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LINE 6「AMPLIFi」インプレッション by ROLLY

LINE 6が満を持してリリースした革新的ギター・アンプ[AMPLIFi特集の記事一覧

LINE 6 AMPLIFiをROLLYが入魂の徹底試奏レポート!

LINE 6 AMPLIFi アンプ・モデリング搭載のマルチ・エフェクト、PODシリーズでギター・レコーディングの世界を一変させたデジタル・ソリューションの革命児LINE 6より、全く新しい音楽ライフを予感させる最先端モデリング・アンプ『AMPLIFi(アンプリファイ)』が登場!!
 最適なトーンを自動的にチョイスするトーンマッチング・テクノロジー、ギターアンプ/音楽再生の両方で威力を発揮する5way Speaker、iPhone/iPadアプリ上で行う、ワイヤレス統合コントロールなど、「アンプを再発明した」というコピーが決して大げさなものではないと思わせるほど、斬新な発想に満ちた製品となっている。
 今回は、その魅惑的な性能の数々について、変幻自在のギター・テクニックでおなじみのROLLYが、大胆かつ丁寧にそのサウンド、各種機能をチェックしてくれた。試奏は、まさにぶっつけ本番。成熟したギター・プレイヤーである彼一流のユニークな視点がとらえた、新世代アンプの“使い勝手”とは? そのファースト・インプレッションを聞いてみた。

インプレッション動画 by ROLLY

  • ROLLYが徹底試奏!LINE 6 AMPLIFi - プリセット・サウンドをチェック!

  • ROLLYが徹底試奏!LINE 6 AMPLIFi - 楽曲に合わせてジャム演奏!

試奏を終えて〜ROLLYが感じたAMPLIFiとは?

オールマイティーな“美形”アンプ参上

  • 手始めにファクトリー・プリセットをチェックするROLLY(LINE 6 AMPLIFi)

    手始めにファクトリー・プリセットをチェックするROLLY。

  • ドライブやトーンの変化も細かくチェックしていく(LINE 6 AMPLIFi)

    ドライブやトーンの変化も細かくチェックしていく。

──様々な新機能が売りの“AMPLIFi”ですが、今日初めて本物を見て、第一印象はどうでした?

ROLLY:まず、ルックスがおしゃれです! 「家具調」ですよね。リビングやベッドルームにあっても、全く違和感がない感じで統一されている。

──見た目は確かに斬新ですよね。洗練されているというか。

ROLLY:うん。ノブひとつにしても、いかにもギターアンプらしいルックスってありますけど、日本の住宅事情にはマッチしなくなってくる可能性もありますからね。大体、友達の家に行くと、アンプは玄間先に置かれているものですし(笑)。

──それか、車のトランクの中ですかね(笑)。“AMPLIFi”は部屋に持ち込み易い重量も魅力の一つと考えるべきなんでしょうね。

ROLLY:『ギターアンプ』+『ミニコンポ』というふうに考えると、そうなんですよね。全ての面で、部屋にその二つを並べて置くより、断然スタイリッシュ。

──アプリ(AMPLIFi Remote)を使わず、シンプルに『ギターアンプ』単体の機能として使ってみた時の音はどうでした?

ROLLY:ギターアンプ単体としては、やっぱりiPhoneやiPad(iOSデバイス)があるのが前提のモデルだからどうしてもやる事が限られちゃうけど、最初からプリセットされている音はさすがに“POD”のLINE 6って感じで、ウォーム、そしてチューブっぽいニュアンスがよく出ていたと思います。

──4つのファクトリー・プリセットの中から選ぶとしたら、どのチャンネルが良かったですか?

ROLLY:「A」(リズムチャンネル)と「B」(リードチャンネル)は特にディストーションっぽい歪みでしたね。僕は普段はFender“Bassman”を使っているから、「C」(クリーンチャンネル)が良かったかなー。クリーン・チャンネルってことだったけど、ちゃんとナチュラルなオーバードライブぐらいには歪んでくれますよ。ボリュームにしっかり反応しますし。

──レイテンシーは感じましたか?

ROLLY:特に気にはならなかったです。十分にダイレクト感があるんじゃないかな。特にレコーディングだとすごくイイ感じになると思います。

──音量的にはライブで使えそうですか?

ROLLY:あんまりドンカンドンカンいうロックバンドやヘビーメタルじゃなければ、ステージでも使えると思います。でも、チューブの150Wや75Wと比較したら、そこまでの音量は出ないというのはわかった上で使った方が良いです。

──なるほど。でも、モニターとしては十分機能しそうですね?

ROLLY:それは問題ないですね。あっ、あと、モニターと言えば、ヘッドホンの音質が良かったように感じました。分離が良かったし、低音もすっきり聴こえて。

──ギターアンプとしては、家庭向きですか? ライブ向きですか?

ROLLY:第一印象だけで言えば、家庭向きですね。(150Wは)音が大きくてライブでも練習でも使えるけど、やっぱり、「家に置くギターアンプ」っていう立場が一番ぴったりだと思います。

高機能、高音質が生む贅沢な悩み

  • ROLLYオリジナルのギターに持ち替えてトライ(LINE 6 AMPLIFi)

    ROLLYオリジナルのギターに持ち替えてトライ。

  • このトーンはなかなかイケる!(LINE 6 AMPLIFi)

    このトーンはなかなかイケる!

──なるほど。「家に置くギターアンプ」と考えると、ステレオ・オーディオの機能が一体化している点も評価できますよね。

ROLLY:何といっても場所をとらない。Bluetoothでの接続は簡単だし、配線も必要ないですからね。

──単純に、コンポの代わりをするHiFiオーディオ再生機器として見た場合、その音質はどう評価されますか?

ROLLY:それはあまりテストしてないけど、悪くないと思いますよ。よくこういう機器にありがちな素のままの音じゃなくて、きちんと聞き易く補正された音で再生している感じを受けました。でも“AMPLIFi”の場合、オーディオの再生が本領を発揮するのは、ギターアンプの機能と同時に使った時だと思いますよ。

──iOS機器のライブラリの音楽を“AMPLIFi”で再生しながら、ギターを合わせて弾いた時はどうでした?

ROLLY:まず、選択した曲と「似たギターの音」(トーン)が、デフォルトで自動的に選択されるんだよね。例えば、Deep Purpleだったらリッチー・ブラックモアとか、Ozzy Osbourneだったらランディー・ローズとか。

──「トーンマッチング」機能ですね。似ていましたか?

ROLLY:結構、似てるのもありましたけど、それよりも、世の中便利になったと思いましたわ(笑)。

──そのギタリスト風な音で、本人になりきって弾くのは気持ち良さそうですね。

ROLLY:僕的には、「その音」になるセッティングの方に注目しちゃいますけどね。何百種類もアンプやエフェクターのモデルが搭載されてるわけでしょ? その中からゼロから本人に近い音を音を探すのは、初心者じゃなくても大変な作業ですからね。

──確かに。ある程度機材にもアーティストのセッティング情報にも詳しくないと無理ですもんね。

ROLLY:そう。だから、(iPadを指して)これを見たら、候補で出た音が例えジャストじゃなくても、何のアンプで、どんなパラメーターで、どんなエフェクトを使っているのかってことが一目瞭然じゃないですか。ある程度でも気に入ったらそれを補正して行けば良いんだから、凄く楽。そして勉強になります。

──なるほど、そんな見方もできますよね。

ROLLY:トーンの候補は換えられるんで、好みの音を選んで調整すれば良いだけなんですけどね。ただ、あまり音が似すぎると、音楽と同時に鳴らした時に音が混ざっちゃって、わからなくなっちゃう時があるんですよ。別のスピーカーから再生されているとはいえ、同じ方向から出てくるので、仕方ないんですけどね。

──裏を返せば、それだけ本物そっくりな音を造れるからこその、贅沢な悩みじゃないですか。

ROLLY:いや、本当にそうだと思います。それがあまりにも簡単にできてしまうんで……とにかく、ギターの音はあっという間に本物そっくりな音にできます。しかも、相当そこからかなり深く作り込んで行けますし、音作りやコピーやる人にはすっごく便利ですね。

──ちなみに、今日試した中で、一番似てるなーって感じたのはどの音でした?

ROLLY:Mountainのレズリー・ウェストの音なんかとても良かったですよ。気に入りました。

クラウド・システムが生む新たな可能性

  • AMPLIFiの要、iPadを使った「トーン・マッチング」にトライするROLLY(LINE 6 AMPLIFi)

    AMPLIFiの要、iPadを使った「トーン・マッチング」にトライするROLLY。

  • ゴールド・パーツが最高級機種ならではの高級感を醸し出す(LINE 6 AMPLIFi)

    楽曲とのJAMセッション、スタート!

──“AMPLIFi”は、誰かのプリセットを試す事や、自分のプリセットをアップロードして、第三者に比較してもらう事もできるんですよね。

ROLLY:すごい機能ですよねぇ。(iPadのトーン一覧を見ながら)この、横に付いている星が、それを試した人に支持されているかのバロメータなんですよね。

──そういう事を繰り返せば、だんだん音の近似精度もあがっていくはずですしね。

ROLLY:僕なんかはへそ曲がりなので、逆に全く違う音で曲に自分のフレーズを乗せてみたいんですよね。実際にそうやったら凄く気持ち良かったし。だから、個人的にはそこまでそっくりな音は必要なかったんですけどね。

──カブらない音だから、同じ方向から音が来ても混ざってしまう事が無くて、気持ちよくプレイできたって事じゃないですか?

ROLLY:あ、そうかも! きっと、そうなんですよ! それが最大の要因かもしれない。うん、そこに“AMPLIFi”って機材のもう一つの魅力があるような気がします。

──あえて音色をずらして弾く魅力、確かにありそうですね。でも、一方では、音もコピーしたい人なんかにとっては、ここまで精度が上がると、逆に、もっと細かな、例えば、その音を造った時のピックアップの種類とか、シールドとか……そんなパラメーターも知りたくなるんじゃないですかね?

ROLLY:どうかなー。僕は、音っていうのは、最終的には自分で決めてナンボだと思います。さっき選んだランディの音だって、パッチを造った人は本格的にダブル・トラックで離れたスピーカーの音を再生しながら造ったのかもしれないし……気にしても切りがないと思いますよ。ライブやってる人の弦が「古そうだなぁ」とかいちいち意識しないのと同じ。結局は「自分が気持ちよく弾けるか」っていうのが一番大切な事だから。

──似ている音でも、自分の感性で微調整できるくらいでちょうど良いってことですね。

ROLLY:よっぽど“ものぐさ”な人以外は、ね(笑)。もっとも、僕みたいな人に、自分では一生造れないであろうギター・サウンドを教えてくれるっていうのは、これは凄く有効な機能ですね。

──ROLLYさんがこれで造ってみたいトーンってありますか?

ROLLY:そうですね……例えばParisのセカンド・アルバム『Big Towne,2061』のボブ・ウェルチのギター・サウンドなんかを造ってみたいかなぁ。ものすごーく冷たい、ジミー・ペイジの音を硝子でカリカリにコーティングしたみたいな音なんですけど、レスポールの音なんですよ。カッキンカッキンなのに。それなんか面白いかな。

──じゃあ、それがクラウドに上がってたら、ROLLYさんが造ったサウンドかもしれないですね(笑)。

ROLLY:そう考えると、有名な音にどれだけ近づけるかってのも良いけど、今までに注目を浴びていないようなマニアックな音もこれで配信できるのは、実は凄く画期的な事かもしれないよね。

あなたが育てるアンプ“AMPLIFi”

  • 曲はヴァン・ヘイレンの「ユー・リアリー・ガット・ミー」!(LINE 6 AMPLIFi)

    曲はヴァン・ヘイレンの「ユー・リアリー・ガット・ミー」!

  • この日、一番盛り上がったJAM。ROLLYが吠える!(LINE 6 AMPLIFi)

    この日、一番盛り上がったJAM。ROLLYが吠える!

──ROLLYさんなら、この“AMPLIFi”をどんな人に薦めたいですか?

ROLLY:まず、iOSデバイスを持っている人が使うっていうことが大前提の機材だと思います。iPadもiPhoneも無いんじゃ、このものすごい機能を100分の1も活かせないってことだけは確か。当たり前すぎます?

──いえ、大事な事です。逆に無いと何もできないって言えなくもないほど、本体の機能はシンプルですから。

ROLLY:ですよね。オススメなのは、まず、さっきも言いましたが、フルコピー組に最適ってことかな。音はすぐにセットできるし、練習も全部一台で完結できる。

──久々にギターやろうって往年のバンドマンとかにも良いですよね。見た目が良いから、家に置いても家族から白い目で見られにくいですし(笑)。

ROLLY:ベテランの方が、The Rolling StonesでもThe Beatlesでもなんでも、思い出の曲をやるんだったら、絶対に喜ぶと思う。そういった人たちがこだわるほどには、今の段階でもこの音は十分に追いついているので安心して良いと思う。

──さらに上級者のROLLYさんでも、バックにあわせて手なりで弾いていた時は相当気持ち良さそうでしたよ?

ROLLY:それだって、十分AMPLIFiの機能を生かした使い方だと思います。コピーじゃなくオリジナルのプレイを愛する人、育てたい人にも、使い方次第でバッチリ琴線に触れる部分がありますよ。

──初心者にはどうです?

ROLLY:機能的には、いきなりはハードルが高いかもしれないですね。でも、音の候補をある程度出してくれるから、ガイドの役割もあるし、さっきも言ったけど、音を学習したりするのに凄く良い教材だから、長く使いこんでいけるって意味では十分使いどころはあるはずですよ。

──コストパフォーマンスも高いんじゃないでしょうか?

ROLLY:iPhoneとかがあれば、この値段で、アンプも、“POD”も、ステレオ・コンポも、オール・イン・ワンで一式そろうのは確かに大きい。実物を買えば何十万もかかるアンプを間違って買わなくて済むっていうリスク回避にもなるし、お金をかけられない初心者にとってはそういう面では良い事も多いよね。

──では、最後に。この製品をこれから買う人に向けて一言お願いします。

ROLLY:育てていける、突き詰められる、そしてやればやるほど人に影響を与えられる……“AMPLIFi”っていうのは、そんなアンプ。せっかく今までに無かったものなんだから、「あなたがこれの第一人者になるべきだ!」って僕は言いたいですね。

 

“AMPLIFi”の完全使いこなし術<前編>“AMPLIFi”の完全使いこなし術<後編>

ROLLYプロフィール

 雅なビジュアルと変幻自在のギター・テクニックでおなじみの「エンターティナー」にして、日本ロック界の重鎮。暁光にむせぶような極上のフレージング・センスを繰りながらも、「今まで完コピーした曲はゼロ」と本人が言い放つ様はまさに魔人の風格。ソロに転身後は、音楽プロデュースやライブツアーを精力的にこなしながらも、そのユニークな言動でタレントや役者としても活躍。近年、“すかんち”も待望の復活を果たし、ますます活動の幅を広げている。

ROLLY オフィシャルHP http://www.rollynet.com/

LINE 6「AMPLIFi」の詳細・お問い合わせ

LINE 6「AMPLIFi」公式サイト http://jp.line6.com/amplifi/

LINE 6「AMPLIFi」特集・記事インデックス一覧はこちら

【PART1】AMPLIFiをROLLYが入魂の試奏動画レポート!
ROLLYが、大胆かつ丁寧にAMPLIFiのサウンド、各種機能をチェック。成熟したギター・プレイヤーである彼一流のユニークな視点がとらえた、新世代アンプの“使い勝手”とは?

【PART2】“AMPLIFi”の完全使いこなし術〜前編
ギターアンプを再発明”第三のスタンダードアンプへ/AMPLIFiの特徴/高級感と洗練されたデザインに隠された最新のテクノロジー

【PART3】“AMPLIFi”の完全使いこなし術〜後編
専用無料アプリ「AMPLIFi Remote」/“トーンマッチング・テクノロジー”で面倒な音作りから解放/Bluetooth ワイヤレス・ステレオ・スピーカーシステム

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