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  • デジマート地下実験室〜地下23回

ピックの違いでギターの音はどう変わるのか?

ピック実験

  • 文:井戸沼 尚也(室長)

ピックを換えると音がどう変わるか──皆さんも一度は試してみたことがあるのではないでしょうか? 今回、地下実験室ではそれを徹底的にやってみましたよ。ぜひヘッドフォン着用でご確認ください!

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【実験テーマ】ピックの違いでギターの音はどう変わるのか?

■ピックに関する噂
ブライアン・メイは硬貨をピックとして使っている

 これは噂というか、有名なエピソードであり厳然たる事実ですよね。他にも、サンタナは薄くて巨大な三角ピックだとか、リッチー・ブラックモアはホームベース型のピックだとか、個性的なピックを使う方もたくさんいます。これまでに聞いたことがあるピック絡みの話で最もウケたのは、ギター・マガジン2015年8月号ピック特集に登場した日本のギタリスト、JINMOさんのインタビューです。一部を抜粋してみると「……形状において最も自分の奏法にフィットしたのが栗だったんですよ。はい、食べる栗です。栗の頭の尖った部分が非常に良かった。ただ、栗の頭は数回ピッキングすると削れちゃうので、すぐに次の栗に持ち替えなきゃいけない(笑)」って、そりゃ笑うよ! でもJINMOさんの知識、経験、研究意欲はモノ凄く、最終的には超独特なオリジナル・ピックを開発し、使用しているようです。

 何がギタリストにそこまでさせるのか? それは、弾き心地も音も、ピック1枚でまったく変わるからです。さらに言えば、その人のリズム、プレイヤーとしてのスタイル、最終的には作る音楽性にまで関わってきます。それなのに、「なんとなく弾きやすいから」「ずっとこれ使ってるから」程度の認識でピックを選んでいませんか? いや、別にいいんですよ、それでも良い音を出し、凄い演奏をし、素晴らしい音楽を作る人もいっぱいいますから。でも、なんかもったいないなぁと思いまして、地下実験室で取り上げてみることにしました。厚み、材質などが異なる50枚近くのピックで、それぞれのサウンドをチェックしてみました。

 今回の動画は、見ていて非常に地味だと思います。でも、この記事が皆さんのピック選びのヒントになれば、こんなに嬉しいことはありません! では、実験室史上、最も地味な実験、いってみよう!

【実験環境】

使用機材
フェンダーUSA アメリカン・スタンダード・ストラトキャスター(ギター)
フェンダー 68 Custom Deluxe Reverb(アンプ)
ヴァンデンハル(ケーブル)
ダダリオ EXL110(弦)
ピック各種

※セッティングなどについて
■ピックの選定は、基本線楽器店の店頭で買いやすいモノ(一部特殊なモノは除く)というユルい基準で行ないました。シグネチャー・ピックは除外しています。
■今回はルーパーが使えないので、手弾きです。極力同じように弾いていますが、誤差が出てしまうことをご了承ください。
■今回、約50種のピックが登場します。一気に見ても、何が何だかわからないかもしれません。止めながら見る、先に原稿をひと通り読んでから興味のあるところを拾って見る、などが個人的にオススメです。
■本企画では、動画再生の際、モニター用ヘッドフォンの着用を推奨しています。

実験1 厚み編

ピック実験〜厚み編

 ピックの厚みの区分として定着しているThin(約0.50mm)、Medium(約0.70mm)、Heavy(約1.0mm)、Extra Heavy(約1.15mm)の基準を作ったのはフェンダー社だと言われています。そこで、まずはフェンダーのセルロイド製ピック4種のサウンドをチェックしてみました。

Fender編

 それではFender Classic Celluloidから弾いていきしょう。えー、ティアドロップの、尖った方で弾くんですよね……って私、実はこの20年ほど“丸い方”でしか弾いていないので、ピックの持ち方からして違和感アリアリです。どどど、どう握るんだったっけ?……えーと、頑張ります。

Fender Thin(約0.50mm)

Thin(約0.50mm)

一般的にロック系で使われることは少なく、アコギのストロークなどに使う人が多いようです。個人的に大好きなピックでして、これで弾くと弦だけでなく “ピックも鳴る”ような感じがするのは私だけでしょうか? サウンド的にはペチッとしたアタック音と、コロッとした弦の音で、なかなか味わいがあります。 明るい音で、中低域はあまり出ません。メチャしなるので、速いフレーズには向かないため、そちら方面での使用者が少ないのでしょう。
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Fender Medium(約0.70mm)

Medium(約0.70mm)

 このくらいから、普通にエレクトリック・ギター、ロック・ギターでも使われるようです。これはバランスのいいピックで、Thinの味わいを残しつつ、ほど良いしなり方というイメージです。
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Fender Heavy(約1.0mm)

Heavy(約1.0mm)

 このくらいになると、Thinと比べて明らかにしっかりした音で、中低域が充実しているように思います。しなりも少なく、速いフレーズも弾きやすいはずです。
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Fender Extra Heavy(約1.15mm)

Extra Heavy(約1.15mm)

 Heavyとの差はわずか0.15mmですが、弾き心地はまったく異なります。人間の手って凄いですよね。これは全然しなりません。速いフレーズを多用したい人は、これくらい固いピックで力を入れずに弾いていくのが良いのでしょう。4種の中で最も太い音ですが、弦だけが鳴っているような感じで、私はフェンダーらしい旨味はちょっと少ないように感じます。この辺の感覚は、動画だけを見てもわかりにくいかもしれません。できればこの文章を読んだ後に、実際にThinとExtra Heavyを使って、動画よりもっとゆっくりしたフレーズを自身で弾いてみると、納得していただけるんじゃないかと思います。
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Jim Dunlop編

 次に、ジム・ダンロップのトーテックス(Tortex)製の厚さ違いを実験です。トーテックスというのは、ポリアセタールを米デュポン社が“デルリン”として商標登録したものに、ジム・ダンロップが独自の表面処理を施し命名したものです。ややこしい。同社は、厚みを0.50mm(レッド)、0.60mm(オレンジ)、0.73mm(イエロー)、0.88mm(グリーン)、1.00mm(ブルー)、1.14mm(パープル)と、フェンダーよりだいぶ細かく刻んでいます。サウンドの大まかな傾向は以下でしょうか。

◎薄い:悪く言えばペケペケ、良く言えば明るく味のある音
◎厚い:悪く言えば味のないぶっきらぼうな音、良く言えば芯があって太い

Jim Dunlop Tortex 0.50mm(レッド)

Jim Dunlop Tortex 0.60mm(オレンジ)

Jim Dunlop Tortex 0.73mm(イエロー)

Jim Dunlop Tortex 0.88mm(グリーン)

Jim Dunlop Tortex 1.00mm(ブルー)

Jim Dunlop Tortex 1.14mm(パープル)

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 以上のキャラクター傾向は、フェンダーと変わりません。でも、全体にフェンダーよりボリュームが出ているようですね。今、この原稿を書くために自宅でフェンダーの1mmとジム・ダンロップの1mmで試してみましたが、やはりジム・ロップのトーテックスの方が少し怨霊が出ます。ゲっ、すごい変換になった! 違います、出るのは“音量”です。こわっ。自宅に出たら怖いわ! 音質も、スムーズなフェンダー・セルロイド、少しざらついたジム・ダンロップ・トーテックスという感じです。

Jim Dunlop Big Stubby(2.0mm)

Jim Dunlop Big Stubby(2mm)

 ここで、同じジム・ダンロップBig Stubbyに2mmの製品があったので、これも試してみましょう。素材はナイロンです。このくらいの厚さになると、ちょっと私には握り難くなってきます(慣れていないので)。弦に当たるエッジの部分は研磨されていて、そこは2mmもありません。ストロークしてみます。音、でかっ! 音質は、トーテックスで感じられた“まとわりつく感じ”がなく、もっとストレートに発音される感じですが、この辺りは弾いた本人でないとわからないかもしれませんね。どうでしょうか? 私にはかなりはっきりした違いなんですが……。ただ、これは厚みによる違いというより、素材とエッジの部分の加工による違いという気はします。
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Jim Dunlop Big Stubby(3.0mm)

Jim Dunlop Big Stubby(3mm)

 これもストロークの音がでかいです。単音は、かなりクリアですね。これはひとつ持っていても、いいかも。
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V-Picks V-O500(5.0mm)

V-Picks V-O500(5mm)

 最後は、ブランドが変わってV-PicksのV-O500。厚さはなんと、5mmもあります! もうね、持った感じが立体なんですよ。板というより、小っさい箱を持っている感じです。素材はアクリルで、これもエッジは5mmもありません。あったら、引っかかって何も弾けないはずです。そのサウンドは、うわ、いろいろ凄いな、これ。音は非常にクリアなんですが、アタックすべてに“カシュカシュ”という独特のアタックが付きます。ううむ、私には合いませんが、これでしか弾けないという人もいるんでしょうな。これがいかに特殊な音か、動画の最初の方のフェンダーのところに戻って見てみてください。ね? 全然違うでしょ?
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 最後の3つはおまけという感じですが、フェンダー&ジム・ダンロップで厚さごとに比べた結果、同じ素材なら厚い方が音が太い、一方薄いピックの独特の味には価値があるという結果(個人的感想)になりました。私は、ミディアム以下が好きです。あなたはいかがでしたか?

実験2 素材編

ピック実験〜素材編

 次は、素材別にサウンドをチェックしていきます。形はティアドロップ、厚みは極力1mmで揃えています(特に記載のないものは1mmです)。

Greco TD1.0

本べっ甲──Greco TD1.0

 最初なのでわかりにくいかもしれませんが、非常にクリアな音です。お値段は高めですが(実勢市場価格1,000円程度)、1枚持っておくと重宝しまよ。アコギを弾いてもいい音します。
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Gibson APRGGBP-74

セルロイド──Gibson APRGGBP-74

 厚みはHeavyです。これもクリアなんですが、少しコロッとしたニュアンスが出ますね。私はやっぱりセルロイド好きです。ちなみに昔は安いピックの代名詞だったセルロイドですが、今は様々な規制が生まれる中で原価が高騰し、ピック・メーカーさんは価格の維持でかなり努力しているようですよ。
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Jim Dunlop Tortex 1.00mm(ブルー)

トーテックス──Jim Dunlop Tortex

 ジム・ダンロップのブルーです。これは発音が良くてちょっと硬めの音ですね。
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Jim Dunlop Ultex

ウルテックス──Jim Dunlop Ultex

 ウルテックスというのはジム・ダンロップの呼び方で、一般的にはウルテム、詳しく言うとポリエーテルイミド樹脂系エンジニアリング・プラスチックだそうです。長いわ。よく爪の音に似ていると言われ、人気の素材です。音は柔らかく、ニュアンスがよく出る感じです。
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Jim Dunlop Delrin

デルリン──Jim Dunlop Delrin

 ジム・ダンロップのデルリンです。トーテックスの表面加工がないものですね。厚さは0.96mm。音は、明るめ、硬め、でも色気なしのぶっきらぼう系です。
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Jim Dunlop Gator Grip

ゲーター・グリップ──Jim Dunlop Gator Grip

 「ゲーター・グリップって何?」と聞かれると、ううっ、すみません、私にはわかりません。表面は、とてもザラザラしています。厚さは0.96mmです。音は、控えめ、割とニュアンスは出やすいですがちょっとアタックがザリッとしています。
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Jim Dunlop Nylon Standard

ナイロン──Jim Dunlop Nylon Standard

 ジム・ダンロップのナイロン・スタンダードです。コンプがかかったような遅いアタックが特徴だと思います。
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PICKBOY Fibertex

ファイバーテックス──PICKBOY Fibertex

 ピックボーイのファイバーテックスです。グラスファイバー+ナイロンによる素材だそうです。ナイロンとの相違点では、カリッとしたアタックが頭に付く点が挙げられます。トーテックスやデルリンのようなダイレクト感はなく、やはり若干のコンプ感があります。
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GRAPHTECK TUSQ Pick

タスク──GRAPHTECK TUSQ Pick

 タスクは人口象牙のことですが、素材の詳細は秘密だそうです。音は素直で、硬過ぎず丸過ぎず、バランスはいいと思います。ただ、他のピックに比べて極端にしなりが少ないのが特徴で、速く弾きたい人にはとても良さそうですが、しなりを調節しながらニュアンスを付ける人やカッティング命の人には向かないかも。
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V-Picks V-TRUL Tradition

アクリル──V-Picks V-TRUL Tradition

 厚みは0.8mmです。薄いせいか、素材の特性か、かなりしなります。音はフェンダー・セルロイドなどのオーソドックスなタイプに、アタックの明瞭感を加えたような感じ。広く好まれそうな音です。
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Big-West Creation TD-AL

アルミニウム──Big-West Creation TD-AL

 金属製ピックです。独特のアタックが特徴で、音自体は少し奥に引っ込んでいるように思います。大きさが、普通のティアドロップよりひと回り小さく、エッジも丸めです。
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Big-West Creation TD-SUS

ステンレス──Big-West Creation TD-SUS

 大きさは、先ほどのアルミと同じです。音は、先ほどのアルミより少しブライトで、アルミより前に出てくる感じです。金属性ピックって、イメージではもっと硬くて、バッキーンと前に出てくる音を想像していましたが、ちょっと違いますね。
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Big-West Creation TD-BS

ブラス──Big-West Creation TD-BS

 形状は前のふたつと同じです。音のニュアンスはアルミとステンレスの中間といった感じでしょうか。もしかすると、金属製ピックは歪みとの相性が良いのかもしれません。
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Big-West Creation TD-CU

銅──Big-West Creation TD-CU

 同上のシリーズで、音の出方はステンレスとブラスの中間。整理するとステンレス、銅、ブラス、アルミニウムの順で、音が前に出てきます。どれもそこそこ重量があり、ステンレスだけ非常に軽いです。すべて、まったくしならず、カッティングにはこわい感じ(弦を切りそう……)。単音でソロやリフを弾くのが中心という人には良さそうです。
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PICK BOY GP-BN/1

牛骨──PICKBOY GP-BN/1

 厚みははっきりしませんが、2mm程度でしょうか。音は非常に明瞭で、アタックもはっきりしています。これも、まったくしなりません。
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PICK BOY GP-HN/1

水牛角──PICKBOY GP-HN/1

 形状、厚み、音の特徴とも牛骨にかなり似ています。違いはアタックの“キュッ”という音の出方が、牛骨の方が派手なんですが、わかるでしょうか? 両者は実際に弾き比べるとよ〜くわかるはずです(他も同じくですが/汗)。
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PICK BOY GP-EB/1

エボニー──PICKBOY GP-EB/1

 木製です。これも、厚みは2mm程度だと思います。ピッキングの際に引っかかるような感触が少しあります。アタックは意外と“キュッキュッ”と出て、木製のイメージと若干異なりますが、出音はやはり他の素材よりウォームです。
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Clayton Phat-Tone

特殊ゴム──Clayton Phat-Tone

 硬質ゴム2枚でピックを挟んだ形で(間の素材は不明)、本来はベース用で指弾きのニュアンスを出すものだそうです。厚さは2.8mmもあります。音は確かに柔らかめ、少しアタックが遅い印象です。
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 いかがでしたか、素材編。多くの人はややもして「何がなんだか……?」という状態ではないですか? 私も、改めて超集中して聴き直し、さらに再度チェックしてみて……まあ、非常に疲れました。ここで言えることは、「昔からある素材は、よくできてるわ」ってことですかね。べっ甲やセルロイドには、弾きやすさ、音の良さ、手に馴染む感覚などの普遍性を感じました。それと、トーテックス、デルリンのパワー感は群を抜いている感じです。その太く、明るく、くっきりとした出音は、パワフルなプレイをしたい人には良さそうです。若干の色気不足は感じましたが、まぁ、どっちを取るかですよね。あとはアクリルが妙に印象に残りました。

実験3 特殊編

ピック実験〜特殊編

 次は、ちょっと変わったピックをチェックしていきます。動画の途中、「デジマート・ピック」のところでボリュームが上がるので、そこになったら注意してください。

Jim Dunlop Tortex Pitch Black Jazz Ⅲ

Jim Dunlop Tortex Pitch Black Jazz Ⅲ

 まずは特殊というにはあまりにも有名な、ジム・ダンロップのジャズⅢ。ここではトーテックスの1mmのものを使いました。非常に小ぶりで扱いやすく、エッジがシャープで、出音も明瞭です。テクニシャンに好まれるのもわかる気がします。ただ、ちょっと小さ過ぎるという人もいるでしょう。
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Jim Dunlop JD Jazztone 205

Jim Dunlop JD Jazztone 205

 同じくダンロップのJazz Tone205です。素材、厚みは非公表ですが、結構厚め(1.5mmくらい?)で、こちらの方がジャズⅢよりエッジが丸くなっています。音もマイルドで、よりジャズ向きな印象です。これの少し大きいヤツ、208は私も割と好きなピックです。
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DAVA Control Nylon

DAVA Control Nylon

 これは握る位置でしなり具合を調整できるというピックです。アタックが自然で、音も明瞭、いいピックです。ただ、握る位置でしなりを変えるというのは微妙な気がしました。柔らかいピックを使っている人は誰でも“握り込み方”でしなりを変えており、“握る位置”を変えるとピックを飛ばしてしまう原因になります。このピックには滑り止めも付いていますので、十分配慮はされていますが……。位置云々は置いておいて、“よくしなる、良いピック”として使ってみることをオススメします。
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PICK BOY Lita Ford Model GP-LF/100

PICKBOY Lita Ford Model GP-LF/100

 次はホームベース型。ピックボーイのリタ・フォード・モデルです。これは、セルロイド、1mmで音は普通に良いという感じですが、右手に収まる感じがかなり独特です。ピックが手の中で回ってしまうような感じがありません(個人的に、ですが)。それで悩んでいる人は、試してみてほしい形です。
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IBANEZ PA1M

IBANEZ PA1M

 いわゆるラウンドコーナー・タイプ、つまり円形ピックはある意味で最強かもしれませんね。万が一手の中で回っても、どこで弾いても同じということですから。試してみたのはIbanezのPA1M。ベース用ということです。動画では紹介できませんでしたが、このピックでカッティングすると、音も弾き心地も面白いです。ただし、速いフレーズは弾きにくいです。
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BlueChip TAD-60

BlueChip TAD-60

 次に登場するのはフラットピックの王者、ブルーチップ・ピックのTAD-60です。一見すると普通のおにぎりピックですが、特殊素材で作られ(素材は内緒みたいです)エッジの処理も実にキレイにプロペラ・カットされています。国内ではなかなか手に入らず、その高額ぶりに尻込みする人もいるでしょう(参考価格:6,480円)。そのサウンドは……あー、こりゃいいですね。最初のコードの響き、伸びがメチャ・キレイです。その後の単音では、興奮した私が6弦を弾く時に力が入り過ぎていますが、このピックはいいです! 見つけたら、私もぜひ1枚欲しいです。アコギ・マガジンによれば、関西方面の楽器屋さんで入手しやすいそうですね。本来は、ブルーグラスのプレイヤーに愛されているようですから、アコギとの相性もバッチリでしょう。
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デジマート・オリジナル・ピック

デジマート・オリジナル・ピック

 おっ、次はデジマート・ピック! このピック、弾くと歪むんですよ〜!って、すみません、嘘です。「デジマート」って文字を画面に映したかっただけです。すみませんでした。

コイン

 さて、特殊ピックの代表格と言えば、ブライアン・メイで知られるコインです。イギリスの6ペンス硬貨を使っていたことが知られていますが、そんなものは持っておりません。そこで、1円〜500円で、ブライアン・メイっぽい音になるか、試してみました。

1円玉……あ、結構それっぽくなりますね。
5円玉……おお、こっちの方がぐっとそれっぽい!
10円玉……これは! いいですよ!
50円玉……うん、いいです。
100円玉……いいですね。
500円玉……いいと思います。

1円

5円

10円

50円

100円

500円

 1円玉以外は、どれもそれっぽくなります。なりますが、どれもむっちゃくちゃ弾きにくい! 弾けない、弾けません。こんなので弾いているんだ、メイ! ある意味すげーな! それとも6ペンス・コインって日本の硬貨とはずいぶん違うんでしょうか?

結論:ブライアン・メイはゴイス

あ、間違えた。

結論:ピックの違いで、ギターの音はいろいろと変わる

 当たり前中の当たり前ですね。でも、本当にかなり違います。音も変わりますが、弾き心地もまったく違います。比較的ストレスなく弾けるものから何も弾けませんというものまで様々でした(私は冒頭に述べたように、普段はティアドロップの丸い方で弾いているので、尖っている方で“弾きやすい”というのはないです。ストレスが少ないが最上級)。個人的に好きなピックは、フェンダー、ギブソンのセルロイドのものですが(でもフェンダーとギブソンではまた随分違うんですよ!)、今回、Vピックとブルーチップは凄いと思いました。

 ピックは他の機材に比べて比較的安価なものですから、皆さんもいろいろ試してみてはいかがでしょう? 音、弾き方など、新しい発見がきっとあるはずです。あ、それから最後に、「ピックそのものの音」を知るという意味で、すべてのピックで、ピック・スクラッチした映像をおまけで付けました。まぁ、おまけというか拷問ですが、自虐的な気分になった時にでもお楽しみください。

 それでは、次回、地下24階でお会いしましょう!

ピック実験〜ピック・スクラッチ

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プロフィール

井戸沼 尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジン・チャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。

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