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  • 憧れの歴代マーシャル・サウンドがこれ1台で思う存分楽しめる!

JUON meets Marshall CODE

Marshall / CODE

  • 取材:小林弘昂(ギター・マガジン編集部) 機材解説:関口真一郎 撮影:星野俊 動画撮影・録音:森田良紀 動画編集:瀬戸和幸(ノア・ノア)

マーシャルが歴代の名機の数々をモデリングしたCODEシリーズ。これは同社初となるフル・デジタル・アンプで、今では手に入れることが難しくなったJTMなどのビンテージ・アンプから、リハーサル・スタジオやライブハウスの定番JVM&JCMシリーズまで、さまざまなマーシャル・サウンドを完全網羅。しかも無料のアプリ“Marshall GATEWAY”をダウンロードすれば、iPhoneやiPadなどのデバイスからも操作が可能になるという現代的仕様になっている。今回は普段からマーシャル・アンプを愛用しているJUONを試奏者に迎え、その実力を徹底チェック!

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マーシャル最新モデリング・アンプを弾き倒す!〜JUON meets Marshall CODE

歴代のマーシャル名機をモデリングしたデジタル・アンプが堂々完成!

 2010年にデジタル・プリアンプとEL34管のパワー・アンプを組み合わせたJMD-1を発表したマーシャルから、ついに同社初となるフル・デジタル・アンプ、CODEがデビューした。本機はJMD-1の設計も手がけたプラグイン・ソフト・メーカーのsoftube社と共同開発したもので、歴代のマーシャルの名機を1台にまとめたファン待望のモデルに仕上がっている。プリアンプ・モデルは14タイプ、パワー・アンプ・モデルは4タイプ、キャビネット・モデルは8タイプ。そしてエフェクトは24種類を搭載しており、5つまで同時使用が可能。上書き可能なプリセットは100パターン用意されている点も注目だ。

 本体のコントロール・パネルで音量やイコライジングの調整、プリセットの呼び出しなどができるようになっているが、CODE最大の特徴はiOS、Androidデバイスで操作できるということ。これにより、ほかのCODEユーザーとプリセットを共有できたり、音源をデバイスから流してジャム・セッションが楽しめたりするというわけだ。iPhoneなどを持っている人は、試しに無料配布されている専用アプリ“Marshall GATEWAY”をインストールしてみよう。本体のコントロール・パネルをいじるよりも圧倒的に操作が楽で、細かく音を作り込めるようになっている。

Marshall CODE25 / 価格:オープン・プライス(市場想定価格:23,500円前後)

コントロール・パネルにはヘッドフォンやUSB端子も備える。

無料アプリ“Marshall GATEWAY”のコントロール画面。簡単に設定を変更できるので、直感的な操作を実現する。

Specifications:
●出力:25W ●コントロール:マスター、プリセット(エディット)、ボリューム、トレブル、ミドル、ベース、ゲイン、プリ・エフェクト、アンプ、モジュレーション、 ディレイ、リバーブ、パワー・アンプ、キャビネット、エグジット/ストア ●入出力端子:インプット、フットスイッチ、ヘッドフォン、USB、オーディオ ●スピーカー:10インチ ●外形寸法:350(W)×340(D)×215(D)mm ●重量:6.1kg

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 さて、肝心のサウンドだが、思わずニヤリとしてしまうほど音がリアルだ。本機は正真正銘のマーシャル・アンプなので、ほかのモデリング・アンプとは違ってJTM45やJCM800など、アンプ・モデル名がそのものズバリのサウンドで鳴っており、音作りもしやすくなっている。また、搭載されたスピーカーもポイントのひとつだ。近年のモデリング・アンプではモデリング再生能力を高めるために音楽再生用のフル・レンジ・スピーカーを採用しているものが多いが、本機にはギター・アンプ用の10インチ・スピーカーを1発搭載。ギター・アンプならではの迫力あるトーンが得られるようになっている。“歴代のマーシャル・サウンドをひととおり体感してみたい”というビギナーから、マーシャル・アンプを知り尽くしたヘヴィ・ユーザーまで、ぜひチェックしてもらいたい1台だ。

JUON's comment

「どのモデリングも本物そっくりで、一発弾いただけで“その音”ってわかります」

 お〜、すごくいい音! どのモデリングも本物そっくりで、ブルースブレイカーとかJCM2000のリード・チャンネルとか、一発弾いただけで“その音”ってわかります。しかもイコライジングの効きがいいから、けっこう細かく音作りができますね。それから、マーシャル・アンプはトレブルが強いから、シングルコイルのギターを使う時にギター側のボリュームを少し絞ると良い音になるんですけど、これも同じように効くんですよ。そういうところまでちゃんと再現されていて、本物のアンプっぽいです。たぶんそこまでしないと普通のモデリング・アンプになっちゃうんでしょうね。これを作る意味がないというか。このCODE25はコンパクトで軽いから家に置いても場所を取らないし、小さなライブハウスに持って行くのにはバッチリだと思います! 値段もこのクオリティじゃ考えられないくらい安いから、これは売れるんじゃないですか(笑)?

50W、100W、そしてスタック・タイプも発売予定!

 CODEには今回メインで紹介した25WコンボのCODE25のほか、50WコンボのCODE50(写真)、100WコンボのCODE100、100WヘッドのCODE100H、専用キャビネットのCODE412の全5機種がラインナップ予定(CODE25、CODE50以外は2016年冬以降に発売予定)。どの機種も基本機能は同じで、iOS、Androidデバイスでコントロールすることが可能。こちらのCODE50には12インチ・スピーカーが1発搭載されており、CODE25に比べるとスピーカーの口径やキャビネットが大きい分、音圧が大きく感じられる。また、液晶パネルのサイズが大きくて見やすいのもポイントだ。CODE25は自宅練習向け、CODE50ならスタジオ練習から小規模なライブまでカバーできるだろう。

Marshall CODE50 / 価格:オープン・プライス(市場想定価格:31,000円前後)

CODE50のコントロール・パネル。CODE25よりも液晶が大きくて見やすいため、操作が楽に行なえるだろう。

Specifications:
●出力:50W ●コントロール:マスター、ボリューム、トレブル、ミドル、ベース、ゲイン、プリ・エフェクト、アンプ、モジュレーション、ディレイ、リバーブ、パワー・アンプ、キャビネット、エグジット/ストア、プリセット、エディット ●入出力端子:インプット、フットスイッチ、ヘッドフォン、USB、オーディオ ●スピーカー:12インチ ●外形寸法:530(W)×440(D)×280(D)mm ●重量:13kg

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総評

「CODEには“本物のアンプの音を知ってほしい”っていう
意思が詰まっているのかなって思いました」

 今日はCODE25とCODE50のふたつを弾かせてもらったんですけど、どちらも本物のマーシャル・アンプをしっかり再現していますね。今はいろんなメーカーからモデリング・アンプが出ていますけど、CODEには“本物のアンプの音を知ってほしい”っていう意思が詰まっているのかなって思いました。意外とマーシャルのアンプってトレブルが強すぎたりして、扱いづらかったりするんですよ。で、“その扱いにくい部分をどう使いこなしていくのか”っていうのがおもしろいところなんですけど、そういう“ちょっとしたコントロールの難しさ”もちゃんと再現されているのが、僕としては魅力だなと思います。“普通に良い音”で終わらないところですね。

 アプリを使えばアンプやエフェクトの設定を変えられるのもいいですね。すごくわかりやすいです。エフェクターってどういじればいいのか悩んじゃうんですけど、アプリでコントロール画面を出すとツマミの役割がわかりやすいから、直感的にいろんなことにチャレンジできるなって思いました。そしてこれはルックスもいいですよ。足下のコンパクト・エフェクターじゃなくてiPadとかのデバイスをいじるので、ライブの時とかは視覚的にも“あっ、画面を押して音が変わった”とか、お客さんはおもしろいと思います。自分でいじるのもいいけど、パートナーを見つけてその人に操作してもらうっていう新しいスタイルができるかも(笑)。

 せっかくこんなに良いアンプを安く買えるんだったら、これをきっかけに“本物のアンプってどんな音だろう?”という逆の旅をしてみるのもいいかもしれないですね。例えば最初にCODEでJCM800の音を聴いておいて、そのあと楽器屋さんに本物のJCM800を弾きに行って“ああ、そうなんだ!”って気づいていくという。これは今の時代だからできることですよね。やっぱり“こういう音があるんだ”っていうのを覚えてから、自分の描く音楽に対して音をチョイスしていくことが大事だと思うんですよ。こういういろんな音を教えてくれるアンプがそばにいてくれるのはすごく恵まれていることなんじゃないかなって僕自身も思いますし、これからまたCODEに新しいことを勉強させてもらいます。

本記事はギター・マガジン2016年10月号にも掲載されています

ギター・マガジン2016年9月号 本記事はリットーミュージック刊『ギター・マガジン2016年10月号』の特集「マーシャル CODE 歴代のマーシャル名機をモデリングしたデジタル・アンプが堂々完成!」を転載しています。

【ギター・マガジン2016年10月号 内容紹介】
表紙:1964年製ギブソンSGカスタム
■Special Program
永久保存版 トガッていこうぜ! SG宣言!!!
■Special Program
Guitar Hero's Feast!!! Act.3 CD連動 ROLLY×田渕ひさ子
■フェンダー・マーケティング担当が語るGMテレキャスター“マンハッタン”の魅力
■GM WORKSHOP
高田漣のスライド・シネマ・パラダイス~ボトルネックで楽しむ映画音楽の世界
■Interview&Gear
MIYAVI
■Guitar Magazine Championship vol.9
第一次審査通過者発表!!

and more...
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製品情報

Marshall / CODE25

価格:オープン

【スペック】
●出力:25W ●コントロール:マスター、プリセット(エディット)、ボリューム、トレブル、ミドル、ベース、ゲイン、プリ・エフェクト、アンプ、モジュレーション、 ディレイ、リバーブ、パワー・アンプ、キャビネット、エグジット/ストア ●入出力端子:インプット、フットスイッチ、ヘッドフォン、USB、オーディオ ●スピーカー:10インチ ●外形寸法:350(W)×340(D)×215(D)mm ●重量:6.1kg
【問い合わせ】
株式会社ヤマハミュージックジャパン TEL:0570-056-808 http://www.marshallamps.jp/
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Marshall / CODE50

価格:オープン

【スペック】
●出力:50W ●コントロール:マスター、ボリューム、トレブル、ミドル、ベース、ゲイン、プリ・エフェクト、アンプ、モジュレーション、ディレイ、リバーブ、パワー・アンプ、キャビネット、エグジット/ストア、プリセット、エディット ●入出力端子:インプット、フットスイッチ、ヘッドフォン、USB、オーディオ ●スピーカー:12インチ ●外形寸法:530(W)×440(D)×280(D)mm ●重量:13kg
【問い合わせ】
株式会社ヤマハミュージックジャパン TEL:0570-056-808 http://www.marshallamps.jp/
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プロフィール

JUON(じゅおん)
1985年3月8日生まれ、沖縄県出身。2003年にロック・バンドFUZZY CONTROLを結成し、6枚のフル・アルバムを発表。現在はDREAMS COME TRUEや稲葉浩志のサポート・ワークのほか、今年5月にはダンス・ミュージックの要素を取り入れたソロ・アルバム『CHANGE THE GAME』をリリースするなど、ロックの枠にとらわれない自由なギター・スタイルで活躍中。
Album『CHANGE THE GAME』ユニバーサル UMCK-1539

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