チューブ・アンプのような歪みと反応!
シンプルでロックな多面体軽量コンボ・アンプ登場

Four Force
EM-1

[2013/5/9] 文&試奏:井戸沼 尚也/写真:星野 俊

 Four Forceは、元ヒューレット・パッカードのエンジニアが立ち上げた新しいブランド。本機は、樹脂製の多面体キャビネットを持つコンボ・アンプだ。コントロールは、ボリューム、トレブル、ミドル、ベースとオーバードライブの5つのみ。最近のアンプにしてはシンプルで、セッティングも非常に楽だ。

 まず、クリーンで簡単にサウンド・チェック。見た目は個性的だが、クセのない、温かいクリーン・サウンドだ。次に歪ませてみる。本機はJ-FetプリアンプとMOSFETパワー・アンプのクラスA設計だそうで、真空管は使われていないが、音の粘りや、ピッキング、ボリュームに対する反応の良さはまるでチューブ・アンプだ。少し粒の粗い、からみ付くような歪み方は、昔の1ボリュームタイプのマーシャルのよう。本機は5Wなので、そこまでの音圧はないが、出力の数値以上に出音が大きく感じられる。ブースターやオーバードライブを併用すれば、もっときめ細かい歪みを作ることもできるはずだ。

 非常に軽量で、スピーカーアウトも装備しているので、気軽にスタジオに持ち込んで鳴らしてみると楽しいだろう。

Four Force
EM-1

[SPECIFICATIONS]
■出力:5W ■スピーカー:10インチ ■コントロール:ボリューム、オーバードライブ、ベース、ミッド、トレブル ■入出力端子:インプット、スピーカーアウト ■外形寸法:453(W)×295(D)×410(H)mm ■重量:5.65kg
価格:23,100円

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。