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LINE 6「AMPLIFi」をコントロールするiPhone/iPad向け専用アプリ「AMPLIFi Remote」

LINE 6が満を持してリリースした革新的ギター・アンプ[AMPLIFi特集の記事一覧

“AMPLIFi”の完全使いこなし術をぎんじねこがレクチャー!〜専用アプリ「AMPLIFi Remote」とトーンマッチング・テクノロジー

専用アプリ「AMPLIFi Remote」サウンド作りの要“Editor”を使いこなそう
次世代の音作り“トーンマッチング・テクノロジー”Bluetoothワイヤレス・ステレオ・スピーカーシステム

【3】AMPLIFiの心臓部 無料アプリの「AMPLIFi Remote」と連動させて機能をフルに利用する

専用アプリ「AMPLIFi Remote」について

 AMPLIFiの大きな特徴の一つとして、従来のアンプシミュレーターアンプにはなかった「フルサイズのアンプシミュレーター」が搭載されている点が上げられる。AMPLIFiに搭載されているPODは「POD Farm 2 Platinum」がベースとなっており、ギターアンプはキャビネットを含め78種、エフェクト・モデルは100種以上と言う豪華なラインナップで、これらを組み合わせるとトーンのバリエーションは数万通りをゆうに越え、まさしくフル機能のPODを堪能することができる。その基幹部となる、PODのシステムは、Bluetoothで接続されたiOS端末にインストールされた、「AMPLIFi Remote」と言うアプリで操作をすることができる。

  • AMPLIFi RemoteはApp Storeから、無料でダウンロードすることができる(LINE 6 AMPLIFi)

    まずは、App Storeから無料でダウンロード出来るAMPLIFi Remoteをダウンロードする。

 AMPLIFi RemoteはApp Storeから、無料でダウンロードすることができる。ダウンロード後は、事前に取得しておいたLINE 6のアカウントを入力することで使用可能となる。AMPLIFi RemoteはLINE 6の製品に慣れ親しんでおれば違和感無く使う事ができる。更に、タッチ操作を持つiOS端末のアプリ化により、視覚的且つ直感的に指先で簡単に値や設定を変更することができる。

  • アプリを起動すると、この様に音楽ライブラリーが表示される(LINE 6 AMPLIFi)

    アプリはiPhone/iPad両対応しており、当たり前ではあるがiPadの方が視認性と操作性は高い。 ※画面はiPad miniの物です。

 アプリを起動すると、この様に音楽ライブラリーが表示される。この画面から左側のメニューを開くことで、トーンエディターや、トーンマッチングシステムを利用することができる。この時点で、端末がインターネットに接続された上で音楽ライブラリーを再生すれば、トーンマッチング機能が働き自動的に曲に合わせた最適なトーンがロードされて気軽にジャムセッションを行う事ができる。

  • デフォルトの設定ではトーンマッチングはauto Tone Load(オートトーンロード)になっている(LINE 6 AMPLIFi)

    以降で解説していくトーンマッチング機能の使い方に合わせてオートロードを好みで合わせよう。

 なお、デフォルトの設定ではトーンマッチングはAuto Tone Load(オートトーンロード)となっており、左メニューの一番したの設定画面から、オートトーンロードのON/OFFを切り替える事ができる。

  • 左メニューの一番したの設定画面から、オートトーンロードのON/OFFを切り替える事ができる(LINE 6 AMPLIFi)

    画面左上の三本線のアイコンをタップすることでメニューが開く。

 メニューには、Music Libraryの他にMy Tones、Favorites、AMPLIFi、Editor、Tuner、Levelの項目が並ぶ。

 My TonesにはEditorを使用して作成したオリジナルトーンが保存され一覧で表示される。Favoriteにはお気に入りとして登録したトーンが一覧表示される。AMPLIFiはBluetoothで接続された本体の設定を読み込む。Editorはアンプシミュレーター部をフルカスタマイズでき、AMPLIFiの大きな機能のひとつと言える。

 AMPLIFi本体も、TAPボタンを押す事でチューナーモードを起動できるが、ここをTAPすることでiOS側でもチューナーが起動し、そのまま画面をみながらチューニングすることができる。LEVELは、全体及びギターのバランスを調整することができる。

 この中でも、一番気になる所はやはり「Editor」だろう。

サウンド作りの要“Editor”を使いこなそう

  • Editorを開くと、上部に「シグナル・チェーン」と呼ばれる、アンプ及びエフェクターのルーティングを確認できる部分があり、その下にシグナル・チェーンで選択した機材のパラメーターを調整するスライダーが表示される(LINE 6 AMPLIFi)

    メニューから「Editor」を開いたところ。無数のサウンド・セッティングの入口だ。

 Editorを開くと、上部に「シグナル・チェーン」と呼ばれる、アンプ及びエフェクターのルーティングを確認できる部分があり、その下にシグナル・チェーンで選択した機材のパラメーターを調整するスライダーが表示される。基本的な使い方は、シグナル・チェーンで調整したい機材をタップし、下部のスライダーを動かして好みの値に調整する。

  • アンプヘッドはTypeをタップすることで、Clean、American、Britsh、High Gainの4種類のカテゴリーから好みのアンプを選ぶ事が可能(LINE 6 AMPLIFi)

    往年の名機から最新のモダンアンプまで、これら全てを無料で使える。

 アンプヘッドはTypeをタップすることで、Clean、American、Britsh、High Gainの4種類のカテゴリーから好みのアンプを選ぶ事が可能になっている。

  • キャビネットの選定(LINE 6 AMPLIFi)

    同様にキャビネットの種類も豊富に揃っている。

  • CabにはEarly Reflectionsの調整とMicの種類を選ぶことができる。Micは57S、57A、421、67から選ぶ事ができる(LINE 6 AMPLIFi)

    箱鳴り(Early Reflections)とマイクも選べる。

 CabではEarly Reflectionsの調整とMicの種類を選ぶことができる。Micは57S、57A、421、67から選ぶ事ができる。

 PODの音作りの大きな特徴の一つは、これらヘッド+キャビネット+マイクをベースとして更にエフェクターの組み合わせと値の調整により、順列組み合わせにすれば何万通り以上のトーンを作成できる点にある。

 マルチエフェクターと大きく異なる点はアンプの選択肢にあり、サウンドキャラクターの根幹であるアンプ部の組み合わせ次第で、180度全く違うサウンドを生み出す事ができる。PODで音作りをする手順として、まずエフェクター類は全てOFFにし、ヘッド+キャビネット+マイクのみで様々な組み合わせを試す。そうやって、アンプ類だけで好みのサウンドキャラクターを作成したうえで、エフェクター類を調整していくと素早く思い通りの音を作る事ができる。

  • エフェクター類もアンプと同様にかなりの数がラインナップされている(LINE 6 AMPLIFi)

    100種類以上もラインナップされたエフェクター選択画面。

 エフェクター類もアンプと同様にかなりの数がラインナップされている。操作方法はアンプと同じだが、エフェクターはシグナル・チェーン上でタップ/ホールドすることで、ルーティングを入れ替える事ができる。但し、動かせないエフェクターと動かせるエフェクターがあるので、以下にそのルーティングルールをまとめておく。

【AMPLIFi/エフェクターのルーティングルール】
・Gate、Wah、Amp/Cab、アンプの直後にあるCompとEQの位置は動かせない(固定位置)
・Volをポスト側に配置した場合、EQの直後に固定される
・Volをプリ側に配置した場合、Wahの直前に固定される
・Stomp(Drives & Dynamics、Mods、Delays、Filters、Synths and Pitchの4カテゴリーが含まれる)、Mod、Deley、Reverbはプリ/ポストのどちらにでも配置できる。※但し、プリはWah以降、ポストはEQ及びVol以降となる。
・Reverbはポスト/プリ共に、一番最後にしか配置できない

 文字で書き起こすとわかりづらいが、アイコンをタップ/ホールドすると、移動可能な位置に縦線が入るので、直感的にどこに移動できるかどうかはすぐにわかる仕様となっている。

  • 作成したオリジナルトーンは、画面下の「Save Info」から必要項目を記入(LINE 6 AMPLIFi)

    作成したオリジナルトーンの編集画面。トーンマッチングの機能をフルに使うためにも可能な限り詳しく記入しよう。

 作成したオリジナルトーンには、画面下の「Save Info」から必要項目を記入することができ、アプリ内と本体に保存できる。また、1タップでクラウドにアップロードすると世界中のユーザーとシェアが可能になり、トーンマッチテクノロジーから利用できる。※詳しくは、後述のトーンマッチングを参照

【4】音作りの煩わしさから解放される次世代の音作り“トーンマッチング・テクノロジー”

 POD HD始めPODシリーズには、自分で作成したトーンをファイルとしてPCに保存して、バックアップや知り合いと共有することができる機能がついている。また、LINE 6のカスタムトーンに登録すれば、サーバーを介して世界中のPODユーザーが作成したトーンを検索し、自分のPODに取り込む事ができる。トーンマッチテクノロジーとはこの共有機能を更に発展させ、クラウド時代と呼ばれる現在のネット環境を最大限に利用した、無制限トーンアーカイブをワンタップで利用できるシステムだ。

 更に、共有するだけではなく、作成されたトーンの情報とiOS端末に保存されている音楽ライブラリーの各楽曲の情報を読み取り、曲にあった最適なトーンをクラウドから検索し、自動的にロードすると言う近未来的なテクノロジーだ。平たく言えば、音楽ライブラリーからジェフ・ベックの曲を再生すれば、世界中のユーザーが作成した7000以上のトーンの中から、ジェフ・ベック風のサウンドを数種類チョイスして、一番人気の高いトーンを自動的にロードする機能だ。AMPLIFiの発売時には既に7000以上のトーンがクラウドに準備されているが、AMPLIFiの利用者が増えれば、それに応じてクラウドにアップロードされるサウンドパッチも増加し、理論的には無限のトーンを利用できる様になる仕組みだ。

 AMPLIFiにはフルサイズのシミュレーターが搭載されていて、それを自分で手塩にかけて育てて行くのも一つの楽しみではあるが、ワンタップでトーンがロードされると言う気軽さは一度体験するとやめられない魅力がある。また、ロードされるトーンは自分自身でカスタムも可能なので、他のAMPLIFiユーザーがどうやってトーンを作っているのかといった参考にもなるし、新たに作成するトーンの下地としても利用できる。更に、ロードしたトーンでとりあえず気になった物があれば、どんどんSaveをしていくことで、My Tonesに保存されるので、自分独自のトーンライブラリーを作ることができる。

  • 自分独自のトーンライブラリーを作ることができる(LINE 6 AMPLIFi)

    iTunesの楽曲情報画面。トーンマッチテクノロジーはここの情報を参照している。

 実際に、トーンマッチテクノロジーを利用する上で一つ注意点がある。それは、トーンマッチテクノロジーは、楽曲に埋め込まれている情報を参照していると言う事だ。

 iTunesを開いて曲の情報をみてみると、アーティストや作曲者、曲調、アルバム名等、様々な情報がはいっていることがわかる。この情報を検索ワードとして、クラウドに保存されたトーンから最適なトーンを検索して表示させるのがトーンマッチテクノロジーの仕様となっている。

 トーンマッチテクノロジーは世界中のユーザーと共有されている点、昨今の楽曲は日本語よりも英語を使用している事が多い点、この2点から、トーンマッチテクノロジーの精度を上げるには英語での情報入力が推奨されている。英語とは言っても、難しいものではなく、英語の曲名なら英語で、曲調がロックならRockと言った簡単な英語で問題は無い。

  • トーンマッチテクノロジーの精度を上げるには英語での情報入力が推奨されている(LINE 6 AMPLIFi)

    アーティスト名や曲名は英語表記にする方が良いだろう。

 自分で作成したトーンをクラウドにアップする為には、トーン情報を記述する必要がある。Editor画面の下の「Save Info」をタップすることで、トーン情報を記述する画面に移る。ここの記述を英語で行う事がポイントである。但し、日本語の曲名を無理矢理英語にする必要は無い。Basic InfoのAuthorとUploadedは最初にログインした情報が自動的に入力されるので、入力する必要はない。Song Infoについては、誰のどの曲をイメージして作ったトーンなのかを入力すると良い。特にイメージする楽曲がなければ、作成したトーンで良く演奏する曲を入れても良いが、あまりかけ離れた曲の情報を記入しても優先的にはロードされにくいので、沢山のユーザーに試してもらいたい場合は、トーンの情報に近い楽曲名をいれる方が適切だ。

 情報入力が完成すれば、左上の「Save Tone」をタップする。「Save to My Tones」はメニューのMy Tonesに保存され、Save Asを保存すると上書きされ本体の現チャンネルに保存される。保存が完了すると、右上の「Publish」がタップできるようになる。このPublishをタップすることで、トーンクラウドにアップされ、世界中で共有可能な状態となる。※パブリッシュされたトーンの反映に少し時間がかかる場合もあるとのことだ。

 基本的には、端末に保存している音楽ライブラリーの曲を再生することで、自動的にトーンをロードして使う方法が一般的ではあるが、気になったトーンをどんどんMy Tonesに保存していき、自分独自のトーンライブラリーを作り、それをベースにEditorで微調整し、自分だけのオリジナルトーンバンクを作成するのも楽しみ方のひとつである。

【5】Bluetooth ワイヤレス・ステレオ・スピーカーシステムについて

  • AMPLIFiには、特性の異なる5つのスピーカーシステムが配置されている(LINE 6 AMPLIFi)

    3Way/5スピーカーシステム。ギターとオーディオの両方を最良の音質でアウトプットしてくれる。

 最後に、やはり一番の目玉であるAMAPLIFiのスピーカーシステムについても詳しく見て行きたい。

 通常のギターアンプのスピーカーはモノラル仕様になっている。スタックアンプのキャビネットであれば、12ichのスピーカーを2つ並べて上下に配置した4スピーカーが一般的だ。これを、均等の音量で鳴らすことで大音量を実現しており、勿論単一指向性のマイクで個別のスピーカーを狙う事でステレオ効果を出す事も可能であるが、位相に違いがない限りはギターの音もエフェクト音も同じ音量でスピーカーから出力されるため、実質モノラルサウンドになる。ソリッドステートで有名なJC-120はステレオ出力がついているが、AMPLIFiが決定的に違う点は、3wayで出力されるところだ。

 昨今のメジャーどころのアーティストのシステムは、大抵3wayで構成されており、ギターのドライ音をセンター、エフェクトを2chのステレオと言った具合に分離して出力している。空間系のエフェクターの特性上、こうやってドライとエフェクト音を分離した方が音抜けがよくなり、音に立体感が増すからだ。

 AMPLIFiには、特性の異なる5つのスピーカーシステムが配置されている。そして、それを3基のパワーアンプから個別に出力することで、ギターだけのドライ音をセンタースピーカーから。空間系等のステレオ対応のサウンドは左右のスピーカーからステレオで出力される。

 更に、AMPLIFi Remote上で再生される音楽ライブラリーの音楽や、背面AUXから入力された音は、左右の同軸スピーカーからステレオで個別に再生される。そして、音楽の低域の部分のみがセンタースピーカーから出力される。これにより、ギター音と音楽のサウンドは切り離され、別々にステレオとして出力されるため、お互いのサウンドで埋もれる事なく出力される。

 AMPLIFiのこのスピーカーシステムにより、スティーヴ・ヴァイやヴァン・ヘイレン等の偉大なサウンドを手軽に自宅で実現できてしまうことが凄い。因に、センタースピーカーから出力される音楽の低域については、ギターのドライ音と出力が同じだが、実際にはギターサウンドの上で、低域は回りのバランスからカットする事が多く、厳密に言えば音楽とかぶってしまう低域は音作りの段階で切り捨てるので、帯域として分離して出力することになる。また、ギターを接続していな状態では、音楽再生専用のスピーカーとしても十分な音質を発揮する。

 AMPLIFiに搭載されたBleutooth ステレオ・スピーカーは、ギターを弾いても良し、音楽を聞いても良しの、一石二鳥のスーパーシステムなのだ。

 

“AMPLIFi”の完全使いこなし術<前編>ROLLY試奏動画レポート

ぎんじねこプロフィール

 YouTube動画再生回数520万回、チャンネル登録者数8000名以上のモンスター・チャンネルを運営し、オリジナル曲のセルフ・プロモーションや、メーカーの製品レビュー、モニター動画などの配信活動を数多く手がける。2009年、Gibson社のオフィシャル・バンド・コンテストにて、ギターソロで2位入賞。日本を代表するトップミュージシャンである、西川進氏や松田"FIRE"卓己氏とも共演。また、音楽誌の特集ページやCDレビュー等への寄稿など幅広く活動中。さらに、15年の講師活動を経て、現在は“ヤマノミュージックスクール”のギター科インストラクターとして、後進の指導育成も努めている。

LINE 6「AMPLIFi」の詳細・お問い合わせ

LINE 6「AMPLIFi」公式サイト http://jp.line6.com/amplifi/

LINE 6「AMPLIFi」特集・記事インデックス一覧はこちら

【PART1】AMPLIFiをROLLYが入魂の試奏動画レポート!
ROLLYが、大胆かつ丁寧にAMPLIFiのサウンド、各種機能をチェック。成熟したギター・プレイヤーである彼一流のユニークな視点がとらえた、新世代アンプの“使い勝手”とは?

【PART2】“AMPLIFi”の完全使いこなし術〜前編
ギターアンプを再発明”第三のスタンダードアンプへ/AMPLIFiの特徴/高級感と洗練されたデザインに隠された最新のテクノロジー

【PART3】“AMPLIFi”の完全使いこなし術〜後編
専用無料アプリ「AMPLIFi Remote」/“トーンマッチング・テクノロジー”で面倒な音作りから解放/Bluetooth ワイヤレス・ステレオ・スピーカーシステム

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