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- 2024/03/22
Gibson Custom Shop / Collector's Choice #30 1959 Les Paul “Gabby”
今回の週刊ギブソンは、コレクターズ・チョイスの第30弾、Gibson Custom Collector's Choice #30 1959 Les Paul “Gabby”について紹介します。最高の状態で保存されていたオリジナル1959LP“Gabby”を再現した本器はどのようなサウンドなのか、ぜひ動画でチェックしてみて下さい。
今回紹介するGibson Custom Collector's Choice #30 1959 Les Paul “Gabby”のオリジナル・モデルは、世界のバースト好きの間で噂の1本だったようです。ビンテージ・ギターのキングと言える“バースト・レス・ポール”は、個体数が少ないこともあって1台毎のヒストリーも含めて研究が進んでいる例も多いのですが(例えば、シリアル・ナンバー○○○○番はもともとは誰の所有器で、今はどこの誰が持っていて、どういう特徴がある等)、このシリアル9-0291の“Gabby”は2008年に突如、オーナーがギブソン社にコンタクトをとってきたことで、その存在が明らかになったギターです。
1959年製のバーストは、ハニー・バーストなりレモンドロップなり、なんらかの退色が進んでいるものが多い中で、この個体は製造当時のカラーを驚くほどキレイに保っていました。長い間、とても大切にされてきたことが伺える貴重な個体です。当時のオーナーは2008年にギブソンに鑑定を依頼し、ギブソンは自社だけの鑑定で済ませることなくバースト・コレクターとして世界的に著名なVic Da Pra氏(バースト好きのバイブル『The Beauty Of The 'Burst』のP213にも登場)に鑑定を依頼。その結果、“最高の状態で保存されたオリジナルのバースト”として認定されたのです。“Gabby”の愛称は、“Gibson Appraisal Burst(ギブソンに鑑定を委ねられたバースト)”を略して付けられました。
週刊ギブソンの読者はご存知の通り、Gibson Custom Collector's Choiceは歴史的に価値がある個体を徹底的に解析し、再現するシリーズです。オリジナルの所有者であるコレクターとVic Da Pra氏の協力の下、ネック形状やトップのカーブが3Dスキャンで解析され、見事に再現されています。もちろん、フィニッシュやサウンド面も抜かりはありません。トップの杢もオリジナルに近いものを選別しているため、最大でも上限300本の限定生産となっています。本器のサウンドは下の動画からチェックしてください。
使用アンプ:マーシャルJVM205H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソン18' Purple Gibson Instrument Cable
“Gabby”のサウンドを一言で言うなら“最上級のレス・ポール・サウンド”、これに尽きます。太く、粘りがあって、しかしトレブルは十分に出ている例の音です。倍音もたっぷりと乗り、サステインも長い“良いレス・ポール”のイメージ通りの音がします。
また、どう弾いてもしっかりと反応してくれるので非常に扱いやすいというのも良いレス・ポールの特徴で、もちろんこの“Gabby”の反応の良さも特筆モノです。ある程度歪むアンプがあれば、あとはタッチと手元のボリューム・コントロールでクリーンからオーバードライブまでシームレスにコントロールできます。動画では、特に01:23〜01:50あたり、同じようなフレーズで少しずつボリュームを絞って弾いていく様子を見ていただければ、このギターのレスポンスの良さがわかるかと思います。
サウンドについては、他のCollector's Choiceやヒストリック・シリーズと同様に、最高峰であることは間違いありません。その上で、個人的にはこの赤味の強いフィニッシュの今後の経年変化が楽しみだと思いました。一緒に年を重ねていきたい、“Gabby”はそんなレス・ポールです。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは3月20日(金)を予定。
価格:¥1,212,000 (税別)