Vintage
この記事は、 ギター・マガジン2007年10月号 の「VINTAGE GUITAR CAFE」から一部抜粋したものです。
1961 GIBSON Byrdland
バードランドは,1955年に発売された。モデル名は,ナッシュビルのスタジオ・セッション・ギタリストとして名を馳せたビリー・バードとハンク・ガーランドから名づけられている。
フルサイズのエレクトリック・アーチトップの最高級機種として君臨したL-5CESのシンライン・バージョンに位置づけられるこのモデルは,17インチ幅のスプルース材から削り出されたトップと2 1/4インチ(いわゆるフル・デプスとセミ・アコースティックの中間の厚み)のフレイム・メイプル製ボディから作られている。 ヘッドストック・フェイスには,L-5を連想させるフラワー・ポット・インレイが施され,エボニー指板&2ピース・フレイム・メイプルのネックには,複雑なジャズ・コードを弾きやすくすることを目的に23 1/2インチというミドル・スケールが採用されている。 同モデルには,各年代によってさまざまなバリエーションが製作されてきたが,手工モデルであることも手伝って,時おりカスタム・オーダーと思われる特別仕様のギターにお目にかかれることがある。
61年製のこのギターは,同年から採用された深く尖ったフローレンタイン・カッタウェイが施されている。その一方でボディ・バックのメイプル材は,一般的な60年代モデルに見られる薄いメイプル板を重ねたプライウッドではなく,センター2ピースのソリッド材を削り出すという,50年代スタイルで製作されている。
ピックアップはP.A.F.の名で呼ばれる初期型ハムバッキング。そしてこのギターには,ステレオ・バリトンというイレギュラーなスペックが採用されている。また,テイルピースにも通常のバードランドとは異なるビグスビー・ビブラートが使われていることからも,セミ・アコースティックのトップ・モデル=ES-355TDの仕様を持ち込んだオーダー・メイド・モデルと考えるのが妥当だろう。
5/16インチ径という太いポストのチューナーは,高級アーチトップに使用されるクルーソン社製シール・ファイスト。ヘッドストック表側の装飾プレートに加えて,裏側にもブラック・ペイントが施されている。ピックアップ・セレクターのまわりに取り付けられているラバーは,スイッチング音を消すためのアイディア。エボニー材によるブリッジ台とチューン・オー・マティック・ブリッジの組み合わせは,バードランドの純正出荷仕様となる。





