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新開発グレイボトム・ピックアップを搭載!
適度な甘さと歯切れの良さが魅力の65年スタイル・ストラトキャスター

Fender
American Vintage 65 Stratocaster

[2012/11/8] 文&試奏:井戸沼 尚也/写真:星野 俊

 フェンダー・アメリカン・ビンテージ・シリーズのラインナップに加わった新モデルは、65年スタイルのストラトキャスター。試奏した本機はダコタ・レッドが新鮮なモデルだ(他にサンバースト、ホワイトもあり)。

 ネックのグリップはいわゆるCシェイプで、太すぎず・細すぎず、“慣れ”は不要で弾き始めからしっくり馴染むタイプ。ラウンド貼りのローズウッドが65年スタイルを強く感じさせる。本機の特徴は、新開発されたグレイボトム・ピックアップが搭載されている点。早速、アンプにつないでみた。

 どのポジションのピックアップを選択してもこれぞストラトというトーンが得られるが、個人的には特にミドル・ピックアップの心地良さが印象的だった。適度な甘さと歯切れの良さが感じられ、カッティングでも単音弾きでも実に気持ちがいい。これに軽くコンプをかけてスライドなんかしたら、たまらないだろう。

 決してブーミーにならないフロント、耳に痛くないリアも非常に使いやすい。61年あたりの本物のビンテージだと、録音時に音の主張が強すぎてオケに溶けないことがあるが、このギターならビンテージ感やストラトらしさは保ちながら、ばっちり溶け込みそうだ。さすが本家、これぞストラト。そう思わせられる1本だった。

Fender
American Vintage 65 Stratocaster

[SPECIFICATIONS]
■ボディ:アルダー ■ネック:メイプル ■指版:ローズウッド ■フレット:21 ■ピックアップ:ニュー・アメリカン・ビンテージ65グレイボトム・ストラト・シングルコイル・ピックアップ×3 ■コントロール:ボリューム、トーン×2、5ウェイ・ピックアップ・セレクター ■ブリッジ:アメリカン・ビンテージ・シンクロナイズド・トレモロ ■カラー:ダコタ、レッド(写真)、ホワイト、ブラック
価格:312,900円

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。