Vintage
この記事は、 ギター・マガジン2007年11月号 の「VINTAGE GUITAR CAFE」から一部抜粋したものです。
1952 FENDER Telecaster
レオ・フェンダーの手により,史上初の量産型ソリッド・エレクトリック・ギターとして生み出されたテレキャスター。その発売から,すでに60年近くが過ぎようとしている。テレキャスターが備える画期的なアイディア,先見性,実用性の高さは数多く語られてきたが,このギターの最もすばらしい点は,発売以来ほとんどモデル・チェンジすることなく現在まで製造され,多くのギタリストに愛用されてきた点である。
バタースコッチの愛称で親しまれる黄ばんだブロンド・カラーは54年までのギターに見られるもので,カラー層に加えて,トップ・コートが飴色へと変色した結果である。ボディに使用されているホワイト・アッシュは,それまで家具に使われていた木材で,ブロンド・フィニッシュもまた家具に使われていたカラーであった。角ばって感じられるボディ・シェイプは,アーチトップ・ギターとはかなり印象が違うが,これはフラットトップのドレットノート・シェイプを小型化したイメージではないだろうか。54年まで使われたブラック・カラーのピックガードにはラジオ基盤用のベークライト板が使われていて,プレス加工した時のバリを面取ったのちにクリア・ラッカーで仕上げられている。発売当初から高価なクローム・メッキが使われているのも,常に機能性にこだわるフェンダーならではと言えるだろう。
組み込みに使われているネジ類がマイナスからプラスへと変更されるのは52年から。同年に製作されたこのギターはその過渡期にあたり,両タイプのスクリューが混在している。スティール板をプレス加工して作られているブリッジ・プレート。54年まではここにテレキャスター固有のシリアル・ナンバーが打刻されているが,同年末からはほかのモデルも含めたトータル・ナンバーがネック・プレートに記されるようになる。
長さの等しい6本のアルニコ・マグネットをポールピースとして使った“フラット・ポールピース”ピックアップは55年まで採用された。これはテレキャスターの全年代の中でも最もファットでパンチがあるピックアップと賞されることが多い。その後,50年代後半になると,テレキャスターのピックアップはカントリー向きのトレブリーな方向へと推移して行く。 なお、本器のピックアップ・セレクターは,(1)フロントPUのベース・トーン(ベースとして使えるプリセット・トーン),(2)フロントPU,(3)リアPUという,52〜67年までのテレキャスターに採用されていた仕様となっている。





