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- 2024/03/22
Gibson USA / Les Paul Junior Single Cut 2015
今回ご紹介するのは、最新の2015仕様となったレス・ポール・ジュニアです。一見すると非常にシンプルなモデルですが、そこにはギブソンの技術の粋が集められています。今回も動画を交えてレス・ポール・ジュニア・シングルカット2015の魅力を探っていきましょう。
1954年にリリースされたレス・ポール・ジュニアは、非常にシンプルな設計で価格を抑え、レス・ポールの普及版という役割を担って登場しました。ドッグ・イヤー・タイプのP-90をリアに一基のみ、1ボリューム/1トーンのコントロール、ブリッジ/テイルピースは一体型のラップアラウンド・バー・ブリッジと、これ以上そぎ落とすところはないほどシンプルな作りです。しかし、当時の良質なマホガニーを使ったボディ&ネックとP-90が最高にマッチして、レス・ポール・スタンダードやカスタムとも違うサウンドを作り出すことに成功しました。実際にその音の太さは尋常ではなく、私が知る限りでは最も音が太いソリッド・ギターはビンテージのレス・ポール・ジュニアではないかと思っています。レス・ポール・ジュニアは不思議なギターで、とても音が太いのですが同時にシングルコイルのギターらしい歯切れ良さも併せ持っています。それ故に、レスリー・ウエストのようなソロを得意とするプレイヤーはもちろん、キース・リチャーズのようなバッキングを得意とするプレイヤーの心をとらえているのでしょう。
今回、上位機種のレス・ポール・スタンダードやデラックスと同等の“2015仕様”がジュニアにも施されました。もはやお馴染みのオート・チューニング・システム「G-Force」を搭載、アジャスタブル・ナットの採用、そしてネック周りのリファインなどを施しながら、コントロール系統や基本的な構造はジュニアらしいシンプルさを保っています。
それでは、そのサウンドを動画でチェックしてみましょう。
使用アンプ:マーシャルJVM205H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソン18' Purple Gibson Instrument Cable
この2015モデルは、ジュニアが持つ歯切れの良さが際立っているように感じました。本器に搭載されたP-90について、オフィシャルHPでは“Brighter Tone with a more percussive attack”と説明していますが,まさにその通りですね。歪ませても非常に滑舌の良い、ピッキングの“カキクケコ”がはっきりと聴きとれるギターです。かといって、いわゆるアッシュ・ボディ/リア・シングルのような、セッティングを一歩間違うと耳に直撃するようなサウンドとはまたニュアンスが異なります。現代的な音作りのオケの中でも抜けてきそうなブライト・サウンドです。
話題の「G-Force」の威力も抜群で、オープン・チューニングやダウン・チューニングがボタン操作で素早くできます。ライブの時、ギターの持ち替えやチューニング・タイムを設けなくても進行できるのは大きなメリットですね。特にキース・リチャーズ好きには嬉しいギターだと言えるでしょう。バー・ブリッジとはいえ、ブリッジ駒の形に凸型が付けられていてチューニングを合わせやすいのもナイスです。2015仕様で最も印象的なネック周りも、スタンダードやデラックス同様にネック幅が広くとられ、弦高もかなり低く設定できるようフレットが処理されています。グリップはスタンダードやデラックス以上に薄く、指を立てて弾く人に合いそうです。ジュニアというと、プレイアビリティ云々ではなく力でねじ伏せる楽器というイメージでしたが、これはテクニカル系のプレイヤーでも納得の、ジュニアのイメージを覆す弾き心地だと思います。
上位機種と同等の2015仕様でありながら、非常にリーズナブルな価格を実現しているのも嬉しいところ。上位機種と同じゴールドのハードケースも、もちろん付属します。最新のギブソンを手ごろな価格で体感できるグッド・ギターです。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは2月20日(金)を予定。
価格:¥111,000 (税別)