真空管+半導体で自分だけのチューブ・サウンドを手軽に作れる
ペダル型のプリ・アンプ

ALBIT
A3GP MARK II

[2013/8/29] 文&試奏:井戸沼 尚也/写真:星野 俊

 アルビットのペダル型プリ・アンプA3GPの後継機種が、こちらのA3GP MARK II。接続機器に合わせて出力が選べる「OUTPUT LEVELスイッチ」を搭載し、より使い勝手がよくなった。

 本機の魅力は、真空管+半導体で構成された回路が生み出すリアルなチューブ・トーン。音の輪郭、立ち上がり、コンプ感など、まさにビンテージのチューブ・アンプのようなサウンドで、それを手軽に持ち運べるのが強み。クリーン、クランチ、リードの3チャンネルを独立してコントロールできる点は、ビンテージ・アンプでは得られない便利さだ。

 動画では、まずクリーンのサウンドをチェック。使用しているアンプは元々チューブ・アンプなのだが、音の張りや艶が増している。クランチでは、非常に生々しいサウンドが得られた。P-90の持つバイト感がわかるはずだ。リードでは、まさにビンテージ・チューブ・アンプのドライブ・サウンドという感じ。これ単体では決して現代的なハイ・ゲイン・サウンドは得られないが、歪んでいてもギターの特性(この場合は、マホ・ボディにP-90)が生きたドライブ・サウンドは非常に好感が持てる。クロスつまみは、ローミッド辺りの帯域をコントロールし、UK的なサウンドやUS的なサウンドを選ぶことが出来る。

 リハ・スタのトランジスタ・アンプしか使えないが、サウンドは妥協したくない──そんな人には、とても良いペダルだと思う。

ALBIT
A3GP MARK II

[SPECIFICATIONS]
■コントロール:ボリューム、トレブル、ミッド、ベース、アウトプット・レベル(ハイ/ロー)、クロス、センド、マスター(/リターン)、サブ・マスター、リード・ゲイン、クランチ・ゲイン、ミュート ■入出力端子:インプット、アウトプット、ヘッドフォン/バランス・アウト、チューナー・アウト、センド、リターン、AUXイン ■電源:付属アダプター ■外形寸法:150(W)×106(D)×61(H)mm ■重量:640g
価格:31,500円

[試奏者PROFILE] 井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。