クランチ〜クリーンへと、つまみをどこに設定してもハリのある良い音。
15Wと7Wの切換えが可能な持ち歩ける小型アンプヘッド。

Orange
OR15

[2012/09/13] 文&試奏:井戸沼 尚也/写真:星野 俊

 クラシックなオレンジ・アンプの外観そのままに、手軽に持ち歩ける小型サイズを実現したOR15。パワー管にEL84を2本搭載し、15Wと7Wの切り替えが出来る。

 オレンジ・アンプの各つまみには絵柄が付いていて(これがとても素敵)、それぞれボリューム、トレブルなどを表している。同社のタイニーテラーなどは文字と絵柄が併記されているが、このOR15は絵柄のみという潔さ。今回、セレッションのヴィンテージ30が2発入ったオレンジの純正キャビネットで試奏してみた。

 まずは歪んだサウンドを作ってみる。ゲインは5前後、ボリュームをぐいっと7位まで上げてやると、パワー管が悲鳴を上げる素晴らしいサウンドが出た。その後、クランチ~クリーンへと、つまみをどこに設定しても、ハリのある良い音が出る印象。今回は試すことが出来なかったが、P-90と相性が良さそうだ。

 15Wの場合は、よほどの爆音バンドでなければ、スタジオで普通に他の楽器とバランスが取れるだろう(キャビにもよるが)。7Wに落とすと、もちろん音量は随分小さくなるが、むしろコンプレッションの違いを感じた。レコーディングでニュアンスの違いを追いこんでいく時にも、効果があるだろう。

Orange
OR15

[SPECIFICATIONS]
■出力:15W/7W ■真空管:12AX7A×3、12AT7(プリ部)、EL84×2(パワー部) ■コントロール:ゲイン、トレブル、ミッド、ベース、ボリューム、出力切替スイッチ(15W/7W) ■入出力端子:インプット、スピーカー・アウト×3(8Ω×2/16Ω)、FXループ(センド/リターン) ■外形寸法:300(W)×140(D)×170(H)mm ■重量:7kg
価格:84,000円

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。