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『お茶の水ドラム・コネクション』ショップレポート

スネア300台!シンバル600枚!!圧倒的アイテム数と王道+αの品揃えが魅力のドラム&パーカッション専門店

『お茶の水ドラム・コネクション』ショップレポート

楽器の街として知られるお茶の水に、ドラム&パーカッションの専門店『お茶の水 ドラム・コネクション』(以下、ドラム・コネクション)がオープンした。新製品から中古・ビンテージまでこだわりの品揃えと、パーツ類を含む圧倒的なアイテム数、そして2部屋の試奏室を備えるなど充実したサービスが魅力的なショップの詳細をレポートする。

楽器の街・お茶の水にドラム&パーカッション専門店がオープン

▲地下フロア全体が「ドラム・コネクション」だ。入口横に展示されていたスティール・パンに、思わず触れる通行人も。

 JR御茶ノ水駅の御茶ノ水橋口改札を出て左手の明大通り沿いは、世界でも有数の“楽器の街”だ。通りの両側に、ギター、ベース等の弦楽器や、サックス、トランペット等の管楽器の専門店がひしめき合っている。しかし、これまでドラムやパーカッション等の打楽器類は、一部楽器店の1フロア・1コーナーとしての展開が中心で、大型の専門店と呼べるショップはなかったというのが実情だ。

 こうした状況の御茶ノ水の地に、クロサワ楽器店が満を持してドラム・コネクションをオープンしたのは4月19日のこと。オープンの経緯について、同店の柴﨑武宏氏にお話を伺った。

 「当社はこれまで、打楽器類に関してはクロサワ楽器御茶ノ水駅前店のドラム・コーナーで扱っていました。限られたスペースの中で品ぞろえに拘って営業していたのですが、お客様から“もっとゆっくり商品を見たい”“もっと多くのアイテムから選びたい”“もっとゆっくり試奏したい”等の熱い要望があり、今回、1コーナーではなく専門店という形でオープンしました」(柴﨑氏、以下同様)

 ドラム・コネクションの広い店内には、300台のスネア、600枚のシンバル、350種類以上のスティックなど、圧倒的な数のアイテムが所せましと並んでいる。

 「駅前店のドラム・コーナー時代に比べてアイテム数は3~4倍になりました。実はこれでもお客様にゆっくり見ていただきたくて、アイテム数を絞って通路を確保するようにしているんです。店内に入りきらなくて倉庫に入れている商品もありますから、もし欲しい製品が見当たらない場合は気軽に声をかけていただきたいですね」

独自ルートから買い付けたこだわりの中古・ビンテージ

▲【画像上】中古スネアの中には、あえて同モデルを複数台展示しているものも。状態の違いや、サウンドの微妙な個体差も含めて選ぶことができる。【画像下】:状態のよい50年代のスリンガーランド・ラジオキングも並んでいた。

 ドラム・コネクションの魅力は、アイテム数だけではない。その一つひとつがこだわりを持って仕入れられている点も見逃せない。

 例えば、ビンテージ・スネア。スタッフが直接海外に出向き、現地でLudwig、Slingerland、Gretsch等を探し出してくる。こうした仕入れのルートは、Martinを初めとする多くのブランドの輸入販売元として海外でも信頼されているクロサワ楽器店だからこそ開拓できたもの。また、国内でもスネア・ドラムを中心とした中古楽器の買い取りに力を入れている。

 「中古や一部のビンテージは、オープンにあたって国内のコレクターさんに譲っていただいたものも多いです。出張買い取りも行っていますので、これから一層品揃えを充実させていきます」

 取材時の店頭には、非常に状態の良いビンテージのSlingerland ラジオキング 58年製のような1点モノもあれば、人気のPearl チャド・スミス・シグネイチャーなどは、中古で複数台並んでいる状況(叩き比べて最良の1台を入手できる)。もちろん、新製品もメーカー・価格帯毎の品揃えが充実している。

日本初入荷ブランドを含むトルコ系シンバルが充実



▲メジャー・ブランドからトルコ系まで、600枚に及ぶシンバル群。特に、T-Cymbalsは日本初入荷の注目ブランド。

 ドラム・コネクションのもう一つのこだわりは、トルコ系のハンド・ハンマード・シンバルの品揃えだ。IstanbulやTurkish、Bosphorusを始め、日本初入荷ブランドのT-Cymbalsの音もいち早く聴けるのはドラム・コネクションならでは。

 「定番のZildjian、Sabian、Paisteなどメジャー・ブランドのシンバルも一通り揃えた上で、トルコ系のシンバルを強化しているのが当店の特徴です。一口にトルコ系のシンバルといってもブランド、モデル、価格帯などによって音色も様々ですが、比較的ダークなトーンのものをお求めやすい価格でご提供できるので、ジャズやR&Bが好きな学生のお客様にご提案すると喜ばれますね」

 中には、サークルでは割れにくい厚めのメジャー・ブランドのシンバルを使い、個人用で薄めのトルコ系シンバルを所有する学生もいるとか。ドラム・コネクションのオープンを機に、改めてトルコ系シンバルに注目が集まりそうだ。

2部屋の試奏室で自分だけの一台をじっくり選べる





▲2部屋ある試奏室。取材時には、2部屋共にレンタル・スタジオ等ではあまり見かけない小口径のバス・ドラムを基本としたセットが設置されており、ロックだけでなく、ジャズ、ファンク、R&B等、幅広いジャンルのドラマーに対応している。

 ドラム・コネクションの魅力は、まだまだある。例えば、試奏室。御茶ノ水エリアで試奏室が2部屋もある専門店はドラム・コネクションだけ。順番待ちでイライラすることもなく、好みの一台をじっくりと選ぶことができる。

 スタッフの豊富な知識も、ドラム・コネクションの魅力だ。これからドラムを始めてみたいという小学生から中級・上級者まで、悩みや予算に応じた提案をしてくれるのがありがたい。

 「例えば、ドラム・セットを買い替えたいけど予算が……というお客様には、セットの中で1番良く使うハイハットやスネアを換えるご提案をします。それだけでもずいぶん音のバランスが変わりますし、例えばハイハットのトップを交換するだけでも大きくサウンドが変わることも、試奏室で試していただければ体感できるはずです。スネアも、ヘッドやスナッピーを換えるだけでもかなり音が変わるので、ぜひ試していただきたいですね」

 最後に、店名に付けられた“コネクション”という言葉には、こんな想いが込められている。ドラムだけではなく打楽器全体をつなぎたい。王道の製品から、ちょっと変わった+αの品揃えまでをつなぎたい。ビンテージから最新の製品まで各時代のサウンドをつなぎたい。そして、こうした数多くのアイテムとユーザーをつなぎ、音楽の新しいアイデアが交錯する場でありたい──ここからどんなつながりが生まれていくのか、ドラム・コネクションから目が離せない。