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Syu [GALNERYUS] meets Shure GLXD16 ギターペダルワイヤレス

デジタルワイヤレスシステム

  • 文:井戸沼 尚也
  • 写真撮影:八島 崇(※を除く) 動画撮影:森田 良紀 動画編集:林 千砂 アンプ提供:モリダイラ楽器

ギタリスト/ベーシストから“本気で使えるワイヤレスシステム”として注目を集めているShureのギターペダル型デジタルワイヤレスシステムGLXD16。他のワイヤレスシステムにはないGLXD16ならではの魅力を、自身も愛用者だと語るギター・ヒーロー、ガルネリウスのSyuが試奏を交えて紹介する。

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ワイヤレスの在り方を変えたGLXD16

 これまでギタリスト/ベーシストは、ステージに上がる前にワイヤードの音質や安定性とワイヤレスがもたらす自由を秤にかけ、どちらかを選ばなければならなかった。その状況を一変させたのが、Shureのボディパック型/ギターペダル型デジタルワイヤレスシステムGLXD16だ。
 GLXD16は、堅牢かつ軽量なボディパック型送信機GLXD1と、Shure初のギターペダル型受信機GLXD6からなるワイヤレスシステム。その特徴は、状況によって最適な周波数を自動的に選んで変更し、従来のワイヤレスの弱点だった電波の干渉や音切れの不安を解消するLINKFREQ機能を搭載している点。また、ペダルボードに組み込めるコンパクトな受信機に、ストロボ式とニードル式を選べる精度の高いチューナーを内蔵している使い勝手の良さもギタリスト/ベーシストからの評価が高い。さらに短時間の充電で長時間稼働する充電システムを採用している点、ワイヤレスであることを感じさせないレイテンシーのなさと音質の良さも、支持を集めている理由だ。
 これまで数多くのワイヤレスシステムを試しながら十分に満足できなかったというガルネリウスのSyuも、現在はGLXD16ユーザーだ。実際にツアーでGLXD16を使用しているというSyuに、その魅力を語ってもらった。

Shure GLXD16 ギターペダル型デジタルワイヤレスシステム

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Syu [GALNERYUS] meets Shure GLXD16

Shure GLXD16の魅力

Point 1 簡単なセットアップ

 Shure GLXD16の魅力、その1つ目は超簡単なセットアップ。送信機・受信機双方の電源を入れたら、それでセッティングは終了。あとはプレイするだけだ。一般的なワイヤレスシステムのように、まず周波数帯を選び、それを設定するといった手間が一切ない。その秘密はShure独自のLINKFREQ機能。これは最適なチャンネルを自動で選んで設定し、さらに、演奏中に影響を与えるような帯域のデータが飛んできた場合にも、GLX-Dが自動的に周波数を切り替えるという優れた機能。これによってミュージシャンは余計な心配をせず、演奏に集中することができる。

Syu’s Comment
「とにかく送・受信機の電源をオンにするだけで、最適な周波数帯を自動的に選択してくれるのでセッティングが非常に楽ですね。例えば対バン形式のライブで両方ともワイヤレスを使用する場合など、一般的なワイヤレスシステムだと周波数帯の振り分けや設定などが面倒なのですが、そんな状況でもGLX-Dはオンにするだけで即プレイできる。ライブに集中できるし、本当に便利ですね」

送・受信機のスイッチを入れるだけでベストなチャンネルが自動選択されるため、即座に音が出せる。

Point 2 堅牢なメタル・ボディ

 堅牢な金属シャーシ設計のペダル型受信機は、例え重厚なブーツで踏みこんでもビクともしない。また、送信機も堅牢なメタル製だが軽量で、人間工学に基づくデザインが施されている。リバーシブルベルトクリップが付属しているので、さまざまな位置に快適にしっかりと取り付けることが可能。また、万が一落としても破損の心配がほとんど無い頑丈さは、主にライブで使用されるワイヤレスシステムだけに重要なポイントだ。

Syu’s Comment
「ワイヤレスシステムの受信機はラックタイプのものが多いと思うんですけど、これはエフェクター感覚でボードの中に並べることができます。ということは、イコール頑丈でなければならないと思うんですが、これはもう象が踏んでも壊れないというか(笑)、何をしても大丈夫というくらい頑丈に出来ています」

堅牢なメタル製のボディパック型送信機は、リバーシブルベルトクリップ付きでさまざまな位置に装着できる。

ガンガン踏まれることを想定したペダル型受信機は堅牢なメタルシャーシ設計。Syu曰く、象が踏んでも壊れない!?

Point 3 安定したワイヤレス性能

 屋内では通常の使用時で最大30m、最良の環境下では最大60m、屋外での通常の使用時には最大20m、最良の環境下で最大50mの到達距離を誇り、大きなステージでも安心して使用できる。その到達距離もさることながら、GLXD16の魅力はその安定性にある。様々な電波が乱れ飛ぶ環境下でも、常にベストな周波数帯を自動で選ぶLINKFREQ機能で、電波の乱れや途切れといったワイヤレスシステムで心配される干渉を事前に回避できる。

Syu’s Comment
「昨年、全国十数箇所を回るツアーの全てでこのGLXD16を使用しましたが、物理的な故障がないのはもちろん、電波の乱れや途切れといったトラブルも全くなかったですね。例えば東京・渋谷は様々な電波が飛び交っていて、ミュージシャンの間ではワイヤレスを使うのが難しい街として知られているんですが、そこでもトラブルはありませんでした。ガルネリウスのベースのTAKAさんも同じGLXD16を使用しましたが、電波の干渉も全くありませんでしたね」

昨年行ったガルネリウスの"THE VOYAGE TO THE BOUNDLESS UNIVERSEツアー"でも全くトラブルがなかったという。

受信機を置き去りにスタジオを飛び出してみる!曲がりくねったスタジオ内でも好感度。(屋内到達距離:通常の使用時に最大30m、最良の環境下で最大60m)

Point 4 ワイヤードと遜色ないサウンド

 GLXD16のサウンドは、全帯域が満遍なく出た非常に質の高い音だと言える。サウンドをチェックした筆者の感覚では、ハイエンド系のケーブルに近い印象。楽器との相性によっては(SGなど)、GLXD16の試奏後にハイエンド・ケーブルを通してみたものの、サウンドが奥まってしまい物足りなく感じたほどだ。ワイヤードと遜色ない、場合によってはワイヤードを上回るサウンドだと言える。

Syu’s Comment
「音質に関しては基本的に“変わらない”、もしくは“良くなる”と思ってもらって良いと思います。いろいろなワイヤレスを使ってきましたが、このGLXD16は音が元気になる感じですね。それと皆さんが気になる点だと思いますがレイテンシーについては、ワイヤレスである以上発生はしますけれども、全く気にならないですね。速いパッセージを弾きまくっても、しっかり付いてきてくれます」

Syu曰く、“音が元気になる”とのことで、帯域の広さが関係しているのだろう。速いパッセージで弾いてもレイテンシーは気にならない。

Point 5 使いやすいチューナー機能

 ギタリスト/ベーシストにとって、このチューナー機能は非常に魅力的なポイント。ストロボ式とニードル式を選べる点、大きなディスプレイで非常に視認性が良い点、チューニング中に音をミュートできる点などとにかく使い勝手がよい。しかも特筆すべきはその精度の高さ。試しに非常にポピュラーなチューニング専用機(クリップ・チューナー)と同時に使用してみたところ、本機は、専用機でも曖昧だったチューニングのごくわずかなズレを明確に示した。

Syu’s Comment
「ストロボ式とニードル式のチューナーが内蔵されていて、僕はニードル式を使っています。音を出さずにミュートした状態で使えるのは便利ですね。精度もすごく高くて、よくマルチ・エフェクター等に入っているおまけのようなチューナーとはまるで別物の、本格的なチューナーが内蔵されていると考えてよいと思います」

ミュート機能を搭載した内蔵クロマチック・チューナーには2種類の表示が用意されている。こちらはストロボ式チューニング表示。

もう一つのニードル式チューニング表示。

Point 6 安心の充電/電源周り

 本機はShure独自のリチウムイオン充電式電池を採用し、最大16時間連続使用が可能で、繰り返し充電できる。また、15分程度の充電で最長1時間半の使用が可能で、短いステージであればライブの直前に充電しても乗り切ることもできる。また、USB充電ケーブルが付属しており、PCからの充電ができる点も非常に便利だ。

Syu’s Comment
「とにかく短時間の充電で長時間使用できるのがいいですよね。例えば対バン形式のライブなんかでバタバタしていて充電するのを忘れていたという場合でも、たった15分充電すれば最長で1時間半プレイ出来ますからね。3時間くらいフル充電すれば約16時間使用できますから、2日連続のライブでも全く問題なく使えるのは素晴らしいと思います」。

15分の充電で最長1時間半稼働はうっかり充電をし忘れた際にも非常に助かる(AC電源充電時)。写真のようにモバイルバッテリーを使ったUSB接続充電も可能。

総評

「ワイヤードで弾いている人は基本的に音にこだわっている人だと思うんです。だからワイヤレスを導入するのは勇気がいるかもしれません。ただ、このShure GLXD16に関しては、音質に関してはまず問題ないと言えます。むしろ音がまるでバッファーをかましたように、とても元気になりますね。レイテンシーに関しても実用上、全く問題がありません。音に関しては問題なく使えて、ステージ上の自由度が上がるのがGLXD16の最大のメリットだと思います。ジャンプし放題、回り放題、客席のところまで行き放題です。ですからステージングを大事にする人は、本当は音に問題がなければワイヤレスを使いたいと思っているはずなんです。そんな人にはShure GLXD16をぜひ試してみてもらいたいですね。僕は自宅にも一台欲しいと思うくらい、気に入っています」。

「音が元気になって、ステージ上でのパフォーマンスも自由になるGLXD16を是非試してもらいたい」。

製品紹介

GLXD1 ボディパック型送信機

 GLXD1 ボディパック型送信機は、堅牢なメタル製の人間工学に基づくデザインの送信機。リバーシブルベルトクリップが付属しているので、さまざまな位置に快適にしっかりと取り付けることができる。Shure独自のリチウムイオン充電式電池で、最大16時間連続使用、繰り返し充電可能。GLX-Dワイヤレスシステムで使用できる。

Shure GLXD1 ボディパック型送信機(左からフロント、サイド、トップ)

・GLX-Dワイヤレス受信機に自動的にリンクしてシームレスに周波数を変更します。
・Shure独自のリチウムイオン充電式電池で、最大16時間連続使用、繰り返し充電できます。
・到達距離:
 屋内:通常の使用時に最大30m、最良の環境下で最大60m
 屋外:通常の使用時に最大20m、最良の環境下で最大50m
・洗練されたデザインで堅牢な軽量構造
・簡単でわかりやすいオン/オフスイッチ
・送信機に搭載されるロック機構付きのTQGコネクターには、Shure製ラベリア、ヘッドセット、イヤーセット、楽器用の各マイクロホンおよびギターケーブルが接続できます。
※GLXD16専用WA305ケーブルは、スレッドロック付・ノイトリック社製コネクターのプレミアムギター/ベースケーブル
・リバーシブルベルトクリップ

GLXD6 シングルチャンネルギターペダル型受信機

 Shure初のギターペダル型受信機は、ペダルボードに容易に取り付け、電源を取ることができる。堅牢なメタルシャーシ設計。内蔵クロマチック楽器チューナーにはストロボ式チューニング表示とニードル式チューニング表示がある。フットスイッチを使って、ワイヤレスディスプレイとチューナーモードを切り替え可能。チューニング中に信号をミュートしたり伝送したりすることができるオプションがある。
 30th Annual NAMM TEC Awardを受賞(WIRELESS TECHNOLOGY部門)。

Shure GLXD6 ギターペダル型受信機

・ペダルボードに容易に取り付け、電源を取ることができるギターペダル型受信機です。
・堅牢な金属シャーシ設計
・内蔵クロマチック楽器チューナーにはストロボ式チューニング表示とニードル式チューニング表示があります。
・LEDセグメントディスプレイ経由で送信機の電池残量を確認できます。
・調整可能な周波数ピッチ(432-447Hz)
・フットスイッチを使って、ワイヤレスディスプレイとチューナーモードの切り替えが可能。チューニング中に信号をミュートしたり伝送したりすることができるオプションがあります。
・非常に見やすいLCDディスプレイ
・6.35mm 出力コネクター

SHUREワイヤレス/イヤモニ キャッシュバック・キャンペーン実施中!

 2017年11月1日 (水) ~ 2018年1月31日(水)まで、ShureのSVXワイヤレス、BLX®ワイヤレス、GLX-D®デジタルワイヤレス、PSM300インイヤーモニターシステムをご購入いただいた方に最大8,000円をキャッシュバックするキャンペーンを実施中! 応募方法はキャンペーン・ページをご覧ください。

SHUREワイヤレス/イヤモニ キャッシュバック・キャンペーン

試奏機材紹介

 SyuはESPの最新シグネチャー・モデルとオレンジのアンプ&キャビネット、そしてShure GLXD16だけを使用。一切のエフェクトを使わず、きらめくような独自のピッキング・アタックを響かせていた。

今回GLXD16の試奏に合わせたのは、Syuの最新シグネチャー・モデル ESP CRYING STAR-CLASSIC VETELGYUSとオレンジのRockerverb 100 MKIIヘッド+PPC412キャビ。

ギター:ESP CRYING STAR-CLASSIC VETELGYUS

 CRYING STAR-CLASSICを、よりモダンスタイルにアップデートしたのが本器。ソリッドブラックのボディカラーにミラーピックガードが、初代CRYING STARを彷彿とさせる。ピックアップにはEMGが採用され、REBELの頃より導入されているミッドブースト回路のEMG SPCを搭載している。

ESP CRYING STAR-CLASSIC VETELGYUS[デジマートで検索する

【SPECIFICATIONS】
●BODY:Honduras Mahogany ●NECK:Honduras Mahogany ●FINGERBOARD:Rosewood, 24frets ●INLAY:Pearloid Block ●SCALE:628mm (Medium) ●NUT:Bone ●JOINT:Set-neck ●TUNER:GOTOH SG360-20 ●BRIDGE:GOTOH GE103B-T & GE101A ●PICKUP:(Neck) EMG 85/(Bridge) EMG 81 ●CONTROL:Master Volume, Master Tone, SPC Volume, SPC ON/OFF Switch, Toggle PU Selector ●COLOR:Black ●PRICE:500,000yen (Without TAX) with Hard Case ●本人サイン入り認定証

アンプ:ORANGE Rockerverb 100 MKII Head+PPC412 4×12″

 クリーンとディストーションの2チャンネル、100Wパワーのヘッド。クリーンにミッドコントロールが追加され、エフェクトループと大型リバーブも装備。キャビネットはCelestion Vintage 30を4発搭載した密閉型のギターアンプ用キャビネットを使用。

Orange Rockerverb 100 MKII Head[デジマートで検索する

Orange PPC412 4×12″[デジマートで検索する

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製品情報

プロフィール

Syu[GALNERYUS]

Syu(シュウ)
1980年9月23日生まれ、兵庫県芦屋市出身。GALNERYUS、SPINALCORDのギタリスト、作曲者。非常にメロディアスで、かつ難易度の高いリックを余裕で弾ききるスーパー・ギタリスト。そのプレイは、日本はもとより海外からも非常に高い評価を受けている。GALNERYUSの9枚目のアルバム『VETELGYUS』では、更に進化した最新のSyuのプレイを堪能できる。

◎GALNERYUS Official Site:http://galneryusyumacher.com/
◎SPINALCORD Official Site:http://www.spinalcord-rock.com/
◎You play hard! -Syu web guitar lesson-:http://www.syumacher.com/

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