今や世界的にスタンダードとなっている「クリップ式チューナー」を開発したことでも知られるコルグから、チューナーの新機種4モデルがリリースされたので、ここにそれぞれの概要をご紹介していこう。

□PitchHawk-G2／PitchHawk-U2

　まずはクリップ式チューナーの最新機種。クリップ部の脆さが難点と言われたりする本タイプだが、このPicthHawkシリーズでは可動アーム部分とボール・ジョイント部分を二重構造にするなどして改善が図られている。ディスプレイにはカラーLDCを採用しており、これは同社クリップ式チューナーとしては初めての試み。クリップ式チューナーはコンパクトな反面、ディスプレイの視認性が低くなることがあるが、色をつけることでより見やすくするという狙いだろう。ラインナップはギター／ベース用の「PitchHawk-G2」とウクレレ用の「PitchHawk-U2」が用意されており、ともにキャリブレーション機能を搭載。加えて前者では通常のクロマチック・モードの他にギター／ベース双方に特化したチューニング・モードも搭載されており、カポタスト／フラットの設定も可能、後者ではソプラノ、コンサート、テナー各サイズに対応するモードの他、ローGや6弦、8弦ウクレレ用のモードも搭載されており、キャリブレーションを使用せずとも様々な場面に対応できるよう配慮がなされており、ビギナーでも安心して扱える親切な機種に仕上げられている。

□Slimpitch

　2つ目はカード型チューナーの新モデル。サイズは75（W）x 32（D）x 15（H）mmとかなりの小型化が図られており、ポケットに収まるほど小さいが、こちらもカラーLCDディスプレイを採用することで視認性へのフォローがなされている。ブラスバンドやオーケストラ奏者の使用に特化されているのもポイントで、専用のコンタクト・マイクが付属されており、全体練習の時など内蔵マイクでの使用が難しい状況への配慮がなされている。他、ボディ上面にはマグネットが仕込まれているが、これは譜面台の底辺に取り付けて使用するためのもの。従来の同タイプ製品では譜面台の上へ乗せて使用するのが常であったが、これだと楽譜の下部の一部が見えなくなったり、また楽譜がめくりづらいというデメリットもあった。ボディ上面にマグネットを内蔵することで、読譜を邪魔せずにチューナーを使用できるようになったわけだ。

□Dolcetto-KT

　管弦楽器用クリップ式チューナーとして開発された「Dolcetto」シリーズに限定でハローキティとのコラボ・モデルが加わった。トランペットやトロンボーン、バイオリン、ヴィオラなど大小さまざまな管弦楽器に対応しつつ、メトロノーム機能の搭載など練習用としても活用できる同シリーズは、もとより中高生にも人気があった。かわいらしいあしらいの本モデルは女子を中心にさらなる人気を呼びそうだ。

□Rimpitch-C

　最後はアコースティック・ギターのサウンドホール内側に取り付けて使用するというコルグらしい斬新な製品のアップデート版。今回の改良でクロマチック機能が追加搭載されたので多様なスタイルや状況に対応できるようになった。チューナー本体にはピエゾPUが内蔵されており、これにより音の検出を行なう。検出〜認識までのスピードが速く、また演奏時の視線とほぼ同じところにチューニング・メーターが配置されるため、演奏中にチューニングを変更するなど、アコースティック・ギターならではの特殊な奏法をサポートしてくれるアイテムにもなってくれそうだ。