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破格のハイコスト・パフォーマンスを実現した
7弦ベースのフレットレス仕様

Tanatos
CRAYMORE FL 140SP

[2013/10/16] 文&試奏:伊藤 大輔/写真:菊池 英二(★印のみ)

 優れた木工加工技術を持つ国産工房系メーカー、コンバット・ギターズが取り扱うTanatosはハイコスト・パフォーマンスが売りの新ブランドだ。KFB7は7弦ベースのシリーズで、今回テストしたのはスポルテッド・メイプル・トップであるKFB7-140SPフレットレス・モデルだ。

 まず目を引いたのがその価格。多弦ベースは6弦モデルでも数十万円が普通だが、7弦で14万円台とはまさに破格だ。しかしながら楽器本体を見ていくと、ボディトップに5Aランクのスポルテッド・メイプルを使用しているほか、低音弦のテンション感を考慮した35インチ・スケールを採用したネックは、4ピース・メイプルと5ピースのウォルナットを組み合わせ、高い剛性を得ている。加えてジョイントはスルーネック構造と、ハイエンド・ベースに匹敵するスペックだ。エレクトロニクスに目を向けるとオリジナルのハムバッカー2基とアクティブ・プリアンプを回路を搭載、コントロールは2ボリューム/3バンドEQとなる。

 続いて試奏インプレッションに移りたい。本器の弦構成は下からローB/E/A/D/G/ハイC/ハイFとなる。薄めなネックとフラットな指板に加えて16ミリの弦間ピッチも予想以上に弾きやすく、ハイ・ポジションもヒールカット加工によりストレス無く演奏に集中でき、7弦&フレットレスという敷居の高さを感じさせない。何しろピッチが取りやすく、しっかりと調整された楽器という印象を受けたが、コンバットのリペア・チームがセットアップを施しているとのこと。3バンドEQの効きも良く、ブーミーなトーンから、高音弦を多用した和音弾きやタッピングに適したギター・ライクなサウンドにも対応する。これだけ優れたプレイアビリティでこの価格とは本当に恐れ入る。あまりに弾きやすいので、いつの間にかにいろんなフレーズを試したくなってハマってしまう、そんな楽器の根本的な魅力を十分に備えた7弦ベースだ。

ネックは4ピースのメイプルに5ピースのウォルナットを挟み込んでおり、ボディとのジョイントはスルーネックとなる。プリアンプは18V駆動で、弦は裏通しと表通しを選択できる。

各弦独立型ブリッジを採用し、弦間ピッチは16ミリを採用。2つのピックアップはオリジナルのハムバッカーだ。

指板にはエボニーを採用。各フレットには視認用のラインが入れられており、ピッチも安定しているので非常に弾きやすい。

ネックは35インチのスーパー・ロング・スケールで、フレット数は24フレット相当となる。

ヘッドのペグ・レイアウトは4:3。ヘッド・トップに張られている化粧板が高級感を醸し出している。

Tanatos
CRAYMORE FL 140SP

[SPECIFICATIONS]
■ボディ:5Aスポルテッド・メイプル(トップ)、マホガニー(バック)■ネック:4ピース・メイプル/5ピース・アッシュ ■指板:エボニー ■スケール:35インチ ■ピックアップ:オリジナル・ハムバッカー×2 ■コントロール:ボリューム×2、トレブル、ミドル、ベース ■ブリッジ:セパレート・タイプ
価格:147,000円