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LINE 6「AMPLIFi」

LINE 6が満を持してリリースした革新的ギター・アンプ[AMPLIFi特集の記事一覧

“AMPLIFi”の完全使いこなし術をぎんじねこがレクチャー!〜その成り立ちと機能概要

AMPLIFiの成り立ちAMPLIFiの特徴最新テクノロジーと仕様

【1】AMPLIFiの成り立ち〜“ギターアンプを再発明” 第三のスタンダードアンプへ

  • LINE 6 AMPLIFi

    リビングのインテリアとしても自然に溶け込むスタイリッシュなデザイン。

  • LINE 6 AMPLIFi

    3Way/5スピーカーシステム。ギターとオーディオの両方を最良の音質でアウトプットしてくれる。

  ギターアンプの歴史は古く、年代を遡れば1930年代以前となり、リッケン・バッカー社が開発したスチールギター用の増幅装置が世界初のギターアンプと言われている。その後、1960年代を過ぎる頃にはフェンダー社やマーシャル社が真空管を搭載したチューブアンプをリリースし始める。そして、現在では真空管を搭載したチューブアンプと、JC-120等の真空管を搭載しないトランジスタアンプの2種類がギターアンプの中心となっている。

 そんな中、1985年に設立されたFast Forward Designs社が1996年にLINE 6と社名を変更し、翌年1997年に初代PODをリリースした。今でこそ、各社がこぞってリリースしている、いわゆる「アンプシミュレーター」と言う技術製品は、この初代PODによって開発競争が生まれたといっても過言では無い程、業界に旋風を巻き起こした。本来、エレキギターを納得の音で鳴らすとなるとヘッドもスピーカーもしっかりとしたアンプが必要で、ライブやスタジオでも通用するとなると、100W超級の物が一般的で、大きさは元より重さもかなりな物が当たり前だった。しかし、LINE 6が世に送り出したアンプシミュレーターと言う技術はギターのボディよりも二回り程小さいながらも、歴代の各社チューブアンプのサウンド、トランジスタアンプは勿論、キャビネットやマイクそして、エフェクターに至るまで、全てがそのボディにオールインワンで収まっていた。順列組み合わせだけで言ってしまえば、数千通り以上のサウンドを出す事が可能なPODは一気にその存在感を音楽業界に知らしめた。

 アンプシミュレーター以前にも、マルチエフェクターと言う製品は存在していたが、決定的に違う点は「アンプが必要無い」と言う点だ。これだけだと語弊を生む可能性があるので少々追記すると、従来のマルチエフェクターはその名の通り、複数のエフェクターを一つのボードに収めて一括で操作し、それらをアンプに繋いで音作りをすると言うものだ。しかし、LINE 6がリリースしたPODは、システム自体に既に各社の有名なアンプサウンドをシミュレートしたアンプヘッドとキャビネットが何十種類と内蔵されており、更にヘッドとキャビを別々に組み合せマイクも選ぶ事ができる。そこにマルチエフェクター機能を付加することで、音作り自体が実際のアンプを通す事なく完結してしまうと言う点で、大きな違いを持っている。

 PODには勿論、アンプでのアウトプットも考慮してシステムが構築されており、プリモードを選択することでシミュレーター側のアンプ+実際のアンプと言う、通常であれば音のバランスを崩してしまう組み合わせでも、双方のスペックを十分に引き出す工夫もなされている。PODの本来の実力を発揮する為には、DI等でラインアウトをすることで、PODの持つトーンを如何無く発揮することができる。というのも、PODのシミュレーターサウンドの根幹は、ギターからアンプ、そしてアンプから出た音をマイクで拾う。この最終的にマイク以降のサウンドを想定したサウンドなので、最終アウトプットが実際のアンプだと、音のバランスを崩すことになってしまう。

 この方式は2013年にリリースされた最上位機種のPOD HDシリーズでも同様で、アウトプットの理想はラインアウトを想定したものとなっている。その上で、スタジオやライブ等でサウンドに忠実なモニタリングが必要な場合は、StageSourceシリーズと言われる汎用スピーカーがラインナップされている。この様に、現在までのアンプシミュレーターはそのシステム部分のみでアウトプットが完結している点が、大きなポイントである。

 さて、随分と前置きが長くなってしまったが、今回LINE 6が新しくリリースした「AMPLIFi」は、「アンプを再発明」というキャッチコピーがついている。これは、内蔵されたBluetoothステレオスピーカーや、iOSとの連動機能の他、トーンマッチング等、今迄のアンプにはなかった機能面をさしている事は当然だが、その他に「アンプシミュレーターと言うシステムに専用の再生スピーカーが搭載された」という点だ。実際には、LINE 6はSPIDERシリーズ等、アンプシミュレーター機能がついたアンプも発売しているが、現在リリースされているそういったアンプのシミュレーター機能は、詳細なカスタマイズができない仕様だ。

 しかし、AMPLIFiが有するシミュレーター部分は“POD Farm 2 Platinum”相当のシステムが組み込まれており、iOSと連動させることで、従来ではレイアウト等の都合で実現が不可能だった、フルサイズのシミュレーター部分を組み込む事が可能となった。

 また、AMPLIFiはスピーカーメーカーのCelestionが専用開発したギター用スピーカー (AMPLIFi 150のみ) と、音楽再生用のステレオ・スピーカーの両方を搭載した5wayスピーカーとなっており、ギターの場合はコアとなるトーンをセンターのスピーカーで、またステレオ・エフェクトは左右のスピーカーでステレオ出力することが可能。アンプシミュレーターが想定したアウトプットのディテールを完璧に再現することが出来る様になった。

 国外ではスティーヴ・ヴァイやヴァン・ヘイレン、国内ではB'zの松本孝弘もこういった、ドライ音とエフェクト音を分離させ出力を3ch方式にする、いわゆる「3way」を採用することで、そのサウンドを不動の物としている実績あるシステムなのだ。

 AMPLIFiに付けられた「アンプを再発明」というコピーは、そういった点でも誇張ではなく、それが手軽に自室で再現できてしまう事からも、チューブアンプとトランジスタアンプという世界のスタンダードアンプに並ぶ“第三のアンプ”であるといっても過言ではない製品として仕上がっている。

【2】AMPLIFi〜その独創的な機能を理解する

AMPLIFi〜その特徴

  • LINE 6 AMPLIFi

    IOSアプリとワイヤレスで連動させることで、全く新しいアンプとして機能する。

  • LINE 6 AMPLIFi

    AMPLIFi最大の特色である「トーンマッチング」。その詳細は後編にて。

 ソファーに座ってギターを抱えたまま、手元のiPhone/iPadを操作するだけで、数万通りのトーンでギターを弾く事ができ、iPhone/iPadの音楽ライブラリーから曲を選ぶだけで、曲に合わせた最適なトーンを自動的に呼び出しジャムセッションができてしまう。セッションを終えてギターをスタンドに置き、キッチンでコーヒーを淹れながら、ポケットから取り出したiPhoneでお気に入りのJazzを流せば、先ほどまでセッションをしていたアンプからは、臨場感溢れるサウンドで音楽が流れ出す……。

 まるでどこかのCMのワンシーンのようだが、今年2014年のNAMMショーでLINE 6が発表した「AMPLIFi」は、その全てを可能にする画期的な製品で、本年度NAMMのBest in Showも受賞した。Apple社のiPhone/iPadとワイヤレスで連動することで、その威力をフルに発揮するAMPLIFiは、Apple社の故スティーブ・ジョブスが掲げた「イノベーションとは未来にある普通のもの」と言う名言そっくりそのまま体現した、画期的な製品となっている。

 そんなAMPLIFiの大きな特徴は以下の通りだ。

【1】 150Wと75Wの2種類のラインナップ
【2】Bluetoohによるワイヤレス・ストリーミング・スピーカー
【3】最適なトーンを自動的にチョイスするトーンマッチング・テクノロジー
【4】作成したトーンをクラウド経由で世界中のユーザーとシェアが可能
【5】ギターアンプ、音楽再生の両方で威力を発揮する5way Speaker
【6】iPhone/iPadアプリ上で行う、ワイヤレス統合コントロール

 AMPLIFiには150Wと75Wがラインナップされており、通常自宅を中心に活用していくなら75Wのモデルで十分事足りる。75Wはかなりコンパクトで、練習用のトランジスタの小型アンプ程のサイズとなっている。部屋を行き来する場合でも片手でひょいと持ち上げられるので、自宅のどの部屋でも気軽に楽しむことができる。

 反対に150Wのモデルは、バンド・リハーサル等の大音量のシチュエーションでも音量負けする事がない程パワフルな仕様となっている。150WにはAMPLIFi専用に開発された12インチのCelestionスピーカーが、また75Wにはカスタムの8インチスピーカーが搭載されている。実際、今回のレビューでは150Wのモデルを試奏してみたが、自宅ではボリュームのレベルが4でちょうどよく、5まで回すと環境に寄っては近所迷惑になりかねない程の音量を出す事ができた。75Wとサウンドを比較してみると、小さい音量では差は感じられないが、スタジオ等で大音量で演奏した際に、150Wに搭載されたCelestionスピーカーの恩恵から、しっかりした音圧とギタートーンの細部のディテールも再現されている。150WのサイズはJC-120より一回り小さいぐらいだが、サイズに見合わず軽く片手でも十分持ち運びが可能だ。

 AMPLIFiには上部には通常のアンプと同じく、BassやTreble等の基本的なコントロールつまみがついているが、AMPLIFiの機能のおよそ9割はApp Storeで無料でダウンロードできる「AMPLIFi Remote」をiPhone/iPadにインストールする事で、全機能を余す事なく使う事ができる。アプリと連動することで、アンプの基幹部であるPOD Farm 2 Platinumクオリティのギター・アンプ78種とエフェクト・モデル100種以上搭載したシミュレーター機能の全てをタップだけで操作し、オリジナルのトーンを作成することが出来る。できあがったトーンは1タップでクラウドにアップロードされ、世界中のユーザーと共有することができる。

 また、音楽ライブラリーもワイヤレスで再生することができ、LINE 6のトーンマッチ・テクノロジーにより、例えばジェフ・ベックの曲を再生すれば、世界中のユーザーが作成したジェフ・ベック風のサウンドを、エリック・クラプトンの曲を再生すれば、エリック・クラプトン風のサウンドを、といった具合に自動的にクラウドに接続し最適のトーンを見つけ出し読み込んでくれる。

 AMPLIFiの大きな特徴の一つがスピーカーである。過去にLINE 6がリリースしている、自宅練習向けアンプにもワイヤレスでは無いにしろ、iPodやiPhoneをAUX接続し曲を流しながらジャムできる機能が備わったモデルもリリースされている。しかし、従来の製品では音楽再生もギターの音も同じスピーカーで再生されるために、音楽がモノラルだったり、ギターの音がつぶれたり、と様々な問題があった。しかし、AMPLIFiはギタースピーカーとハイレンジスピーカーをミックスすることで、曲は高音質ステレオのままでギタートーンもつぶれる事無く高品位な再生環境を実現させている。また、ギタートーンをドライとウェットに分けて、エフェクトの掛かっていないドライなトーンをセンターのスピーカーから、ディレイやリバーブなど空間系は左右のステレオスピーカーから鳴らすことで、より自然なエフェクト環境の再生を実現させている。

 そんな一石二鳥にも三鳥にもなるLINE 6の新製品「AMPLIFi」を、次ページより主要部分にフォーカスして詳細に解説していくことにする。

高級感と洗練されたシンプルさのデザインに隠された最新のテクノロジー

  • LINE 6 AMPLIFi

    電源SW、USBポート、FBVペダル、AUX入力、ヘッドフォン端子が並ぶ背面。AMPLIFi75も同一だ。

  • LINE 6 AMPLIFi

    AMPLIFi75、150共通のコントロールパネル。上部にはBluetoothボタン、TONEボタン、TAPボタンが並び、DRIVE、BASS、MID、TREBLE、FX、REVERB、VOLUMEの各ノブが配置される。

 それでは、まずは本体のコントロールパネルを中心に見ていこう。全体的に全てがシンプルにまとめられたAMPLIFiのコントロールパネルは上部に埋め込まれた様な形で整然と並んでいる。また、くぼんだ部分がアンプを持運びする為の取手にもなっており、ハンドベルト等で筐体のすっきりしたデザインも損なわれていない点からも、シンプルさを追求したデザインだということが伺える。

 ツマミ類は、左からDRIVE、BASS、MID、TREBLE、FX、REVERB、VOLUMEとなっている。VOLUMEノブは一目盛りごとに「カチカチ」と止まる様に回る仕様となっており、一つ回すごとに、赤色のLEDがボリューム量に合わせて光る様になっている。また、VOLUMEノブをプッシュするとブレンドモードとなり、後述する音楽ライブラリーとのジャムセッションの際に音楽とギターの音量を調整する役割も果たす。

 ツマミ類上部には向かって左よりBluetoothボタン、TONEボタン、TAPボタンが配置されている。Bluetoothボタンは、AMPLIFiの最大の特徴である、iOS端末をワイヤレスで接続するボタンとなっている。

 iOS端末にApp Storeで無料でダウンロードできる「AMPLIFi Remote」をインストールし、端末側とAMPLIFi側のBluetoothをONにしてペアリングすることで、iOS端末からワイヤレスでAMPLIFiを操作することができる。

 AMPLIFiには4つのチャンネルが用意されている。工場出荷時の設定では、以下のサウンドが設定されている。

【A】Rhythmチャンネル(Fidelity Rhythm)・・・クランチ系のファットなリズム・サウンド
【B】Leadチャンネル(Lead the Way)・・・ハイゲイン系のリード
【C】Cleanチャンネル(American Clean)・・・クラシックなTwinサウンド
【D】Ambientチャンネル(Ambient Delays)・・・エフェクトのかかったクリーン・サウンド

 いずれも、コントロールノブを回す事で音色の調整が可能になっている。変更したトーンを任意の位置のプリセットに上書きすることも可能だ。

※後述する「AMPLIFi Remote」を使用すると、チャンネルのプリセットそのものを自由に入れ替えることも可能。

 この4つのABCDのチャンネルはTONEボタンを押すごとに順番に切り替わって行く。TAPボタンはディレイ等タイムベースのエフェクターのTIME値を変更する際に押すのと、長押しすることでチューナーモードが起動する。チューナーモードが起動すると、VOLUMEのLEDリングがメーターとなり音程の高低を表示する。もう一度TAPボタンを押すとチューナーモードを抜ける。

 背面には以下の端子が備わっている。電源、USB、FBVペダル、AUX入力、ヘッドフォン入力。この中で、現時点ではUSB端子はついているものの機能はついていない。公式では「将来予定している機能追加の為付けている」との事なので、オーディオインターフェイス等の機能も今後のファームウェアアップデートで追加されるかもしれない。※なお、ファームウェアのアップデートは「AMPLIFi Remote」側から行う。

 AMPLIFiはアンプシミュレーターがベースとなっており、何十種類もあるアンプやキャビネット、マイク、さらにエフェクターを組み合わせる事によって、何万通りと言う様々なトーンを1台で作る事が可能なアンプだ。だからこそ、ファクトリープリセットの状態だけでは、AMPLIFiが持つトーンの実力は1万分の1程度しかわからない。あえて、そう前置きした上でファクトリープリセット状態の第一印象を語るならば、電源を入れるだけですぐに弾き出すことができる。この手のアンプの売り文句は大抵上記の様な言い回しになってしまいがちだが、AMPLIFiは本当に電源を入れてボリュームを回すだけでEQのセッティングやエフェクターの調整無しに、各チャンネルに則した最適な音が飛び出してくる。バッキング主体の曲ならAを、ソロの練習ならBを、ブルース等レガシーなクリーンならC、ポップスのウェットなクリーンアルペジオならDを。弾きたいジャンルに合わせたトーンは、TONEボタン一つで切り替える事が出来る。もしも、その上で音色の微調整が必要な場合は、コントロールノブで好みの音に調整することで音を追い込む事が出来る。

 

“AMPLIFi”の完全使いこなし術<後編>ROLLY試奏動画レポート

ぎんじねこプロフィール

 YouTube動画再生回数520万回、チャンネル登録者数8000名以上のモンスター・チャンネルを運営し、オリジナル曲のセルフ・プロモーションや、メーカーの製品レビュー、モニター動画などの配信活動を数多く手がける。2009年、Gibson社のオフィシャル・バンド・コンテストにて、ギターソロで2位入賞。日本を代表するトップミュージシャンである、西川進氏や松田"FIRE"卓己氏とも共演。また、音楽誌の特集ページやCDレビュー等への寄稿など幅広く活動中。さらに、15年の講師活動を経て、現在は“ヤマノミュージックスクール”のギター科インストラクターとして、後進の指導育成も努めている。

LINE 6「AMPLIFi」の詳細・お問い合わせ

LINE 6「AMPLIFi」公式サイト http://jp.line6.com/amplifi/

LINE 6「AMPLIFi」特集・記事インデックス一覧はこちら

【PART1】AMPLIFiをROLLYが入魂の試奏動画レポート!
ROLLYが、大胆かつ丁寧にAMPLIFiのサウンド、各種機能をチェック。成熟したギター・プレイヤーである彼一流のユニークな視点がとらえた、新世代アンプの“使い勝手”とは?

【PART2】“AMPLIFi”の完全使いこなし術〜前編
ギターアンプを再発明”第三のスタンダードアンプへ/AMPLIFiの特徴/高級感と洗練されたデザインに隠された最新のテクノロジー

【PART3】“AMPLIFi”の完全使いこなし術〜後編
専用無料アプリ「AMPLIFi Remote」/“トーンマッチング・テクノロジー”で面倒な音作りから解放/Bluetooth ワイヤレス・ステレオ・スピーカーシステム

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