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バイタライザー実力チェック feat.松原秀樹 〜Providence Vitalizer BF VZF-1

Providence / Vitalizer BF VZF-1

  • 取材・文・写真撮影:田坂圭 動画撮影・編集・録音:森田良紀

プロビデンスの新作ベース、aCB-100WM、aRB-108M5を試奏いただいた松原秀樹氏に、今度は同社製品のサウンドの核心であるバイタライザーの実力をチェックしてもらった。ここでフォーカスするのはコンパクト・タイプのベース用バイタライザー、Vitalizer BF VZF-1。松原氏が普段から愛用する66年製のフェンダー・ジャズ・ベース(もちろんパッシブ)に接続し、プロビデンス製シールドを使用した状況と、劣悪な35m長ものカールコードを使用した状況にてバイタライザーをオン/オフ。驚くべき結果が表れました。

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バイタライザー実力チェック! feat.松原秀樹 〜Providence Vitalizer BF VZF-1

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Providence Vitalizer BF VZF-1
ベース用コンパクト・バイタライザー

 プロビデンスが提唱する“INNOVATIVE PASSIVE SOUND”の核心であり、ノイズ混入や音質劣化を招きやすいハイ・インピーダンス信号を、そうした影響を受けにくいロー・インピーダンスに変換するのがVitalizerだ。その最大の特徴は、いわゆるバッファー・アンプにありがちなクセやアクティブ臭さを極力廃した原音重視のナチュラルさにある。今や同社製ギター&ベースを始め、NAMM SHOW 2016で試作機が発表されたベース用プログラマブル・スイッチャーやプリアンプ/DIにも内蔵されているこの回路を、低音向きの単体機として設計したのがVitalizer BF VZF-1だ。楽器に近い位置に接続すればボトムの輪郭を引き締めて音像をまとめあげ、ボードの入口に配置すれば複数のエフェクトをつなぐことによる信号劣化を抑えられるなど、単体ゆえに活用法は自在。求めるトーンを安定的に運用するうえで絶大な威力を発揮する。

SPECIFICATIONS
●端子:1/4インチ標準フォーン・ジャック(入力、出力)、DC9V入力ジャック(ACアダプター・ジャック) ●電源:9Vバッテリー(1個)、またはACアダプター(別売り) ●消費電力:DC9V 約3mA(エフェクトON時) ●サイズ:73(W)×60(D)×43(H)mm ●重量:約100g(本体のみ) ●付属品:アウター・バッテリーボックス(ふた固定用ネジ付き)LE-OBB-2、006P形9Vバッテリー(6F22)
価格:オープン

Matsubara’s Impression

 僕の66年製ジャズ・ベースに単体機のVZF-1をかけてVitalizerの効果を試してみましたが、オンにすると確かにしっかり音がまとまります。さらに、あえて劣悪な状況で試すために35mのカールコードでも実験したところ、これはもう明らかに違う。Vitalizerをかけない状態だとカールコード特有のジャリッとした部分が出て、しかも散り散りになってしまった音が、カールコードの前にVitalizerを入れてオンにしたらクッとひとつになって、劣化がほとんどない“普通の音”になりました。こんな劣悪な環境でもVitalizerを通すだけで音質を維持できるのはスゴイ(笑)。

 とはいえ品のない感じで回路が効くわけではなく、すごく自然に、気がついたら音がふっと前に出ているような印象なんです。ガラッと音が変わっちゃうと、それは違う楽器になってしまうわけで、Vitalizerは“変わらない良さ”が魅力ですね。楽器本来が持つニュアンスはそのままに持ち上げてくれるというか、もとの楽器の音色を残して尊重しつつ、足りないところを補ってくれる。僕はオールドのフェンダー・ベースをよく使うんですけど、例えば規模の大きいコンサート・ツアーだと決まったスタッフがセッティングをしてくれて、いつも同じ状態で演奏することもできるんです。

 ところが、ライブハウスで単発でやるときやテレビ局の収録で弾くような場合はそれぞれの場所で状況も違ったりして、古いフェンダーなんかだと楽器の良さを充分に出せないことも多々あるんですよ。それはそれでビンテージの味とも言えるんですが、そういうときにVitalizer をかければどんな場所でも自分の楽器のアベレージを上げられて、そのレベルを維持できるという信頼感がありますね。

 あとね、今回の実験で使った単体機のVZF-1にはコントロールがひとつも付いてないんですよ。ツマミやスイッチは一切なくて、Vitalizerの回路だけで“コレでどうだ!”と自信を持って作られてる点も僕は好きですねぇ(笑)。これからいろんな現場で使ってみたいですけど、まずは自分のアンプは使わずにライブハウスを回るような小規模なツアーなんかにVZF-1ひとつを持っていって、それを通すことで常にいつもの音が出るっていう活用法を試したいですね。

使用ペダル・ボード

 試奏に際しては、プロビデンスがNAMM SHOW 2016用に組んだスペシャル・ボードを接続。右下から時計回りに、歪み機能も備えたベース用プリアンプの試作機Bass Drive Pre-Amp+DI w/Vitalizer-B(仮)、プログラマブル・スイッチャーの定番PEC-04をベースに最適化したうえにVitalizer-BとEQも積んだPEC-4BVの試作機、原音重視のプリアンプとして人気のDBS-1、低音表現にこだわったアナログ・コーラスABC-1、緻密な設定に対応するコンプBTC-1、クリーンな電源供給を追求したパワー・サプライProvolt9、そしてVitalizer BF VZF-1だ。ちなみにパッチ・ケーブルはすべて世界最小級のハンダ式プラグProvidence NP-21&NP-21Lを使用したV206 “Silverbullet”。試奏時にはさまざまサウンドを試しているが、本企画の動画ではVZF-1を使用した以外、エフェクトはバイパスしている。

使用ベース&アンプ

 左はVZF-1の試奏&実演に用いた松原の所有器で、日焼けしたホワイト・ボディにマッチング・ヘッドも映える66年製フェンダー・ジャズ・ベースだ。ローズウッド指板のネックには65年から採用されるバインディングが施されているが、ポジション・マークはブロック型に移行する直前のドット型で、通称ドット・バインディングと呼ばれる過渡期の仕様。80年代の入手以来、数々の現場で活躍してきた歴戦の1本である。アンプは松原氏の希望で用意したエデンWTP600D410XSTで、すべての試奏&実演で用いた。かねてからフェンダーやメサ・ブギーとともにエデンも愛用しており、6月から参加する徳永英明のツアーにも投入する予定だ。5弦のロー感まで気持ち良く表現でき、かつイナタさも備えている点がお気に入りだという。

松原秀樹氏によるプロビデンス・ベース試奏特集は下記画像をクリック!

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製品情報

プロフィール

松原 秀樹
1961年、大阪府生まれ。70年代に音楽活動を開始し、ANKHでバンド・デビューしたのちにセッション・ワークも行なうようになり、現在まで第一線で辣腕を振るっている。これまでに中島みゆき、高中正義、今井美樹、角松敏生、スガシカオなどのライヴ/レコーディングに参加してきたほか、C.C.KINGやBattle Cryの一員としても活躍中。

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