特殊フィニッシュが強烈なインパクトを放つ、ドイツ・メイドのハイエンド・モデル

　ボディ・シェイプからヘッドに至るまで独自のデザインを踏襲した美しいフォルムで知られるベース・ブランドのリッター。同社は拠点を構えるドイツらしく、緻密な楽器製作技術をフルに生かし、クラシック楽器とエレクトリック・ベースを融合させたような斬新な楽器生産で知られるハンドメイド・メーカーだ。このCoraはフェンダー・ジャズ・ベースのサウンドを再解釈したモデルで、同社のラインナップにおいても比較的スタンダードなのはずだが……今回は特殊なボディ・フィニッシュでNAMM SHOW 2013の話題をさらったワンオフ・モデルとのこと。その魅力を紹介していこう。

　本器の魅力は何といってもボディとヘッドに施されたFutura Frostedというフィニッシュ。金属箔の上に浮き出た、色彩豊かなクリア・フィニッシュが何とも美しい。Coraを含めて同社のボディは、基本的にカーヴド・トップで仕上げられているが、本器は塗装を重視してかフラット・トップを採用している点からも本器が特別仕様であることが分かる。エレクトロニクス部分に目を向けると、ピックアップにはスリムに仕上げたオリジナルのハムバッカーをフロントとリアで別角度にスラントしてマウント。18Vで駆動させるプリアンプもオリジナルで、アクティブ／パッシブの切り替えに加えて3バンドEQ（アクティブ時）を装備する。

　手にとってみるとネックの握りから弦の振動、ボディの鳴りに至るまで隙のない印象。弦の振動をロスなく伝えているのでサステインも長く、弦を叩いた際の反応も早く、全体的にタイトなサウンドに仕上がっている。プリアンプの特性も素晴らしく、楽器本来の鳴りにゴツっとした中域に特性があるので、ローブースト気味でもハイを持ち上げても常にヌケの良さがある。高級なスポーツカーのように遊びのないシビアさがあるが、とにかく弾きやすいので、弾き手のポテンシャルを十二分に引き出してくれるのが本器の最大の魅力と言えるだろう。技巧派プレイヤーには一度試してもらいたいハイエンドな一本だ。

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  コントロール部分は、ボリューム×２（兼アクティブ／パッシブ切り替えスイッチ）、トレブル／ミドル（同軸2連）、ベース／パッシブ・トーン（同軸2連）となる。

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  ピックアップはスリム・タイプのハムバッカーを２基搭載。フロント側を少しスラントしてマウントしている。

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  ジョイントは強固な6点止めボルト・オン。ボディとネックの設置面積を大きく取ることで、ロスのない振動効率が得られる。

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  ジャックはボディ裏に設置される。プリアンプは18V駆動のため9Vバッテリーボックスは2つ取り付けられている。

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  Ritter / Cora4 Ocean Magma