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現代的な歪みサウンドが得られる
マークベースの最新型コンパクト・ペダル

Markbass
MB Mini Dist

[2013/10/10] 文&試奏:伊藤 大輔/写真:伊藤 大輔

 イタリアのベース・メーカー、マークベース。もともとはアンプ専門だが、エフェクト・ペダルの開発にも力を入れており、デジタル技術を駆使したベース・シンセのSuper SynthやリバーブのRiverbero、アナログ回路で設計したチューブ内蔵のコンプCompressoreなど、同社らしい斬新な発想と基本性能の良さでアンプ同様に高い評価を得ている。ここで紹介するのは初の小型ペダル・シリーズMB Miniの歪みペダル、MB Mini Distだ。

 本機はチューブの歪みを再現する既発モデルのBass Tube Markerを基に設計された。操作子は歪みの量を調節するDriveと音量を整えるOutput Level、それに加えて音色作りの決め手となる2種類のトーン・フィルターとなる。Tone1は200Hz~2.5kHzに効く可変フィルターで、ツマミがゼロであれば200Hz付近の低域を、めいっぱい回せば2.5kHzあたりに特化したエッジの効いたサウンドへと変化する。Tone2は800Hzのカット・フィルターで、最大で−20dBの減衰が可能。ベースにとって重要な帯域でもあり、ここで音の膨らみ加減を調節すれば、歪みのキャラクターをさらに追い込める。

 実際に触ってみるとツマミの数以上にさまざまな歪みが得られた。Driveを控えめにしてTone1は300~400Hz付近、Tone2をゼロにすれば、チューブでひずませたようなドライブ感が得られ、DriveをフルにしてTone1は高域側に設定、Tone2で800Hzをカット方面に回せば、ガリガリのメタリックなひずみも生み出せる。最初は2つのToneツマミの効き具合に戸惑ったが、使っていくうちにスイート・スポットをいくつも発見できたので、理にかなった帯域に設定されていることを実感できた。レトロっぽい音を狙ってもマークベースらしいモダンな雰囲気があり、振り切った過激な設定にしても破綻はしないので、全体的には優等生な印象だ。オールマイティーに使える歪みペダルとして完成度の高い1台と言える。

Markbass
MB Mini Dist

[SPECIFICATIONS]
■コントロール:ドライブ、トーン1(200Hz~2.5kHz)、トーン2(0〜-20dB@800Hz)、アウトプット・レベル■入出力端子:インプット、アウトプット、電源■電源:ACアダプター(12V)or 9V乾電池■外形寸法:48.4(W)×38.2(H)×105.2(D)mm■重量:260g
価格:19,950円