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  • 週刊ギブソン Weekly Gibson〜第112回

松本孝弘(B’z)の1959年製レス・ポールを再現! Tak Matsumoto 1959 Les Paul

Gibson Custom Shop / Tak Matsumoto 1959 Les Paul Aged/Signed

  • 実演・文:井戸沼尚也 動画撮影:編集部 写真撮影:八島崇 録音協力:加藤和彦(オンキヨー) 映像編集:熊谷和樹 取材協力:Gibson Brands Showroom TOKYO

Tak Matsumotoファン垂涎の1本であり、人気のあまり発売後即入手困難となっているモデル、Gibson Custom Shop Tak Matsumoto 1959 Les Paul Aged/Signed! 今週の週刊ギブソンでは、本人所有の1959年製レス・ポールを完全再現した、早くも伝説のギターとなりつつあるTak氏のサインが入る威風堂々たる30本限定モデルを、動画を交えてご紹介します。

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使用アンプ:マーシャルJVM410H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソンInstrument Cable

B’z作品など数々の名演を生んだシリアル“9-1156”を再現!

 日頃からGibson Customの自身のシグネチャー・モデルを愛用するTak氏ですが、ビンテージ・サウンドが必要な“ここぞ”という場面で登場する伝家の宝刀のようなレス・ポールも所有されています。それが、オリジナル59バースト、シリアル・ナンバー“9-1156”の個体です。例えば、B’zのアルバム『The 7th Blues』やソロ・アルバム『華』の他、最新ソロ・アルバム『enigma』に収録する「Mystic Journey」のメイン・パートでも使用されています。また、1996年の『Rock'n Roll Standard Club』ではツアーでも使われたことを覚えているファンも多いのではないでしょうか。

 数々の名演を生んだ1993年より本人が所有する “9-1156”を、今回Gibson Custom Shopが完璧に再現しました。ベースとなるモデルは、同ディヴィジョンのフラッグシップであり、究極のビンテージ・レプリカであるTrue Historicです。それをもとに、実器の3Dスキャン・デジタル・データを解析し、オリジナルと同じネック・グリップやボディに付いた傷のひとつひとつまで再現することに成功しました。プロトタイプを手にしたTak氏は「ビンテージな風格を持ちながら、今の楽器としての完成度が非常に高い。正直なところ、ネックはビンテージのもの以上に気にいっています」とコメントしています。ライブ、レコーディングでも活躍し、現在はすでにメイン・ギターの1本として多用しています。

直筆サインが入るヘッド裏

金属製に交換されたジャック・プレート

ロック式ストラップ・ピンを実装

 今回発売されたモデルには、本人が実器を確認しながらサインとシリアル・ナンバーを入れた30本限定のモデル、Tak Matsumoto 1959 Les Paul Aged/Signedと、それと同様のエイジド処理がなされたTak Matsumoto 1959 Les Paul Aged(リミテッド・ラン)がラインナップされています。

得も言われぬ極上のネック・グリップ

 貴重な本器を実際に弾いて気づいたことは、まずネック・グリップの心地良さです。筆者はHistoric Collection、True Historic、Historic Selectなど多くの1959モデルを弾いた経験がありますが、このモデル(そしてオリジナルの9-1156)のグリップは、ほんの心持ち細いのではないかと感じました。細いと言ってもいわゆるナロー・ネックのように極端に細いわけではなく、極わずかにそう感じさせる個体差程度の、厚みを含めたグリップの削り具合の妙なのだと思います。本人がビンテージ以上に気に入っているというこのグリップを体感するためだけでも、楽器店に足を運ぶ価値があると思います。このグリップはもちろんAged/Signed、Aged共通になります。

 次に気づいた点は、9-1156は単なるコレクションではなく、アーティストが実際に使う楽器だという点です。例えば、ストラップ・ピンは遠慮なくロック式のものに交換されていますし、シュリンクしやすいオリジナル・ペグのボタンはその部分のみ交換されています。オリジナル・バーストをコレクションとして扱うコレクターは、こうした交換はまずしません。これらはTak氏が9-1156を楽器として扱っている証であり、本器はそうした仕様も再現されています。

 サウンドについては、文句のつけようがない、最高峰のバースト・サウンドだと言えます。バースト・オーナーが“ダブル・トーン”と呼ぶ独特の倍音の乗り方、管楽器のようなサステインがよく表れています。最終的にTak Matsumotoのサウンドを形成しているのは本人の極上のタッチに加え、ギター以外の周辺機器も重要な要素となっていますが、それらの核となる「最高のレス・ポール・サウンド」を本器が持っていることは間違いありません。本器はファン垂涎の1本にして、迷っている暇はないプレミアムなギターです。


※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは8月12日(金)を予定(7月29日、8月5日は休載となります)。

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製品情報

Gibson Custom Shop / Tak Matsumoto 1959 Les Paul Aged/Signed

価格:オープン

【発売日】
2016/7/1
【スペック】
●Body:1Piece Genuine Mahogany、2Piece Figured Maple Top、Double-Carved ●Neck:1Piece Genuine Mahogany、Double-Carved ●Fingerboard:1Piece Indian Rosewood、Hand-Rolled Binding Inlay Cellulose Trapezoids ●Nut:Nylon ●Finish:True Historic“Tak Matsumoto'Burst”Nitro-Cellulose, Aged ●Tuners:Kluson Deluxe Single Band ●Bridge:ABR-1 ●Tailpiece:Lightweight Aluminum Stopbar-Nickel ●Neck Pickup:Burst Bucker、True Historic Cover ●Bridge Pickup:Custom Bucker、True Historic Cover ●Headstock:Les Paul Standard、“Broken”Edges ●Knobs:True Historic Gold Top Hats ●Collateral:Aged Reissue Case、Signed Artist COA(Aged Version #001-#100)、2016 Gibson Custom Medallion(covers Rhythm/Treble Switch Access Cavity)with extra black plastic cover in case.
【問い合わせ】
ギブソン・ジャパン http://www.gibson.com/
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