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  • 週刊ギブソン Weekly Gibson〜第108回

パワーとバランスに優れた元祖変形ギター、エクスプローラー2016 T

Gibson USA / Explorer 2016 T

  • 実演・文:井戸沼尚也 動画撮影:編集部 写真撮影:八島崇 録音協力:加藤和彦(オンキヨー) 映像編集:熊谷和樹 取材協力:Gibson Brands Showroom TOKYO

有名どころではエリック・クラプトンやU2のジ・エッジ、レーナード・スキナードのアレン・コリンズなど、多くのロック・ギタリストを虜にしてきたエクスプローラー。今週はギブソン変型ギターのオリジンで、ギブソンUSA最新版モデルとなるExplorer 2016 Tをご紹介します。実はバランス抜群の本器の魅力を、改めてご堪能ください。

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使用アンプ:マーシャルJVM410H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソンInstrument Cable

Explorer ──“早過ぎたギター”からロックを象徴するモデルへ

 1958年、先鋭的なエレクトリック・ギターとしてギブソンがフライングVとともに世に送り出したモデルが、エクスプローラーです。それまでのエレクトリック・ギターのデザインからは考えられない直線的なフォルムは、リリース当時はあまりにも早過ぎたのでしょう。ごくわずかな数を生産したのみで一旦生産は終了します。時代がエクスプローラーに追いついたのは1970年代になってから。ロックがよりハードなサウンドになる中で、ステージで映えるエクスプローラーが見直され、ギブソンは生産を再開します。それ以降、エクスプローラーはハードロック・ギタリストの絶大な支持を受けつつ、エリック・クラプトンやジ・エッジのようにハード・ロック以外の幅広いプレイヤーからも愛され、今ではロックそのものを象徴する1本として認められています。

ミニ・グローバーを搭載する

オープン・ハムバッカーを採用

直線配列のコントロール・キャビティ

 ギブソンUSA がリリースする最新のエクスプローラーは、他の2016年モデルと同様に先進機能を持つ2016 HP(High Performance)と、伝統的かつシンプルな仕様の2016 T(Traditional)の2種類です。今回紹介するExplorer 2016 T は、マホガニー・ボディ、マホガニー・ネック、ローズウッド指板という材構成で、ピックアップには496Rと500Tを、チューナーにはミニ・グローバーを搭載しています。トラディショナル・モデルの名の通り、オーソドックスかつシンプルな仕様ではありますが、ロックするために必要な要素を十分に持ったギターと言えるでしょう。

パワフルPUとスリム・ネックの“ロックのためのギター”

 エクスプローラーは“変形ギター”と言われていますが、実際に手にしてみるとバランスが良く、大きなボディに右肘が乗って安定することに気づくはずです。サウンドについては、マホガニー材とホットなセラミック・ピックアップの組み合わせによる太くパワフルなサウンドが持ち味。歪みとの相性は抜群で、アンプやペダルのゲインを普段のセッティングよりも深めにして弾きたくなります。また、歪みの乗りが良いだけでなく他のエフェクトとの相性も良いので、空間系を多用するジ・エッジのファンにはやはりオススメです。

 ネックは60’sスリムテーパーという薄めのグリップを採用しており、あまり手が大きくない多くの日本人ギタリストにとって弾きやすいギターだと言えるでしょう。しっかりと指を立てて弾くテクニカルなギタリストにとっても、フィンガリングしやすいはずです。パワフルなPU、多くの人にとって弾きやすいスリムなネック、そしてステージ映えするボディ・シェイプ。Explorer 2016 Tは、まさにロックするために生まれてきたギターと言っても過言ではないでしょう。


※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは7月1日(金)を予定。

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製品情報

Gibson USA / Explorer 2016 T

価格:¥176,000 (税別)

【スペック】
■ボディ:マホガニー ■指板:ローズウッド ■ネック:マホガニー ■ピックアップ:496R(フロント)、500T(リア) ■コントロール:2ボリューム/1マスター・トーン/3ウェイ・トグル・スイッチ ■フィニッシュ:チェリー(写真)、エボニー
【問い合わせ】
ギブソン・ジャパン http://www.gibson.com/
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