「買取」とは、その名の通り手持ちの楽器を楽器店に買い取ってもらうこと。楽器売却における最もメジャーな取引方法だ。ここでは買取業者が指定の場所まで楽器を引き取りに来てくれるサービス、「出張買取」について紹介しよう。せっかくなので楽器を売りたい人間が多いリットーミュージックまでイシバシ楽器のスタッフの方に出張いただいた。
出張買取とは、楽器店のスタッフに直接家や倉庫まで来てもらってその楽器を査定に出すというサービス。店頭買取のように足を使わずとも、また宅配買取のように梱包の手間もかからない超手軽な買取サービスだが、大手楽器店でも特定地域に限定した対応になっている場合が多く、誰もが利用できるわけではない。また多くの場合、出張訪問は楽器を引き取るためのもので、検品・査定は自社へ持ち帰って行なうというシステムをとっていることから、取引成立〜入金まで若干の時間がかかる。しかしそれを差し引いてもこの手軽さは非常にありがたい。多くの楽器を査定に出したい場合、また大型アンプやバス・ドラムなど運搬が難しいものでも請け負ってくれるので、思い切って断捨離したいという人にはうってつけのサービスだ。
注意点としては、宅配買取と同様、あまりに値のつかない案件に関しては断られることがある他、上述のように地域によっては申し込みができない場合があること。また、キャンセルの時には返送料を顧客が負担するケースが多い。ただしこれに関しては、楽器を引き取りに来てもらった時にスタッフが簡易的な査定金額を伝えてくれることも多いので、そこでの金額を聞いてキャンセルすれば手数料などはかからない。それと、楽器を引き取ってもらう時には身分証明書のコピーが必要になることも覚えておきたい。
総じて「手軽さ」が最大の魅力となるこのサービスについて、実際の流れに沿ってレポートしていこう。今回は楽器持ちの多いリットーミュージックまで出張買取していただいた。以下の動画と併せて参考にしてほしい。
今回は20個以上の楽器が集まった。ギターやドラム、エフェクターからエレキ・バイオリンまで、種類もさまざま。
予約の電話。査定に出す楽器の種類や量を、おおまかでも良いので伝えておく。
まずは出張買取査定の依頼を電話で入れておこう。住所や連絡先、それに日程の調整を終えたら、どんな種類の楽器がどれくらいあるのかをあらかじめ伝えておくと話がスムーズに運ぶ。査定スタッフさんは楽器を搬入できるトラックで来てくれるが、日に何軒かまわることもあるそうで、あまりに点数が多いと査定楽器をすべて積めなくなってしまうこともある。最初に伝えておけばそのような問題も避けられるわけだ。
今回はイシバシ楽器の買取担当、稗田さんと吉田さんが来て下さった。この訪問は本来、査定に出す楽器を引き取るためのもので、査定自体は各業者が自社へ持ち帰って行なう場合がほとんどだ。今回ご協力いただいたイシバシ楽器でもそのようなシステムをとっているが、出張買取では一度査定に出した楽器の買取を中止にする場合、返送は着払いとなるため、現場で簡易的な査定を行ってくれる場合がある。ここで自分の想定する買取価格からかけ離れた値がつくようであれば、その場でキャンセルすればよい。
スタッフさん到着。
今回、出張買取にご協力いただいたイシバシ楽器、買取担当の稗田さん（左）と吉田さん（右）。
早速、簡易査定を開始していただく。
ネックの反りやフレットの残り具合を始め、楽器として「使えるもの」かどうかを優先的にチェックしていくそうだ。
パーツの交換があるかなど、どのように楽器を使ってきたか質問をされたりもする。
続々と簡易査定をお願いするリットーミュージック・スタッフ。
持ち運びが大変なバス・ドラムも出張買取ならラクラク。
現在では簡易査定とは言え、楽器はかなり細かく検分される。このギターはネック・ジョイントに浮きがあるとのことでシビアな値付けとなった。
簡易査定が済んだら、ひとまずの目安になるであろう買取価格が伝えられる。納得のいく金額であれば、査定依頼の申込用紙に署名と買取が成立した場合の振り込み先口座を記入して、楽器を預かってもらう。逆に「やはり手元へ置いておこう」と判断するのであれば、その楽器は無料でキャンセルできる。
人気かつ保管状態の良いエフェクターとのことで高値が。箱や説明書の有無でも値付けに若干の差が出る。
正規査定は後日行なわれるが、そこで大きな欠陥が見つからない限りは、簡易査定額から落差は少ない。
スタッフさんは週に何十本もの楽器を見分けている目利きのプロ。いろいろ質問してみると興味深い話が聞けるのも魅力だ。
納得の簡易査定額でお持ち帰りいただくことに。
今回はいくつか査定中止になった楽器もあったが、ほとんどはお持ち帰っていただくことに。査定に出した楽器は業者の方で細かくチェックされ、2〜3日中に連絡がもらえる。簡易査定時に見つけられなかった大きな欠陥などがない限り、当初の値から大きく前後することはないとのこと。そこで問題がなければその旨を伝えて取引成立。後日、指定銀行口座に代金が振り込まれて取引は終了となる。
イシバシ楽器による出張買取では大小さまざまな車で訪問に来てくれるので、ある程度点数が膨らんでも問題ない。
今回は取材もかねて来ていただいたが、訪問から搬出までは2時間半程度。搬出まですべて対応してもらえるので、非常に手軽だった。
今回取材にご協力いただいたイシバシ楽器では、買取／下取にも非常に力を入れている。専門の部署も用意されており、迅速＆丁寧なサービスが魅力だ。買取対象商品も幅広く、今回ご紹介した出張買取の他にも宅配、WEB査定、下取などにも対応してくれる。買取を検討中の方は選択肢のひとつに入れてみてはどうだろうか？
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