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どんな音が出るかわからない!
クリエイティビティに挑戦状を叩きつけるギター・シンセサイザー

Electro-Harmonix
H.O.G. 2

[2013/7/25] 文&試奏:井戸沼 尚也/写真:星野 俊

 エレハモのH.O.G.とは、ハーモニック・オクターブ・ジェネレーターのことで、要はギター・シンセサイザーの類と考えてよいだろう。2オクターブ下から4オクターブ上までの10ボイスを生成し、それをフィルターやエンベローブでコントロールできる。本機は「2」の名前の通り、その次世代機で、和音も正確にトラッキングできること、プリセット数が6から100(!)に増えたことなどがポイントだ。プリセットの音色全てをチェックするだけで丸1日かかるので、ここではそのダイジェスト版を紹介しよう。

 最初に、少しリフを弾いているのがギターの素の音だ。次に、スイッチを入れると……ああ、もうギターの音じゃない……。これはオルガンですよね?その後も、オクターバー風、ホールド風(?)、ハーモナイザー風、逆回転パイプオルガン風、口笛風(?)、会話風(?)と、不思議な音が続く。プリセットでこれだから、音色を作り込んでいったらどうなるのか。さらにエクスプレッション・ペダルを使うと、どんな世界が拡がるのか。本機は、人のクリエイティビティというものに挑戦状を叩きつけている。間違いなく言えるのは、今これを買うと、その人の夏休みはこれをいじっている間に終わるだろうということだけだ。

 いつもながら、エレハモというメーカーの個性に圧倒された。エレクトリック・ギター以外の楽器にもつないでも、面白い結果が得られるだろう。
(使用ギター:CASIO EG-5)

Electro-Harmonix
H.O.G. 2

[SPECIFICATIONS]
■コントロール:
【フェーダー】マスター・ボリューム、ドライ・アウト、-2オクターブ、-1オクターブ、オリジナル、+5th、+1オクターブ、+1オクタープ&5th、+2オクターブ、+2オクターブ&3rd、+3オクターブ、+4オクターブ、ローワー・エンベロープ、アッパー・エンベロープ、フィルター・フリークエンシー、フィルター・レゾナンス
【スイッチ】バイパス、EXPペダル・モード、エンペロープ
【ボタン】EXPペダル・モード・セレクター(オクターブ・ベンド/ステップ・ベンド/ボリューム/フリーズ+グリス/フリーズ+ボリューム/ワウワウ/フィルター)、スペクトラル・ゲート、EXPペダル・リバース
■入出力端子:インプット、ダイレクト・アウトプット、アウトプット、エクスプレッション・ペダル(付属)、MIDIイン、フットスイッチ(別売) ■電源:専用アダプター(付属) ■外形寸法:235(W)×157(D)×55(H)mm ■重量:1.05kg
価格:92,400円

【H.O.G.2専用フットコントローラー】■コントロール:ダウン、アップ、プリセット・セレクト/プリセット・セーブ ■入出力端子:インプット ■電源:HOG2から供給 ■外形寸法:110(W)×64(D)×55(H)mm
価格:26,250円

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。