使用アンプ：マーシャルJVM410H（ヘッド）＋1960AV（キャビネット）
使用シールド：ギブソンInstrument Cable

ギター＆ボーカルに人気のLes Paul Special

　レス・ポール・スペシャルは、1954年に発表されたレス・ポール・ジュニアの上位機種として、翌55年にデビューしました。トップがフラットなマホガニー・ボディとマホガニー・ネックの組み合わせにP-90ピックアップ、バー・ブリッジという仕様はジュニアと同様ですが、ピックアップが2基搭載され、それぞれにボリュームとトーンが付いて音のバリエーションが広くなっています。

　レス・ポール・スペシャルの魅力は、マホ・ボディのストレートな鳴りとP-90が生み出す、ミドルが豊かで粘りがありつつ、高域のキレも良い独自のサウンド！　加えて軽量ゆえの取り回しの良さ、ルックスの良さから多くのギタリスト＆ボーカリストの支持を得ています。例えば、奥田民生、藤原基央（BUMP OF CHICKEN）、真島昌利（クロマニヨンズ）、山口隆（サンボマスター）など日本の音楽シーンを支える錚々たるミュージシャンが使用し、彼らを聴いて育った若いプレイヤーからも人気となっています。一方では、レゲエの神様ボブ・マーリーや日本のジャズ／フュージョン・シーンのトップ・プレイヤーである渡辺香津美の愛器としても有名であり、このことから実はジャンルを問わず使えるギターだとわかるはずです。

ホワイト・ボタンのギブソン・デラックス

ネック・ジョイント部

メタル製ジャック・プレート

　Gibson USA Les Paul Special 2016 Japan Proprietaryは、レス・ポール・スペシャルの魅力を今に伝える日本限定モデル。基本的な仕様はレス・ポール・スペシャルの王道であるマホガニー・ボディ＆ネックにローズウッド指板を採用、ソープバー・タイプのP-90×2基とバー・ブリッジを搭載しています。細かいところではホワイト・ボタンのチューナーを採用している点も、ファンには堪らないポイントでしょう！

マホ・ボディ＆P-90ならではのマジック

　試奏では、まず軽いクランチ程度の歪みでsus4を使った明るい和音を弾いてみました。こういうプレイで音が重くなり過ぎず、軽やかに響くのがレス・ポール・スペシャルの良いところです。J-POPシーンで人気なのもよくわかります。少し歪みを深くすると、途端に特有の粘りが出てくるのはマホ・ボディ＆P-90ならではのマジックですね。反対に、どクリーンでは各弦のアタックにプリッとしたニュアンスが加わり、なんとも言えない心地良さを味わうことができます。非常にシンプルな作りでありながら、実に幅広いトーン・ニュアンスを持っているギターだと感じました。

　バー・ブリッジということでピッチや右手のミュートが気になるという方もいるかもしれませんが、筆者は弾いていてどちらもまったく問題なく、気持ち良く演奏できました。長めのストラップでギター／ボーカルの方が持ったら、ルックス的にも最高だと思います。ステージに持ち出して、ガンガン弾いてほしい1本です。

※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは5月27日（金）を予定。