瞬時にハムバッカーに変わるジャズマス・タイプのニュー・カマー
王道のサーフ系はもちろん、ライブでガンガン弾き倒したい1本

VANZANDT
JMV-R2

[2013/2/7] 文&試奏:井戸沼 尚也/写真:星野 俊

 ネオ・ビンテージ・スタイルのギターが高い評価を得ているVANZANDTから、待望のジャズマスター・タイプが発売された。本機はニトロセルロース・ラッカーで塗られたバーガンディ・ミストが艶めかしい1本。これは試奏動画を見ていただく前に、配線についての説明が必要だろう。通常のジャズマス系のコントロールに加えて、本来プリセット回路がある場所に“HORNET Switch”を搭載している。これは、従来のコントロールでどのピックアップを選択していても、このスイッチをオンすることで瞬時にリア・フロント直列のハムバッカーに変わるというもの。

 動画ではまずクリーンで、リア、センター、フロント、そしてハムバッカーの順でカッティングしてみた。それぞれのピックアップの個性の違いがよくわかるはずだ。クリーンでは、センターのチャンキーさが際立つ。次にクランチのリフで同様にピックアップを変えていく。リア~フロントまでの3種のシングルの、金属的な鳴りがいかにもジャズマスター・タイプらしい。そしてハムをオンにすると、音がもう1段太くなる。試奏ではノー・エフェクトだが、轟音ファズも似合いそうだ。さらにゲインを上げて試奏。リアのガラガラした感じ、フロントのムッチリ感がたまらない。最後に、アームの具合をチェック。これもジャズマスター・タイプらしいスムーズな使用感で、王道のサーフ系にももちろんハマるだろう。

 指板のアールを大きく取り、チョーキングの音詰まりを防いでいるのも実用的。ぜひライブでガンガン弾き倒してほしいギターだ。

VANZANDT
JMV-R2

[SPECIFICATIONS]
■ボディ:アルダー ■ネック:メイプル ■指板:マダガスカル・ローズウッド ■フレット:21 ■ピックアップ:ホーネット・セット ■コントロール:ボリューム×2、トーン×2、3ウェイ・トグル・スイッチ、ホーネット・スイッチ ■ブリッジ:オリジナル ■ペグ:ゴトー ■カラー:バーガンディ・ミスト(写真)、3TS、ブラック、ビンテージ・ホワイト、ソニック・ブルー、ショアライン・ゴールド
価格:オープン・プライス(市場実勢価格:283,500円前後)

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。