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  • 週刊ギブソン Weekly Gibson〜第54回

TAKE-C(SHAKALABBITS)が弾く! Gibson Memphis ES-339 Studio

Gibson Memphis / ES-339 Studio

  • 文:井戸沼尚也
  • 動画撮影:編集部 写真撮影:八島崇 映像編集:熊谷和樹 取材協力:Gibson Brands Showroom TOKYO

SHAKALABBITSのギタリストであるTAKE-C氏をゲストに招き、ギブソン・メンフィスのスモール・サイズ・アーチトップ・モデルを紹介する特別企画。第2回は、ES-339の普及モデル「ES-339 Studio」編をお送りします。

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Gibson Memphis ES-339 Studio featuring TAKE-C

使用アンプ:マーシャルJVM205H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:
ギブソン18' Purple Gibson Instrument Cable

Gibson Memphis ES-339 Studio

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個性溢れるグッド・サウンド、ES-339の普及版

 ES-339スタジオは、本連載第53回で紹介したES-339の普及版。装飾を排し、価格を抑えることでより多くのユーザーに手にしてほしいと設計されたもの。ただし、レス・ポールJr.やメロディメーカーがそうであるように、“普及版=サウンドが劣る”という構図ではない。本器はES-339とは異なるグッド・サウンドが身上。その個性をES-339との比較で見ていこう。
 まず、本器のボディ構造はES-339と同様、ラミネイト・メイプルによる成型+センターブロックという仕様。つまり、ES-335のダウンサイズ・バージョンだ。ただし、本器がES-335ともES-339とも違うのは、ボディ周りのバインディングやピックガードがなく、1ボリューム/1トーンとコントロールがシンプルなところ。これらは、演奏性やルックスだけでなく、ボディの鳴りに影響を及ぼすと考えられる。本器のネックはメイプル、指板は熱処理されたメイプルが貼られている。ES-339はマホガニー・ネックにローズ指板なので、ここは大きく違う点だ。ただし、ボディやピックアップなどのトータル・バランスの結果、一般的にメイプル・ネックからイメージする音の硬さはまったく感じられず、むしろES-339よりマイルドなトーンになっている。2015年モデルでは、ヒストリック・トラスロッド、ロッキング・ストップバーなど、上位機種と同等の仕様を採用。ピックアップには57クラシックを搭載し、ギブソンの伝統的なトーンを叩き出す。リア側だけ少し出力が高めなのも、実用的で使いやすいポイントだ。

Interview

甘く、太く、普及版ながらリッチな音が魅力です!

──ES-339スタジオを弾くのは今回が初めてとのことですが、まず第一印象は?

 普段メインで使っているES-339に比べてこちらの方が音が甘くて、普及版なんですがリッチな感じがしますね。ES-339の方がシャープな音です。このスタジオは、ジャジィな音もいけますね。

──試奏内容も、ES-339とは変わってお洒落なコード・ワークでした。

 そうですね。クリーンだとそういうのも合います。歪ませても、太い音がしますよ。クランチにするとロックンロールっぽいのも合いますね。そういうのに呼ばれるというか、Aのキーで弾きたくなる(笑)。

──1ボリューム、1トーンというコントロールについてはいかがでしょうか?

 違和感はないです。コントロールがシンプルなので、話が早いというか、切り替えも男らしくいけるんじゃないかと思います。

──ネック周りの感触は?

 これもES-339と比べて、まったく違和感がないですね。指板がメイプルと聞いてびっくりしたんですけど、それも弾いていて自然に感じました。音も太いし。それと、この指板、甘くていい匂いがするんですよ。なんか、かりんとうみたいな(笑)。

──試奏ではディレイも使っていましたね。

 エフェクター乗りもいいですし、ディレイをかけても温かい気持ちのいい音がするんですよね。強く歪ませた時には、押し出しが強いので、ゴリッとした感じが出せます。

──ES-339スタジオはどんなシーンで使えそうでしょうか?

 曲によって、ES-339と使い分ける感じでしょうね。EQとかで音を変えるんじゃなく、太い音がほしい時にはES-339スタジオを使ったほうがいいと思います。

──ES-339スタジオが気になる人へメッセージを。

 買いやすい値段でしょうけど、作りが雑とかいう感じはまったくないです。ES-339とはキャラクターが違うという感じですね。太くて甘い音が魅力的です。箱のギターが気になる若いプレイヤーなんかには、買いやすいですから最初の1本としてオススメできるんじゃないんでしょうか。こういうギターがあることで選択肢が広がるのは、とてもいいと思います。


※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは6月12日(金)を予定。

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製品情報

Gibson Memphis / ES-339 Studio

価格:¥226,000 (税別)

【スペック】
●ボディ:メイプル ●ネック:メイプル ●指板:トリファイド・メイプル ●ピックアップ:57クラシック(フロント)、スーパー57クラシック(リア) ●コントロール:1ボリューム、1トーン、3ウェイ・トグル・スイッチ ●フィニッシュ:ジンジャー・バースト(写真)、ワインレッド ●備品:オリジナル・ハードケース
【問い合わせ】
ギブソン・ジャパン http://www.gibson.com/
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プロフィール

「Climax」

TAKE-C
1979年、栃木県生まれ。SHAKALABBITSで活躍するギタリスト。2002年、サポート・ギタリストとして参加していたSHAKALABBITSに正式加入。どクリーンから激歪みまで幅広いサウンドを使いこなし、巧みに楽曲の質を高めるギター・スタイルに定評がある。SHAKALABBITSの最新音源は17枚目のシングルとなる「Climax」。9月からは全国ツアーも予定されている。

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