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  • メタル的ハイゲインからブティック・アンプ系のクリーン〜クランチを両立できる1台!

Mad Professor / New Sweet Honey Overdrive Deluxe

Mad Professor / New Sweet Honey Overdrive Deluxe

  • 試奏・解説・文・動画撮影&編集:Godspeed/青木征洋
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 Mad ProfessorのSweet Honey Overdrive(以下「通常版」)と言えばそのレスポンスの良さで有名ですが、今回はそのデラックス・バージョンであるNew Sweet Honey Overdrive Deluxe(以下「デラックス」)をご紹介します。

 このデラックスは、簡単に言うと「携帯できる高級アンプ」といったところでしょうか。それほどまでにギター・アンプに近い特性です。まずは通常版と共通する特徴を2点紹介して、その後に今作でアップデートされた2つのポイントに触れていきたいと思います。

共通点その1:歪みの量をピッキングのアタックでコントロールできる
 リードを弾くギタリストにとってピッキング・ニュアンスがちゃんと表現できるかは死活問題です。通常版、デラックス共にその点は見事にクリアしており、特にタッチを抑えた際のクリーンの透明感が素晴らしいです。

共通点その2:FOCUSノブ
 FOCUSノブは回路の歪みやすさや全体的な明るさ、EQをコントロールするもので、左に回せば歪みが少なくメロウに、右に回せば若干のトレブル・ブーストがかかり歪みやすくなります。ピックアップのキャラクターやアンプのパワー部の歪み方によってペダルに求められる歪み方は変わって来ますが、このFOCUSノブがあることで前後の機材環境に対する柔軟性が生まれています。

アップデートされた点その1:TREBLEとBASSのEQ
 筐体を見れば一目瞭然ですが、新たにTREBLEとBASSのトーン・コントロールが加えられたことで、より柔軟に歪みをデザインできるようになりました。ちなみにTREBLEは歪み回路の後に設置されていますが、BASSは歪み回路の前にあります。そのため、BASSを弄ることで低域〜中低域の歪み方をコントロールすることができます。これもまた、ピックアップの構成やキャラクターへの対応力を高めてくれている要素でしょう。

アップデートされた点その2:歪みのキャラクター
 共通点もありますが、デラックス・バージョンとなったことで意外なほどにペダルのキャラクターが変わっています。通常版はミッドに音が集中して扱いやすい印象でしたが、デラックスは上下に周波数レンジが広がって、よりジャリッとした音になっています。とてもナチュラルで良い意味でペダルっぽくない音です。恐らく通常版の方が「本来ギターがいるべき帯域」に音がまとまりそうですが、デラックスはハイゲイン・アンプの手前に置くことで「メタルに使えるハイゲインとブティック・アンプ系の生々しいクリーン〜クランチの両立」という無理難題が、1台で解決できそうだなと感じました。

 クリーンのアンプに繋いでローゲインからミッドゲインの歪みを作ることを想定してレビューしてきましたが、歪んでいるアンプの前に入れても自然なブーストが得られます。TS系を使った時のようなミッドに寄ったトーン・ブーストとは違い、音の密度だけが綺麗に高まっていきます。アンプの中の歪み回路が一段増えるような印象です。

 アンプ直が好きな人ほどハマりそうなこのNew Sweet Honey Overdrive Deluxe、ぜひ試してみて下さい。

Mad Professor / New Sweet Honey Overdrive Deluxe

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ギター・マガジン2016年8月号 リットーミュージック刊『ギター・マガジン2016年8月号』の連載「The Deep and Deep」では、キュウソネコカミのオカザワカズマ氏を試奏者に迎え、本稿とは違った角度でNew Sweet Honey Overdrive Deluxeのサウンド、魅力をインプレッションしています。他にも“1”やNew Deep Blue Delayなど人気の高い5モデルの試奏インプレッションに加え、ブランド/機材解説など読み応え十分。ぜひこちらもチェックを!

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製品情報

Mad Professor / New Sweet Honey Overdrive Deluxe

価格:¥29,000 (税別)

【スペック】
●コントロール:ボリューム、ドライブ、ベース、トレブル、フォーカス、電源オン/オフ・スイッチ ●入出力端子:インプット、アウトプット ●電源:9〜18VDC、9V電池 ●サイズ:69(W)× 111(D)× 50(H)mm ●重量:285g
【問い合わせ】
LEPインターナショナル TEL:0198-23-6600 http://lepintl.jimdo.com/
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Mad Professor / New Sweet Honey Overdrive

価格:¥28,000 (税別)

【スペック】
●コントロール:ボリューム、ドライブ、フォーカス、電源オン/オフ・スイッチ ●入出力端子:インプット、アウトプット ●電源:9〜18VDC、9V電池 ●サイズ:69(W)× 111(D)× 50(H)mm ●重量:265g
【問い合わせ】
LEPインターナショナル TEL:0198-23-6600 http://lepintl.jimdo.com/
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プロフィール

Godspeed/青木征洋(ゴッドスピード/あおき・まさひろ)
東京大学工学部卒。2005年にギターインストの流布を目的とした「G5 Project」を開始。4thアルバム「G5 2013」ではオリコンCDアルバムデイリーチャート8位にランクイン。2008年にカプコンに入社し、戦国BASARAシリーズ音楽制作を担当。2014年に同社を退社した後は自身の音楽レーベルViViXとしての活動を本格化させる一方で、ストリートファイターVの作曲を担当する等、ゲームコンポーザーとしてもグローバルに存在をアピールしている。2016年4月に新世代のギター・インスト・プロジェクト「G.O.D.」としてリリースするアルバム「G.O.D.111」の収録曲がKONAMIの音楽ゲームGITADORA Tri-Boostに収録されるなど、音楽ゲームにも活動の場を広げている。
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