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モニターヘッドホンの定番 SONY MDR-CD900STを徹底解剖!

SONY / MDR-CD900ST

  • 文:岡田卓也(e☆イヤホン)

今回のイヤホン☆王子の耳ログ!は、モニターヘッドホンとして日本中のスタジオで使われている名機「SONY MDR-CD900ST」をピックアップ! 製品の特長はもちろん、修理から改造までたっぷりご紹介します。

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モニターヘッドホンの代名詞MDR-CD900STとは?

SONY MDR-CD900ST

 MDR-CD900STといえばモニターヘッドホンの代名詞とも言える機種として、オーディオマニアにはもちろん、音楽業界にも広く知られるヘッドホンです。SONYとソニー・ミュージックエンタテインメントによる共同開発で、1989年に登場しました。1987年に発売されたMDR-CD900というヘッドホンの後継に当たる機種です。MDR-CD900STの発売以降、約27年に渡り日本の音楽シーンでは、このヘッドホンの音をスタンダードにして音作りが行なわれています。

 当初は、一般ユーザーへの販売を行なわない、業務用のヘッドホンとして販売されていました。MDR-CD900STのフラットで素直な音を求めるユーザーも多く、1995年から一般のユーザーへの販売が始まりました。業務用の機材という位置づけでの販売で、初期不良以外の保証対応がなく販売されているのも特徴の一つです。

 e☆イヤホン開店当時から展示機として使っている試聴機も、今年で9年目を迎えていますが、故障したことはありません。イヤーパッドやウレタンリングなど消耗品はもちろん、ネジからヘッドバンドまで、MDR-CD900STに使われているパーツは全てが販売されているので、パーツを集めればゼロからMDR-CD900STを組み立てることができます!消耗するパーツを新品に交換し、メンテナンスさえ行なっていれば、いつまでも長く使用できるのがこのヘッドホンの良いところです。

e☆イヤホンでMDR-CD900STのパーツを購入

MDR-CD900STのパーツをチェック!

 MDR-CD900STは業務用として必須である長時間の使用でも快適に使用できる点も高評価です。必要最低限なパーツの使用により、ケーブルを含まずに本体重量を200gと軽量に仕上げています。40mmのドライバーにはCCAW(銅クラッドアルミ線)が採用されていますが、CCAWはアルミのワイヤーの表面に銅をコーティングした線材で、銅だけの線材よりも50%以上軽量化することができます。また、CCAWをボイスコイルに用いドライバーの可動部を軽量化することで、ドライバーのレスポンスを向上させることができるのです。レスポンスの良いドライバーを採用することで、より正確な音源再生を可能にしています。

MDR-CD900ST・ハウジング(L/R・各税込1,980円)e☆イヤホンで購入

MDR-CD900ST・イヤーパッド(税込1,080円)e☆イヤホンで購入

 ドライバーの周りにはウレタンリングが取り付けられています。ウレタンリングは主に低域に影響のある部品です。写真の通り輪切りになったスポンジなので、長期間使用すると嵩が潰れていきます。「一度もウレタンリングを交換していない…」、「低域が足りない…」という方は、ウレタンリングを新品に交換してみてください。劇的に低域が良くなります!
※ただのウレタンでこんなに音が変わって良いのかと思いますが(^^

MDR-CD900ST・ドライバー(税込3,020円)e☆イヤホンで購入

MDR-CD900ST・ウレタンリング(税込260円)e☆イヤホンで購入

 交換の目安として、3カ月に1度程度交換してほしい部品です。ウレタンリングは一つ¥260-(税込)ですので、特に仕事としてMDR-CD900STを使われる方は、ウレタンリングのメンテナンスを忘れずに行なってくださいね!

 先程もご紹介した様に、MDR-CD900STは消耗品を交換していくことで長く使用することができます。しかし、e☆イヤホン クリニックには、片側だけ音が鳴らないMDR-CD900STが持ち込まれることがあります。MDR-CD900STの故障の原因で一番多いのが、プラグ付近の断線です。プラグが断線してしまった場合には、新しいケーブルに交換することができます。MDR-CD900STのケーブル(プラグ+ケーブル)は¥3,240-(税込)で販売しています。

MDR-CD900ST・プラグ付コード(税込3,240円)e☆イヤホンで購入

 そしてもう一つの大きな故障の原因は、ハウジングとバンドにかけて出ている左右を繋いでいるケーブルの断線です。見えているところが切れていなくても、ヘッドバンドの中で断線している場合もあります。このケーブルが断線してしまった場合は、ヘッドバンドを丸ごと交換します。MDR-CD900STのヘッドバンドは¥4,320-(税込)で販売しています。

MDR-CD900ST・ヘッドバンド(税込4,320円)e☆イヤホンで購入

 e☆イヤホン クリニックでは、MDR-CD900STの場合、工賃¥2,000-+パーツ代+送料で修理が可能です!

e☆イヤホンでMDR-CD900STのパーツを購入

MDR-CD900STを改造してみよう!

 さらに、先代のMDR-CD900や、海外版のMDR-V6やMDR-7506で搭載している、折りたたみ機構を搭載することが可能です! 兄弟機であるMDR-7506のスライダーをMDR-CD900STでも使用することができるのです。折りたたみスライダーは片側で¥1,300-(税込)ですので、両側で¥2,600-+工賃で手持ちのMDR-CD900STに折り畳み機能を追加することができます。もちろん音質には全く影響なく改造が可能です!

MDR-CD900ST/MDR7506・折りたたみスライダー(L/R・各税込1,300円)e☆イヤホンで購入

持ち運びも便利な折りたたみ型MDR-CD900STの完成!

 ちなみに、画像で装着しているイヤーパッドはYAXIのstPad for Studio Headphone。主にMDR-CD900STに照準を合わせて開発された交換用イヤーパッドで、摩擦に強いレザーや低反発ウレタンの使用で耐久性と快適性が向上します。こちらも是非お試しください!

 ということで、MDR-CD900STのパーツ交換、改造についてご紹介してきました。日本の音楽シーンの音作りに長く貢献してきた本機ですが、音質はもちろん、その耐久性と交換パーツの豊富さからもその理由がわかる気がしますね。すでに長年使用している方も、是非この機会に疲れたパーツの交換を試してみてください。いつまでも変わらぬ良い音が楽しめますよ!


e☆イヤホンでMDR-CD900STのパーツを購入
イヤホン・ヘッドホンの修理はこちら

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製品情報

プロフィール

岡田卓也(おかだ・たくや)
イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」CS推進部課長。帰省時にイヤホンが断線し、たまたま購入したSHURE E2cでイヤホンにハマる。これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンの数は数千機種に及ぶ。日本人で初めて(おそらく)beats本社やUltimateEarsのラボ見学をしたことが自慢。

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