システム(C.F.S)」は、特にオクターブ・チューニングの乱れを助長しがちな指板の広い7弦ギターにおいて有利な側面が多く、そこから生まれる正確な音程がもたらす澱みの無さも、このギターの迷いのないストレートな音色に一役買っているに違いない。薄めに仕上げられた左右非対称グリップはもちろんのこと、裏通しも選択できるブラス製オリジナル2wayテイルピース“FJTP-7”などのハードウェアにも、弾きやすさを決しておろそかにしない一貫した哲学を見ることが出来る。真っ当なギターを作ろうと工夫を重ねてきた歴史あるメーカー、フジゲンの、「世界基準」が提案する力強いモダン・ギターの貌(かたち)に、倭のギターの底力を見る。
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[Solution R7 ASH]

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15 Crews Maniac Sound [Solution R7 ASH]

 クルーズで人気のリバース・ヘッド7弦モデル、Solution R7のグループには、アルダー・ボディのSolution R7、マホガニー・ボディのSolution R7-HDSに加え、芸術的なセンター・ブックマッチのアッシュ・ボディを持つSolution R7-AHSがあるのをご存知だろうか? 独特のソリッドな張りつめたミッドに少し心地良い余韻を呼び起こす有機的なアタックが印象的なアッシュ材だが、意外なことに7弦ギター界ではバスウッドの方が主流で、ここまで見事な材を用いたアッシュ7弦ギターはあまりお目にかかれないのが現状だ。それは、アッシュ独特の“先割れ”する音色が、少しトーンを絞るとボコボコとしたパントに変換されてしまう7弦の立ち上がりに対してあまり相性が良くないことがあげられるが、その間を取り持つように開発されたこのモデル専用の新型オリジナル・ピックアップが、そのジレンマを全て取り払ってくれている。

 フロントのハムバッカー“CL-7”は、ナローなマット感が切ない響きを呼び起こす典型的なロー・パワー・モデルで、わずかな歪みを乗せてやるとまろやかな歪みがいんいんと絡み付くようにひしり上げて、素晴らしいビンテージ・トーンを聴かせてくれる。ローBの太弦にもきちんと教科書通りにクリアな芯を埋め込み、レスポンスで6弦以下の弦に劣ることのない“速さ”を追加できるのがミソだ。強く歪ませると多少アッシュ的な粗いピークが現れるが、ピッキングさえしっかりしていれば芯が潰れてしまうこともなく、ガッツリとハンド・ビブラートを効かせたブルースのリードに赤銅の香りのする夕暮れのサウンドを心地良く響かせることが出来る。

 一方で、リアの“DG-7”は広角なレゾナンスがワイルドなバイト感を拾い上げるちょっと個性的なピックアップで、倍音は凄く派手なのにパワーはそれほど感じない。否、むしろ真空管のサグのような荒っぽい下降感があり、近年のモダンな張りつめた音質とは一線を画すキャラクターだ。スピード感がないわけではないので弦への反応そのものは悪くないが、なにせ、アタック直後にピークが反転して下を向いてしまうため、透明感とは全く無縁の音質になっている。しかし、これがまたボディのアッシュの身の詰まった音色と合わさると、途端に“汗っかき”なサウンドに化けるから素晴らしい。7弦から垂直に叩き付ける様な熱いカッティングで鳴らしてやると、生命感にあふれた骨太な音質が放たれる。たったひとつのスポットにしか現れない“気持ち良い音”だけを、求め過ぎることもなく、材の導くままに只ありのまま磨き上げたクルーズの7弦。これこそが新しい世代の多弦ギターに必要な「甘露」の響きなのだろう。
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エピローグ

『7弦エレキ・ギター』、いかがだったろうか?

 一昔前までは、7弦ギターをはじめとした多弦ギターのピックアップはろくなものがなく、半分諦めにも似た思いで、消去法としてEMGを選択する場合が多かった。しかし、今のこのバリエーションの多さ、音の多彩さ、サイズ、規格……もはや標準以上の音を欲するだけならば逆に選ぶのに迷うほど、そこには素晴らしい音のモデルが溢れている。しかも、今回リサーチしてわかったのは、国内で手に入る多くの7弦モデルが、中堅以上のクオリティを備えたモデルとしてラインナップされているという現実だ。

 市場が活性化してきているとはいえ6弦モデルに比べるとまだまだ普及が十分と言えない7弦タイプは、必然的に中級者以上のニーズを満たすレベルの製品になり、本数の少なさからハンドメイドで組み上げられ、調整も手作業で行なわれるパターンがほとんどだ。つまり、今ならば、市販品とはいえ、6弦モデルよりもハズレを引く確立が圧倒的に低いジャンルなのである。ユーザーからすれば、これは「選びたい放題」ということだ。しかも、過渡期特有の高品位な材を標準的に使用するパターンも増えてきており、今が購入に最も適した時期であるようにも思える。

 多弦ギターの話をすればキリがないのだが、探せばけっこう8弦や9弦のギターもみつかる。近年でも、某大手メーカーの邦人エンジニアが10弦モデルを作ったなどという話もあり、益々市場は華やかになってきている。「一家に1台多弦ギター」の時代も、もうすぐそこの様な気がするのは私だけだろうか?

 ちなみに、世の中には弦の少ないギターもある。キース・リチャーズがゼマイティスに作らせた5弦のマカブラ等が有名だ。最近では、Eastwood Guitarsがウォーレン・エリスのシグネチャー・モデルとして出した4弦テナー(テノール)・ギターのエレキ版の様なタイプも記憶に新しい。

 弦が増えても減っても同じ「ギター」。今後その可能性がどこまで広がっていくのか、ぜひこの先も見届けてみたいものである。

 それでは、次回、6/8(水)公開の『Dr.Dの機材ラビリンス』もお楽しみに。

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製品情報

7弦エレクトリック・ギター

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プロフィール

今井 靖(いまい・やすし)
フリーライター。数々のスタジオや楽器店での勤務を経て、フロリダへ単身レコーディング・エンジニア修行を敢行。帰国後、ギター・システムの製作請負やスタジオ・プランナーとして従事する一方、自ら立ち上げた海外向けインディーズ・レーベルの代表に就任。上京後は、現場で培った楽器、機材全般の知識を生かして、プロ音楽ライターとして独立。徹底した現場主義、実践主義に基づいて書かれる文章の説得力は高い評価を受けている。

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